第二話 人狼の見た光景
「さて、と。
それなりに元気になったようだし、聞かせてもらおうか。
クライブ。お前、どうしてこの島のことを知っていたんだ?
漂流した末、たまたまたどり着いたら俺たちがいたなんて、そんな偶然は信じないぞ」
子どもたちが寝静まった後、家の居間で私とシオン、クライブとリンネは向かい合うようにソファに座っている。
クライブもリンネもひどく緊張した面持ちでこちらの様子を窺っている。
シオンも珍しく機嫌悪そうに背もたれにもたれかかってクライブを睨みつけている。
「ハッ……それはこの島を発見したのが拙者だからにございます。
大陸への侵攻の中継基地になればとバアル王に進言したのですが、王は「この島の存在を誰にも話すな」と命じ、地図に記すことも禁じられました。
それから間もなく、王がシオン様を連れて真夜中にあの島の方角に飛んでいくのを目にしました。
そのことから考えると王がこの島をシオン様にお与えになられたのだと思ったのです」
「なるほどな。それで魔界から逃げた俺が行き着く先はここしかないと踏んでやってきたわけだ」
「はい。もっとも、小さな島ですし拙者も古い記憶を掘り返しながらの航海でしたので食料も水も尽き、こんな醜態をお見せする羽目になったのですが」
「ふーん。大した執念なことだ。
で、只人の騎士と二人仲良く死にかけながらはぐれ魔族になった俺を探していたのは何故だ?
俺に親父の跡を継がせるためなんて、バカなこと言い出さないよな?」
「……勝手なこととは存じております。
あなたが御父上の意にそぐわぬご意思を持っていたことも。
されど、我々には他に手段がないのです」
やっぱりな、と言わんばかりにため息をつくシオン。
「なら滅びればいい。
人類を滅ぼすつもりでケンカふっかけたんだ。
自分たちだけは助かろうだなんて虫がよすぎるだろ」
詫びるようにうつむくクライブを冷たくあしらうシオン。
彼は私や子どもたちにはどうしようもなく優しい。
だが、自分たちの邪魔をする者には決してそうではない。
取り付く島もないシオンの態度にクライブは言葉を失うが、
「これは……魔族だけの問題ではないのです!」
身を乗り出して声を上げるリンネ。
だったが、シオンが一睨みすると萎縮したように肩をすぼめた。
「魔族だけの話じゃない、とはどういうことだ」
私の問いにリンネはおずおずと答える。
「今から8年前……エルディラード国王が……突如、姿を消したことをご存知ですか?」
「……いや。死んだということか?」
リンネは首を横に振る。
エルディラード王国の国王は人類の統治者と呼ぶべき存在であった。
広大な領地を持つ自国に加え、周辺の諸国を傘下に置く人類の連合体の長。
その権力は絶大で、かの王に叶わぬことなど無いと評されるほどに。
残念ながら、その権力に見合うべき人間性を持ち合わせてはいなかった。
魔王がいなくなった平和な世界で暴君として奴はのさばった。
奴には私もひどい目に合わされたのだが……まあ、昔の話だ。
「王位は長男のアスランが継ぐことになったのですが、彼は即位後1週間足らずで何者かに暗殺されました。
在位中の王の暗殺などエルディラードの歴史上初めてのことです。
時同じくして、ライオニア王国の『獅子王』ゼーゼマンがエルディラード王国に対して宣戦布告。
それが引き金となったように諸王、諸侯がエルディラードに一斉に反旗を翻し、マリアーヌ大陸は分裂することになったのです」
「まさか!? ゼーゼマンが?」
予想外の人物の名前を聞いて私は驚いた。
ゼーゼマンは正義感の強い青年だった。
王という立場にありながら自ら剣を取り、魔王討伐のパーティに加わった。
我欲のために民を危険に晒す戦乱を引き起こすような人物ではなかったが……
「私も聞いた時に驚きましたが、王にミアセラを側室として差し出すよう脅されていたとか」
「あー……うん。そりゃあ、ダメだ。
獅子の尾を踏むとか……いや、そんなレベルじゃない」
私は得心した。
ゼーゼマンは理想の王を体現するかのごとき好漢ではあるが、妹に対する溺愛ぶりは尋常ではない。
そもそもヤツが国を放って魔王討伐軍に参戦したのも妹の住む世界を守るためだったっけ。
……とすると、王の失踪はゼーゼマンが?
