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あの時こうしとけばというターニングポイントに戻れたら君ならどうする?ただし、性別変わるけど。

役者 「八重洲ともか」の成功と失敗

作者: KUZ
掲載日:2017/12/07

ほぼ実体験です。

よろしくお願いいたします。


 俺の名は八重洲ともか。

 声優を志して上京し、成長し、挫折した、数多いる者の内の一人。

 そんな敗北者の戯れ言をだらだら連ねるので、気乗りしない方はどうか退席を。

 ただ、これから役者を目指す若者。

 君の参考には、少しはなるとは思うので、オッサンの愚痴を聞いてくれ。


 俺は某怪盗の3代目になりたかった。

 本当の泥棒は無理だとは中2になる前でも分かっていた。

 ただ中学にもなれば、世の中には声優という職業がある、という事実を知る事も出来た。

 高校の演劇部は腹式呼吸に拘り、舞台演劇のうわべだけ真似した、役立たずな機関だ。

 どこもそうとは限らんが、本気で勉強したいなら、小さな舞台をいくつか観て、

一番自然に感情が伝わってくる劇団に1、2年入ってみるのも手だ。

 高校出て声優学校に行けばいいと軽く考えてる者は、そういう下地を作ってから、声優学校に入りたまへ。


 さて、俺はだが、高校卒業後は2年程、福岡の演劇事務所(ほぼ演劇学校)に入った。

 まあ、演劇部はまるっきり無駄ではなかったようで、ちょこちょこ映画やドラマの仕事を貰えた。

 そういう経験を積んだ上で、某大手声優学院の夢をなんたらオーディションというのを受ける。

 このオーディションは主要都市で日時をずらして行っている。

 だから俺は、まず東京を受け、その後地元の福岡を受けた。

 東京の経験によって、1次は無難に通過。

 2次3次はステージで、観客の前で行われる。

 これも、舞台や、撮影の経験が生きた。

 あと肝心なのは、舞台裏。

 見えない所で気を抜かない。

 特に挨拶。

 業界は、矢鱈と挨拶に厳しい。

 俺は常に立ち、通る関係者や劇場スタッフに毎回頭を下げて挨拶した。

 俺は優秀賞で、学費免除とデビューのバックアップを約束された。

 後に、学院の先生に、楽屋の態度が良かったのが決め手と教えられた。

 上から見れば、みんな大差無い新人。

 人柄で選ばれる事だって大いにあるのだ。


 あの学院の言う、デビュー率は事務所の養成所に入所する事も含まれる。

 だから、学校気分でやって来て、卒業したらハイ声優、何て事は絶対に無い。

 俺も結局、大御所声優が主催する劇団の養成所に入所した。

 そこで、兎に角、舞台に出た。

 出るには毎回オーディションを受ける。

 受かる為に稽古する。

 受かれば成功させる為に、その何倍も稽古する。

 それを繰り返して、やっと仕事を貰える。

 俺には際立った才能は無かった。

 ただしがみついただけだった。

 続ける事は、チャンスも続くって事なんだ。

 挫折は諦めたときにする。だったら諦めなければ挫折しない。

 その言葉を胸に頑張っていたのだが。


 劇団に入って5年が経っていた。

 友達には有名な作品の役付きの仕事とかもあったが、俺はそういう華やかな人生とは無縁らしい。

 それでも壁に貼られた、劇団員の仕事一覧には毎月片隅に俺の定位置があった。

 しかしその定位置の仕事量が、俺の役者人生に終わりをもたらそうとするのは皮肉な話だ。


 仕事で結果を残せば次に繋がる。

 ある大きな舞台で俺は、この上無く、いい仕事をした。

 その事で、仕事の舞台と劇団の舞台で1年以上、舞台に立ち続けなければならなくなった。

 俺は上京して直ぐ、コンビニの配達のバイトを始めた。

 弁当をトラックで各店舗に配るのだ。

 これが実にいい。

 基本一人なので、運転中、大声で稽古し放題なのだ。

 難点は、ルート配送なので、時間が合わなければ走れないのだ。

 舞台は本番前2週間は完全に拘束される。

 従って俺は、1年以上バイトが出来ない状況になった。

 それまでに、なんだかんだで20万程消費者金融に借金があった。(結構役者仲間に利用者多い)

 それが一気に200万近くに膨れ上がった。


 夢を追う若者よ、役者を殺すにゃ刃物は要らぬ云々というのがあるが、現代は金と女だ。

 ここに、男ってのは無いな。

 女は男よりシビアにできてる。

 俺のように、仕事が増えて、これからって時に諦める事のないよう。


 頑張ってくれたまへ。

ともかが小6に戻り、しかも女子になっちゃう連載小説の方も、どうかよろしくお願いいたします。

どうも、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 実体験がネタというだけあって、話がリアル! 文章自体も読みやすく、引き込まれるものでした。 [一言] 色々大変なことはあったのでしょうが、こうして小説に書けるネタになったことは、大きな財産…
[一言] 読ませて頂きました。 夢を追っていたが故の皮肉な結果……これは辛いですよね。 でも世の中は、得てしてこういう事が多々あるんだろうなあ〜と思います。 けれど、仮令どんな結果に終わっても(その…
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