表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/23

二十二話 後日談二 グランドフィナーレで締めてみよう 【最終話】

 イリスを、迎えに来ていた護衛の騎士に引き渡してから、二層に戻り居住区にしている屋敷を歩いていると……


 「あっ……テンプ」


 黒い浴衣姿のクロナにバッタリと遭遇した。

 黒髪、黒目、黒浴衣……黒々しい。

 醸し出る刺々しい雰囲気が、浴衣の清楚さと調和していて、とてつもなく可愛い。


 「クロナ!」

 「……ふんっ!」


 つーん!!


 クロナが、屋敷の奥へとスタスタスタ……

 って! おいおい!!


 「クロナッ!!」


 ダッシュッ!!

 

 急いでクロナの肩を掴んで引き止める。

 ……俺に気付いてその態度はないんじゃないかな?


 「なによ! 馬鹿テンプ……」

 「なんで、行っちゃうわけ?」


 ひどくない?


 「ふん。決まっているでしょ」


 クロナは、前髪をサッと後ろに払って、


 「テンプが大嫌いだからよ?」


 つーん!!


 そして、


 ガーンッッ!!


 ショックで膝を抱えていじけてやる!!


 「フフッ……憐れね」


 そんな俺を嘲笑したクロナが、


 「んふふっ。冗談よ」


 と、笑顔で、振り返れば、腹部が大きく膨れている。

 別に太っている訳ではない。

 中にはクロナと俺の子供、竜がいる。


 クロナは龍だって言いきってるけど……

 龍と他種族の子供は、『竜』だからね。


 「ダーリンが追いかけて来る姿を見たかったの」

 「クロナ……っ」


 悪い冗談は辞めてほしい。

 でも、愛くるしいから許すっ!!


 澄まし顔で微笑むクロナにキスをして立ち上がり、そっと抱き寄せて、魅力的に膨らんだ下腹部をさすってあげる。


 「っあ。んふふ。今、動いたわよ? ダーリンだってわかったのかしら?」

 「まさか。腹にいるガキが、わかる訳ないだろ?」

 「リアリストね……」


 お腹をさすってあげたのは、クロナが辛いと思ったから……

 

 「体調は平気?」

 「余裕よ。お爺ちゃまは安定期だって言ってくれたわ」


 余裕って……そういうことなの?

 そういう事なのかな?


 「それなら……」


 言いながら、クロナのお尻を触って、抱き寄せて……


 「今日は、俺の部屋に来てよ」

 「はぁあ? 臭いでわかるのよ? あなた、今日はもう、沢山喰い歩いたんでしょ?」


 そうだけど……


 「クロナは特別なんだよ。それに、俺の嫁だろ?」 

 「ふんっ! 第二じゃない!! 誓いなんかなかったらアンタを喰ってるわ! よくも騙してくれたわよね?」


 まだ、怒ってるのか……

 アレはハクアが勝手に騙したんだけど……


 「第一がいる訳でもないんだから怒らないでくれよ……」

 「ふんっ!」


 つんつんしてるな。

 浴衣が泣いているぞ。


 「それに、クロナが特別なのは本当なんだぜ?」

 「……そう?」


 そりゃあ、初恋の娘だし。

 

 「だから、君には、他の娘と違って何も課してないでしょ?」


 アリスは、  メイド。

 邪神ちゃんは、師範。

 イリスは、  奴隷。

 ハクアは、  弟子。


 全員に、お金になることに従事させている。

 けれど……


 「クロナだけは、俺の傍で夢を見ていてくれれば良い」

 「……」


 言ってキスをする。

 舌を絡め、脚を絡め、抱き倒す。

 お腹はちょっと衝撃がいかないように。


 「ちゅっ……んっ。ここで?」

 

 場所は縁側……だけど、


 「暫くは……誰も来ないよ。二層に弟子達や、邪神ちゃんも上がって来ないし、イリスは帰った。アリスは三層の掃除。ハクアは……まあ、平気だよ」

 「……そうね」


 以心伝心。


 「夕日が落ちるまで……」

 

 仄かに朱いクロナの顔。

 そして、熱っぽい身体を……


 そして、日の入り。


 すっかり暗くなった縁側で、クロナとにゃんにゃんしていると、

 ……寒い。


 「クロナ……身体に悪いから中にいこう?」

 「ナカはだめぇっ!」

 「……」


 ぎゅっ~~っ。


 抱き着いて離れない。


 「中は暖かくて気持ちいいよ?」

 「いるからぁ! だめぇぇっ!! もっとぉ! もっとぉ! テンプぅぅ~っ」


 鼻が良いから部屋に誰か居るのが解るのか、こんなに早いとなるとアリスかな?