いや、ヤツは有耶無耶を嫌うし、まして妹に手を出されようものならば躊躇いなく打ち取り、見せしめに晒し首とすることだろう。
「人類の9割が住むマリアーヌ大陸、魔族が住む魔界こと魔大陸コキュートス。
この2つの大陸がそれぞれ内乱の最中にあります。
終わらない戦争により土地は荒れ果て、民は疲弊し、日々、数え切れないほどの死体の山が築かれているのです。
もはやその様子は地獄としか言いようがない」
リンネは膝の上に握った拳を震わせている。
クライブはそんなリンネを一瞥して、語り始める。
「魔界では現在4人の魔王を名乗る魔族たちが大陸の覇権を争っています。
拙者はバアル王が君臨していた頃の魔界の在り方が正しい姿だと考えておりました。
我々は人間に比べて繁殖能力が低い。
故に同族での殺し合いなどもっての外なのです。
されど、拙者の考えに賛同するものはおらず、落ち延びるようにしてマリアーヌに逃げ込みました。
同族の手にかかるくらいであれば、魔王軍の残党として人間に戦いを挑み、そして朽ち果てようと。
そう考えていたのです」
「はた迷惑な話だ。
死にたいなら一人で死ねばいいのに」
「シオン様のおっしゃるとおりです。
しかし、拙者の願いは果たされませんでした。
マリアーヌに着いて、間もない頃、食糧や物資を奪うために小さな村を訪れました。
ですが、その村は既に人間同士の戦の略奪により村人の殆どが死に絶え、隠れ潜んでいた子どもが5人残されていただけでした。
見るに見かねた私は彼らのために森に狩りに出ました。
荒らされた森に動物はほとんど残っていませんでしたが、なんとか一匹の兎をとらえて村に戻ったのです。
5人の子どもたちは小さな兎を貪り食いました。
最初は必死の形相を哀れんで見ていたのですが……気づいたのです。
子どもたちは年齢もバラバラで一番年上の子は12歳の男児、下の子は3歳の女児でした。
その様子から明らかに力関係に差があるのは分かっていました。
一番偉いと思われる年上の子は兎一匹をまるごと食べれば空腹を満たせたはずです。
ですが、彼はキチンと兎を五等分し、小さな子にも同じ量を分け与えていたのです。
誰一人、満腹にはなれませんでしたが、それでも全員飢えをしのぐことが出来ました。
人間からすれば常識なのでしょうが、我々魔族には衝撃的でした。
魔族において強いものが弱いものから奪うことを咎める理由は存在しませんから。
挙句、彼らは魔族である私に感謝の言葉を掛けてきたのです。
彼らの空腹を満たすことすらできなかった、魔族である私に……」
クライブは自分の手のひらを見つめて声を震わせている。
シオンは苦虫を噛み潰したような顔をしながら、クライブの話に耳を傾けていた。
「それから私は彼らを生かすことに尽力しました。
弱き者に貴重な食糧を分け与えることのできる人間が眩しかったのです。
荒れ果てた村を捨て、彼らと旅に出ました。
虫を食い、泥水をすすり、荒野で野ざらしになりながら眠る日々。
それでも彼らを見捨てられませんでした。
彼らの姿にこそ滅びゆく魔族が生き残る道が隠されているように思えたからです」
「で、そうやって旅をしているところを教会の命を受けて魔族の残党討伐に出ていた私に見つかったんですけどね。
驚きましたよ、悪逆非道たる魔王軍の幹部が人間の子どもを守りながら旅をしていたんですから」
リンネはクライブを横目で見て笑う。
人間は基本的に魔族に対して恐怖や嫌悪感を抱いており、中でも神への信仰を司る教会の関係者はその意識が強い。
だから、教会騎士団出身のリンネが人狼であるクライブと気さくに話しているのを見ると、純粋な驚きを感じる。
「よく殺さなかったな。
昔のお前なら魔族ならばすぐに叩き切っていただろう」
