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Second Earth Online  作者: ジャック
第1章
8/37

冒険2日目1

翌朝、リビングに行くと加奈と兄さんがいた。


加奈は朝食を食べていて、兄さんはソファーにうつぶせになっている。


「おはよー。」

「おはよ。兄さんどうしたの?」


「分かんない。私が来た時からこんな感じだったよ。」

加奈と話していると、もぞもぞと兄さんが動き出しソファーに座りなおした。


「おはよう。昨日ちょっと飲みすぎてな・・・」

兄さんの顔が白くなっている。声も少しガラガラだ。


「そういえば、仁もSEO買ったんだな。」

急に兄さんから話題を振られた。

「え?兄さんもやってるの?」

兄さんは普段家にいない。ゲームをやっている素振そぶりは全然見られない。


「ああ、ここには置いてないけどな。俺もやってるぞ。今度一緒に、パーティー組もうぜ。」

「いいね。兄さんとゲームするなんて、久しぶりだ。」

ゲームどころか、小学校以来一緒に遊んだことはほとんど無い。

本当に久しぶりだ。


「いーなー。私も早く欲しい。」

加奈が口を尖らせながら文句を言ってきた。

「加奈は買ってもらうんだから我慢しろよ。まったく。祖父じいちゃんは、加奈には甘いんだから。」

俺は祖父に何かを買ってもらった記憶はない。


「へへーん。私は大会で優勝したからね!」

「地区大会だけどな。まぁ、それでもすごいが。」

「仁とは違うのだよ仁とは。」

加奈は勝ち誇った顔でこっちを見てくる。

(ぐぬぬ・・・言い返せない。)

俺は地区大会どころか、運動会や体育祭でも一等はない。


「お前らあまり大声出すなよ。頭に響くから。俺はちょっと部屋で寝てくるや。」

そう言うと、兄さんは頭を押さえながらよろよろと自室へと向かって行った。


「私も部活あるから行ってくるねー。」

加奈はお茶を飲み終えると、そそくさと準備をしてリビングを出ていった。


さて、今日はご飯食べてもバイトまで時間があるし、SEOできるかな。


・・・・・

今日も相変わらず噴水の周りには人が多い。

ただ昨日と違って、周りではトランペットやヴァイオリンの演奏をしている人や、ケバブのようなものを食べている人たちがいる。

とても楽しそうだ。


(確かいやし草は北の森だったよな。)

北の森に行くため噴水から北の草原まで歩いて行ったが、

今回は昨日のようなラグは起きなかった。


途中何匹かスライムと兎を倒しながら森へと向かう。


・・・・・


ピィーィィィ・・・

森の中に入るとBGMが変わり、虫や鳥の鳴き声などが聞こえてきた。


あんまり虫には会いたくないなぁ。

そんなことを思いつつ森の中を歩いて見渡すと、いやし草が見つかった。

すぐに草刈り鎌を取り出し、いやし草を刈る。品質ランクはDランクだ。


すぐ向こうを見ると別の草が生えている。鑑定すると【なおりそう】だった。

なおり草は解毒薬の材料の一つである。


楽勝じゃん。この分ならすぐに10本はみつかりそう。

そう考えて歩いていると、前に緑色の芋虫を見つけた。

子犬ほどの大きさがあるが、デフォルメされているのであまり気持ち悪さはない。


それでも触れたくない。ファイアーボールを唱えると一発だった。

芋虫がポリゴンに変わった後、木に巻かれた糸が残っている。

おお、初のドロップアイテムだ!


・・・・・

10分位散策していると、いやし草は9本見つかった。

あと1本、だけど錬金術の訓練もするならもう少しあってもいいかな。


そんなことを考えながらボーっと歩いていた。

ん? 木にキノコが生えいている?

あれ、何のキノコだろう?


鑑定すると、【魔力茸まりょくだけ】と表示された。

初級マジックポーションの材料だ。

「やった!」

すぐ採取しようとすると、ドンっとわき腹に衝撃が走った。


「え!何だ!」

慌てて衝撃の来た方を見た。

先ほどの芋虫と同じくらいの大きさのカブトムシがいる。

モンスター名は【ビートル】だ。

飛んできたのがぶつかったようだ。


デフォルメされた表情がついていて、シャキーンとしている。

「こいつ、いい表情だな。」

あまり虫と触れて戦うのは好きではないが、つい表情につられて戦いたくなってしまう。


『ファイアーボール』

魔法を唱えるが、ビートルは飛んで旋回し、魔法を避ける。


当たらない!?

今度はビートルが突進してきたが、一直線だったため避けることができた。

その背中にファイアーボールを撃つと、一撃でポリゴンとなって消えた。

また一撃、虫は火が弱点なのかな?


ガサ!

今度は茂みからがさッと音がしたので振り返ると茶色いオオカミがいた。

モンスター名は【ウルフ】となっている。

「連戦か!」


先手必勝!

『ファイアーボール』


ファイアーボールがヒットし、ウルフが悲鳴を上げた後こちらに走ってくる。

速い!


慌てて杖を振るうが避けられて、腕を噛まれる。

痛っ・・くはないけど、しびれる!


腕を振り払った後少し距離を開けてまたファイアーボールを撃つ。

至近距離で当たったが、まだ倒れない。

今度は突進され、転びそうになるが何とか耐えきる。

3発目のファイアーボールが当たるとようやくウルフはポリゴンとなって消えた。


「はぁっはぁ。瀕死じゃないか。」

初めての接戦に息が上がっている。HPバーはレッドゾーンだ。


♪~

いやし草を食べようか迷ったところ、レベルが上がった。


LV2→3


HP 23→26

MP 48→51

STR:3→4

VIT:6→7

AGI:4→5

INT:13→14(+5)

DEX:7→8

LUC:6→7

(残り3P)

戦闘職:魔術師LV2→3

スキル:火魔法LV1→2

習得魔法:ファイアーボール


前回と同じくVITに1、INTに2割り振る。

攻撃力は欲しいし、体力も必要だ。


レベルアップでHPとMPが全回復したので、まだ探索を続けられそうだ。


・・・・・

探索を続けていると、いやし草は更に15本見つかった。


「もうこれで十分だろ。」

最後のいやし草をとり、帰ろうとすると茂みからウルフが現れた。


1匹なら経験値が高いので魔法を唱える準備をする。


すると、ウルフは遠吠えを始めた。

すぐに4匹のウルフが現れこっちへ向かってくる!


・・・やば!

あわてて逃げようとするが、ウルフの方が足が速い。


最初からいたウルフに噛まれ、その後残りの4匹が追いてきた。

俺のHPはすぐに0になった。


すると、自分のアバターが膝から崩れ落ちていくのが見える。

今どうなっているの確認しようとすると、手が透明になっているのが見えた。


1分程すると、自分のアバターがポリゴンとなり、目の前が真っ暗になった。


次話もストーリーを進めていきます。


レベル2→ レベル2→3 に訂正しました。

2017/10/28 改行等修正しました。

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