 しかし、ここまで泣きじゃくって求められると、答えたくなってしまう。


 「わかった」

 「ん……♪」


 そのあと、クロナが疲れて眠るまでずっと続いた……


 眠ったクロナを抱いて部屋に戻ると……


 「おかえりなさいませ。お師匠様っ」


 ハクアが白いベビードール姿で、出迎えてくれた。

 エロい。可愛い。最高。


 「嗚呼っ。お師匠様ぁんっ。ダメですよぅ」

  

 クロナをベッドに寝かせただけだよ。

 

 「ハクア……」


 修業は?

 と聞こうとしたら、バシンっ。

 腰に抱き着いてきた。


 極上の柔らかさ。


 「ハクアにします? 肉弟子にします? それとも……ゴ・ハ・ン?」

 「……ご飯にする。朝から何も喰ってないんだ」

 「まぁっ! 大変♪ ではっ!」


 ゴソゴソ……

 

 胴着の紐を解かれる。

 

 「……ハクア。なにしてるの……?」

 「何もナニも、お腹のすかせたお師匠様に、私を食べさせてさしあげるだけですよぉ~♪」


 選択肢が全部同じ結果しか生まない気がする。

 ハクアに家事は出来ないから解ってたけど……


 お尻をふりふりしているハクアを止めて、抱き上げる。


 「きゃは♪」


 そして、クロナを寝かせた俺のベッドとは違う、ハクアのベッドに腰掛けて、ハクアも膝に載せる。

 

 「修業は?」

 「終わりましたっ!」

 「……」


 ……まじか。

 まだ終わるような修業をさせてないんだけど……

 そうなると次は……

 

 「優秀だね」

 「えへへっ♪ では、お師匠様。お師匠様っ。ご褒美くださいっ」

 「良いよ」


 にぱにぱしちゃって可愛いなぁ……

 ハクアへのご褒美は決まってる。

 それは……


 キス。


 とろとろとろとろ……


 ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり……

 それでいて激しく……


 「ふふっ。素敵っ(恍惚)」


 なにかに浸っているハクアの髪を撫でながら、戻って来るのを待ってあげる。

 

 「お師匠様っ。次の修業は……お師匠様と一緒にしたいです」

 「可愛いなぁ……マジで」


 思わず抱きしめる。

 最近は山篭もりばかりさせていたのをちょっと反省。

 でも、


 「明日からは、暫く、ずっと一緒だよ?」

 「っ!」

 「本格的な房中術の修業に入るから」


 そのための下地を作ってた訳だし。


 「ということはっ! お師匠様と!!」

 「別に、俺とじゃなくても良いけどね」

 「それは嫌ですぅぅーーッ!!」


 ぺチンっ。

 ……叩かれた。


 「嘘だよ。俺も仙人に興味あるし、一緒になろうな?」

 「はい。ずっと一緒です。……末永く」

 「……ああ。そうしてくれるとありがたい」


 ちゃっかりしてるね。


 「さて、ハクア。アリスが来るまで何したい?」

 「ナニと戯れたいですぅ(赤面)」


 ナニとだよ!

 まぁ……解るけれどね。


 「良いの? 明日からはずっとだよ?」

 「良いんですっ! お師匠様はお嫌ですか?」

 

 そんなことはない。

 

 それを伝えるためにキスをして……


 「……っえ? お師匠様。この紐は?」

 「でも、お前、その(ベビードール)は誰のお金で買ったんだ?」

 「ふぁっ! それは……お師匠様のぉ」

 「いくらした?」

 「金貨が百枚くらい? (百万円)」

 「コラァアアアアアアア!!」

 「ひぁんっ♪」


 亀甲縛りで縛り上げた。

 お仕置きである!