「教会のお偉方にとって都合のいいことばかりの神託を鵜呑みにする心なんてその頃には失っていましたよ。
法王様もエルディラードの王室と繋がって、散々、賄賂や異端派への苛烈な弾圧に手を染めているということも知ってしまいましたし。
それに、ジークリンデ様を抹殺することが神のご意志であるなどと言われてしまってわね……」
「とんだ気分屋だな、神というのは。
私を救世主と持ち上げて人生を狂わせた挙げ句、用済みとなれば抹殺などと」
思わず悪態をついてしまう。
だってそうだろう。
20年前、私は神の造りし聖剣グランカリバーを手にしてしまったことで『聖剣の勇者』に選ばれた。
まだ8歳だったのに親元から引き離され、命がけの修行をつまされた挙げ句、魔王討伐の旅に駆り出され何度も死ぬような思いをさせられた。
挙げ句、魔王を倒して凱旋すれば好色な王に身体を求められ、拒んだことでお尋ね者。
それまで仲間だった魔王討伐の旅をしていた英雄たちからも命を狙われ続ける日々。
思い出すだけで身の毛もよだつ。
それらが神のご意志であると言うならば、魔王よりもそいつをぶった切るべきだったよ。
不愉快な過去を思い出し、気が立ってきた私はリンネに対しても辛く当たる。
「で、私が泥水すすりながら逃げ回っていた時にお前は何をしていたんだ?
お前は私を殺しには来なかったが、助けにも来てくれなかったな」
リンネは深々と頭を下げ、詫びるように言葉を絞り出す。
「神託に異論を唱えた罪で教会の聖領に幽閉されていました。
その気になれば見張りを打ち倒し、貴方のもとに駆けつけることもできたと思います。
ですが……私はどれだけ教会のあり方に疑念を抱いても、破門され神の信徒であることを剥奪されたくなかったのです」
なるほどな。
破門をちらつかせられては、敬虔な信徒であるリンネは身動きが取れなくなるだろう。
孤児だったリンネは教会に拾われ、教会騎士団に入団した。
物心つかない頃から神の教えを徹底的に叩き込まれた彼女にとって、破門というものは自らの魂を捨てることに等しい。
私の討伐に出てこなかった理由がよーくわかった。
見殺しにしようとしたことを水に流せるかは別の話だがな。
「クライブ殿と剣を交えるのを避けて話し合った私は子どもたちを保護し、また彼の身を隠すのに協力しました。
教会が腐りきり、人の世から徳や情けが失われつつある時代だからこそ、異種族の子どもに情をかけられる御仁は得難いと思ったのです」
リンネはまっすぐに私の目を見てそう言った。
真面目で人がいいところは変わらないな。
クライブも見つかったのがリンネで幸いだったろう。
しかし、私が知らないうちに島の外は大変なことになってたんだなあ。
魔王討伐が10年前、私がこの島に来たのが9年前……それからほぼ1年後に王が失踪……
その後は戦乱続きで大陸全土で地獄絵図か。
さすがにいい気味だとは思わないが……
「いったい何のために、魔王の討伐なんてしたんだろうな」
私のため息混じりのつぶやきにリンネもクライブもギョッとした顔を見せる。
「ジークリンデ様! それは」
「だってそうだろう。
少なくとも魔王バアルが生きている間は人間同士で争っている場合ではなかった。
魔族による襲撃も私たちがマリアーヌ中の魔族の拠点を叩き潰したことでほとんど起こらなくなっていた。
あの段階で徹底的に守りを固めて、海からやってくる魔族に対抗するだけの人材の育成に取り組んでいれば世界を2つに分けることになろうと、それぞれ平和に暮らせていたかもしれない。
そうしなかったのは欲塗れの王家や教会のお偉方に体よく利用されてのことだったんじゃないか」
「ジークリンデっ!!」
私の言葉にリンネは黙りこくっていたが、クライブは激昂した。
「バアル王の死をそのように軽んじられては黙っておらんぞ!!
