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Second Earth Online  作者: ジャック
第1章
4/37

チュートリアル3

魔術師ギルドのチュートリアルが終わった。

次に俺は、生産者ギルドの建物に入った。

(へぇー、中は冒険者ギルドとほとんど一緒だな。)


「すいません、錬金術師の説明を受けたいのですが。」

俺は受付の人に尋ねた。

「新しい錬金術師の方ですね。錬金術師のギルド長は、この生産者ギルドの裏の建物に居ます。」

(裏?錬金術師だけ別なの?)


・・・・・・・

俺は不審に思いながら建物の裏へと歩いた。

黒い石で建てられた小屋がある。

隣には水をむためか、レンガで囲まれた井戸があった。


コンコンコン

その小屋の扉をたたく。

「はーい。」

スレンダーで長い黒髪の美人な白衣の女性が出てきた。

(ウィズ師匠そっくりだな。線も細いしって・・・んっ?)


何故か一部分だけ不自然に大きい気がした。

(待て待て・・・大手のメーカーが、そんなニッチなキャラ作るわけないだろ!?これは仕様だな。間違いない。)

少し混乱しつつ何も気づかないふりをして俺はこの女性に話しかけた。

「れ、錬金術師のせちゅ・・んんッ!説明を受けにきたのですが。」

(めっちゃ噛んだし。って、このゲーム噛むとかあるの!?)

俺は魔術師の致命的な弱点を見つけてしまった気がした。


「分かりました。冒険者カードをお預かりします。」

俺は彼女に冒険者カードを渡した。

「ジンクさんですね。私は錬金術師ギルドのギルド長のアルクです。ようこそ錬金術の世界へ。私達は貴方を歓迎します。」

「よろしくお願いします。」

ウィズ師匠のお姉さんだ。失礼があってはいけない。

俺はできるだけ誠意をめて、アルクさんに礼をした。


「ふふふ、魔術師の格好をしているし、ウィズのあれを見せられたのね。大変だったでしょう?」

「いえ、そんなことないです。とても参考になりました。」

決してSAN値が下がりそうだった(正気を失いかけた)と答えてはいけない。


「そう、それならよかったけど・・・ではこの装備に着替えて頂けますか?」

『アルクより初級錬金術師の帽子、初級錬金術師の白衣、初級錬金術師の手袋が渡されました。』

「これを装備をすると、DEX(器用さ)が上がるから錬金術が成功しやすくなるわ。あと、これも渡しておくわね。」


『アルクより錬金レシピ図鑑を渡された。』

「レシピブックを手に入れたり、誰かから教わった錬金アイテムは、全部この図鑑に載るわ。参考にして頂戴ね。」

「ありがとうございます。」

俺は今装備している魔術師の装備から錬金術師の装備に切り替えた。


装備品

右手:木の杖→初級錬金術師の手袋

左手:なし→初級錬金術師の手袋

頭:初級魔術師の帽子→初級錬金術師の帽子

体:初級魔術師のローブ→初級錬金術師の白衣

足:初級魔術師のブーツ

STR:3

VIT:6

AGI:4

INT:13(+1)

DEX:7(+3)

LUC:6


・・・

「この草を見てもらえる?」

ただの緑色の草にしか見えない。


「唯の草にしか見えませんが?」

「そう、『鑑定』はまだ持っていないのね。それではその草を食べてみなさい。」


『アルクより草が渡されました。』

生の草を食べるのは現実世界では無理だが、ゲームの中なら大丈夫だろう。

俺はそう思いこの草を食べた。HP回復のエフェクトが出たが、今HPは満タンだ。

(んー、なんかヨモギっぽい味がする。少し苦いけど食べられなくはないかな。)