 「黙れ」

 「……っ! お師匠様?」


 マッチを擦って、蝋燭に火をつける。

 ソレを……


 「お、お師匠様……っ! まさかぁっ!? (興奮)」

 

 悟り始めたハクアに蝋燭を垂らしていく。


 ぺちょり。


 「ひゃんっ♪ しみますぅ~~っ」


 ピチょん。


 「アッ! 熱いっ! 熱いですぅ! (恍惚)」

 「五月蝿い!!」

 「ひぁふん♪」


 紐を引っ張って締め付ける。


 「痛いっ! 痛いですぅ! (恍惚)」


 くの字に曲がるハクアの背中を、


 パンッ!! 


 と叩いて正す。


 「アハァンっ♪ (恍惚)」


 次は水攻め……


 「ブクブク……く、苦しいですぅ(恍惚)」


 鞭打ち。


 「アッハンッ! だめぇ~(恍惚)」


 虫攻め。

 拷問用の百足虫を忍ばせ……


 「ちょっ! お師匠様っ! それはっ! お、お許しをっ! イヤッ! 虫さん。ソコはダメぇ! お師匠様専用ですぅ~~!!」

 「あっ。それは俺の触手」

 「鬼畜っ♪(恍惚)」


 足腰がぴくぴくしているハクアに、


 「それじゃ、ハクア……」

 「ふふっ♪ お師匠様っ」


 のしかかって、抱きしめた。

 ……柔らかい。


 「ハクア」

 「……はい♪」


 短く呼んだだけで、ハクアは唇を開けて舌を出す。

 後は何度も口づけを交わした。


 暫くして……


 「あっ! テンプ。ハクア。私も……」

 「クロナちゃんっ。ふふっ。まだ、始まったばかりですよー♪」


 クロナが乱入。

 そして、


 「ティポ様。ヘナヘナですかぁ~? 待ちくたびれちゃいましたかぁ~?」


 いつの間にか、アリスも乱入していて……


 「娘達……我は触手を出して良いのか?」

 

 と、邪神ちゃんも到着。


 「構いませんよぉ~? アリスちゃんは?」

 「にょろにょろ好きですぅ~。クロナ様?」

 「ふんっ。 勝手にしなさい」


 とまあ、ヒートアップして、いつの間にか、ハクアとクロナ以外は眠っていた。

 底無しの体力の二人と、代わる代わるムフフフしていると……


 「お師匠様の夢は叶いましたか?」


 俺の夢……か。


 「んふふっ。なにか足りないのかしら?」

 

 そんなの決まってる。


 「もっと! もっと! ハクアとクロナと!! 皆と、愉しく生きたい!!」


 そんな俺の言葉に、くすりとクロナが笑い、穏やかにハクも微笑んで……


 「「なら、叶えましょう」」


 そう言って胸に寄り掛かってきた。


 【完】


 やり切ったーーッッ!!

 書きたい事は書いたぜ!! 皆っ!


 伏線もほぼ回収してやったり!!

 ……アリスだけは、無理だったけど。

 元々回収する気なかったから良いよね!


 アリスの伏線を回収するなら、もう一ストーリー作れるけれど……

 ……アリスはあくまでサブヒロイン。


 ハクアとクロナほど、掘り下げられないのである!!

 (と言いつつ、また、いつか書くかも……)


 逆に、女王、イリスは勝手にヒロインに上がっていた。

 最初は、ただのモブだったのに。

 いつの間にか恒例のネトラレヒロインになっていた……


 しかし、腹黒いイリスが簡単にネトラレるのかは想像にお任せします。

 人妻ヒロインって……!



 さて、ハーレムエンドになりましたが、特に理由がなければハーレムエンドが大好きです。

 誰も哀しまない終わり。

 小説の世界ぐらい良いじゃないか!


 大円団で締めくくりましょう。


 最後まで読んで頂き感謝します。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