そもそも、貴様の隣にいらっしゃるシオン様はバアル王の実の息子!
どのような経緯で拾っていただいたのかは知らんが、仮住まいの分を弁え」
「親父をぶっ殺したのは俺と結ばれるためだったんだよ。ね、妻よ」
「…………ハ?」
クライブはシオンが挟んできた言葉を聞いて、あんぐりと口を開ける。
「言ってなかったけど、俺たちこの島で仲良く暮らしているうちに子どもも作ったんだ。
ジェイドにネイトにセレナ。
どの子も手がかかるけど可愛いんだ」
子供のことを語るシオンの表情はいつものにこやかなものだ。
それとは裏腹に緊張と驚愕に顔をひきつらせたリンネが声を震わせて私に尋ねる。
「ジ、ジークリンデ様……この方の言っていることは」
「事実だ」
「で、ではあなたは魔族に……その……身体を許したと言うのですか……」
「面と向かって言うのもはばかられるが……そういうことだ。
コイツとの子どもが欲しかったからな」
頬の熱さをごまかすようにフッ、と笑った。
他人にシオンとの関係を話すのは初めてだ。
「はあぁぁ〜〜〜っ!
ま、まさか、ジークリンデ様が……そんな……」
リンネの頬が林檎のように赤く染まる。
頭の中で裸で抱き合う私とシオンを想像されていると思うと、ちと恥ずかしい。
「むしろ襲われたのは俺の方だったけどね」
「余計なことを言わなくていい」
私がシオンの脇腹を小突くと彼は笑いながら私の頭をあらっぽく撫でた。
そんなやり取りをリンネは口をあんぐり開けたまま見つめた後、脱力してソファに沈み込んだ。
一方、クライブは目に涙をためて……
「ま、まさか……こんなに早く……
バアル王の血を継ぐ者が生まれて……
しかも勇者の血をも取り込んでいるなどと……」
「おい、クライブ?」
声も身体もガクガクと震えながら立ち上がったクライブにシオンは気圧されている。
そして、
「おめでとうございます! シオン様!
この死にぞこないの老体が今日まで生きてきたのは、まさにその吉報を聞くためでございました!」
と感涙にむせびながらクライブは床にひれ伏した。
「あ、そう。
じゃあ、話は終わりだな」
感極まったクライブの祝福を受け流してシオンが立ち上がる。
「お、お待ち下さい!!
そのことはさておき!!
私どものお願いを聞いていただきとうございます!!」
「だから、親父の跡は継がないって言っただろう。
何が悲しくて明るい島での可愛い家族との暮らしを捨てて、薄暗い魔界で可愛くない魔族連中を束ねなきゃいけないんだ。
やだよ、そんなめんどくさいこと」
「いえ! もし、あなた様が一人でいらっしゃるのであればそのようにお願いするつもりでしたが――」
クライブは顔を上げてシオンをキッと見つめ、
「貴方様に……人間も魔族も全てを治める、世界の帝王になって欲しいと今は考えております」
緩み気味だったシオンの表情が固くなる。
「その言い方だと、オレがジークさんを娶って、子どもを作ったからそういう結論に至った、とも聞こえるが」
「おっしゃる通りでございます。
魔族が人間を治めようとすれば、どうやっても反発は生まれます。
ですが、人類の英雄たる『聖剣の勇者』ジークリンデと結ばれ、その間に子どもがいるとなれば……人類の見る目も変わります!
人類と魔族の融和という世界開闢以来なし得なかった奇跡すらも起こせるでしょう!
貴方様にはその資格も力もあるのです!
どうかこの島を発ち、今こそ」
「そうか、死ね」
シオンが音も立たせずに腕を振るう。
私は咄嗟にクライブを蹴り飛ばすと、さっきまで首があった場所に魔力の斬撃が放たれた。
ソファの背もたれが斬り裂かれ、中に詰められていた干し草が散った。
「シオン!」
「いやいや、ジークさん。
邪魔しないでよ。
このクソジジイが何を言ってるか分かるでしょ。
コイツは俺を祭り上げてジークさんや子どもたちを世界征服の道具にしようとしているんだ。
そんなこと……頭に浮かべるだけでも許されない」
恐ろしく冷たい目をしたシオンが私を見下ろす。
シオンは極めて温厚だ。
無闇な殺生は決して行わない。
たとえ悪人であったとしても、殺さずに気絶させる程度に止める。
但し、私や子どもたちに害を与える連中は別だ。
「シ、シオン様……!
拙者が申し上げているのはバアル王のような人類への虐殺ではなく、その力と威光を持って世を治めることでございます!」
「おい、クソジジイ。
何か勘違いしていないか?
俺にとって世界とはこの島のことで、外のことは知ったことじゃない。
だが、俺の世界に害を加えるのならば徹底的に滅ぼす。
この島に矢の一つでも落ちた瞬間が外の世界が滅びるときだ」
シオンは魔力を全開放してクライブを威圧する。
いつもそばにいる私ですら、冷や汗が出るほど凶暴な魔力。
リンネは歯をガチガチ言わせて震えている。
「シオン。やめろ。
私はお前の手が血に染まるのを見たくはない」
「染めさせようとしているのはコイツラだ。
どのみち、生かして帰せばこの島のことが外にバレる。
そうなると面倒だ。
クライブはたくさんの人間を殺した。
そこの女剣士もたくさんの魔族を殺した。
自分が殺されない道理がないと分かっているだろう」
「だとしてもだ。
怒りに任せて他人を殺すような暴君の妻になった覚えはない。
矛を降ろさないなら、こちらも黙ってはいないぞ」
私は魔力を拳に集中する。
殴り合いの夫婦喧嘩なんてしたことはないが、シオンに二人を殺させる訳にはいかない。
それに、思うところはあれリンネは共に戦った友でもある。
見殺しになんてできない。
緊張した空気が部屋に漂う。
そこに、
「【でぃばいん・しょっと】!」
シオンの後頭部に魔力の光球が直撃した。
「いてっ!!」
「てきはひるんだぞー!! やれやれー!」
ドアからネイトの声が聞こえた瞬間、バリーン、と窓を突き破って、
「くらえっ!」
ジェイドが飛び込んできて、シオンの首元に回し蹴りをお見舞いした。
シオンは前のめりになってすっ転んだ。
突然現れてシオンに襲いかかった子どもたちにリンネとクライブはうろたえているが、私は「あーやっちゃった……」と半ばあきらめ気分だった。
うちの子供達はとても元気で、体力が有り余っているため寝付きが悪い。
なので、ちょくちょくごっこ遊びのような戦いで体力と魔力を奪って寝かしつけているのだが、今日はそれどころじゃなかったので付き合ってやらなかった。
そこに、シオンが馬鹿みたいに強烈な魔力を開放したものだから、2人は飛び起きて「おっ! たたかいのじかんだ!」と興奮しながら飛び込んできたということだろう。
子どもたちと取っ組み合いをしていれば頭に血が上っていたシオンも少しは落ち着くことだろう。
結果オーライ、というやつか。
私はソファに座り直し、お茶をすすった。
読んでいただきありがとうございます。
さて、この物語には前日譚があり、そちらの方でジークリンデとシオンの馴れ初めについて描かれています。
『無人島のジークリンデ 〜女勇者とはぐれ魔族の自給自足からはじまるラブストーリー〜』
https://ncode.syosetu.com/n7419ff/
独立した物語ですので、『無人島』を読まなければ『叛逆』の内容が理解できないという作りにはなっていませんが、エピソード・ゼロって感じで楽しんで頂ければ幸いです。