「では、もう1回同じ草を見てくれる?」

アルクさんが同じ草を取り出したが、今回は『いやしそう』と表示が出た。

もう少し注目すると『少し体力を回復する。』とウィンドウが出てきた。


「いやし草って名前が出てきました。」

「うん、これはいやし草よ。錬金術の素材は食べると名前と効果が分かるようになっているわ。ただ、食べると危険な草もあるから、初めての素材には『鑑定』を使うといいわ。」


『アルクより鑑定の書が渡されました。使用しますか?』

『はい』を選ぶ。

スキル:鑑定を手に入れた。


「鑑定は、新しく手に入れたアイテムを調べていくとレベルが上がるわ。積極的に使った方がいいわよ。」

「レベルが上がると良いことがあるんですか?」

「そうね。レベルが上がると、その素材の隠された効果が分かったり、適切な配合量や錬金方法のヒントが分かるわ。」


・・・・・

「それじゃあお待ちかね。錬金術を始めましょうか。」

俺は大きな釜の前に案内される。

「ポーションの素材を受け取ってください。」

『アルクから水といやし草が渡されました。』


(水はツボに入った状態で出てくるんだな。)

「水といやし草をこの錬金釜に入れてください。」

俺は言われた通りに釜に入れる。

「これを棒でぐるぐるかき回すと・・・」

・・・俺は無心でかき回す。

「ポーションができましたー。」


『初級ポーション(ランクF)を作成しました。レシピ:初級ポーションを覚えました。』

ぐッ!俺は小さくガッツポーズをする。


錬金をしている最中に、アルクさんの性格が少し変わった気がした。

だが、それを気にしている余裕は今の俺にはない。

念願の錬金術ができた喜びで顔がにやけている。取り繕うので精一杯だ。


「それではそのポーションを飲んでみましょう。」

初級ポーション(粗悪品)は、試験管に入っている緑色の液体だ。

鑑定すると、HPが10回復するようだ。


コルクを外し、言われるままに飲む。

「ん・・・苦い」

飲めなくはないが、生のいやし草の味がする。何度も飲むのは大変だ。


「それでは私が少し改良したポーションを作りましょう。」

そういうとアルクさんは『水』『いやし草』『蜂蜜』を取り出した。

錬金釜に入れて、かき混ぜる。


「♪~できましたー。はい、飲んでみてください。」

『アルクから初級ポーション改(ランクA)を渡された。初級ポーション改のレシピを覚えた。』

同じような緑色の液体だが、HP50、MP10回復するらしい。


飲んでみる。

「甘い・・・美味しいかな。」

抹茶ラテのような味がする。これなら何回でも飲めそうだ。


「本当は水をお湯にしたり、いやし草をすりつぶしたりした方が品質が上がるのだけど・・・錬金術用のアイテムをそろえたら、色々試してみるといいわ。」

「これで説明は最後ね。草を手に入れるときは手で採るよりも鎌で採った方が品質が上がるわ。売店で売っているから、帰りに買った方がいいわよ。」


・・・・・

疑問に思っていたことがあったので尋ねた。

「そういえば、何で錬金術師だけ別の建物なんですか?」

「それはねぇ・・・錬金術で失敗すると爆発することがあるからよ。」

アルクさんは意地悪そうな顔をしながら脅すように伝えてきた。


ひぇっ・・・

俺のほおの横に冷や汗が流れる。

痛みがなくても、実際に目の前で爆発が起きるのは、とてもショッキングな出来事だろう。


「だから、自分の家か店を手に入れるまで、錬金術は勝手な所ではできないのよ。月1000Gかかるけど、錬金術をしたかったらこの部屋を使うといいわ。」

(今の有り金全部じゃないか・・・まぁ必要な経費だし、こんな美人な人と作業ができるならいいか。)


「ありがとうございましたー。」

俺は礼をして錬金術師の部屋を出た。


よし、これでチュートリアルは終わった。

外の世界へ冒険にいこう!


・・・っとその前に売店で鎌買わないと。

これでチュートリアルは一旦終了です。

説明回が長くなってしまいすみません。


2017/10/27 改行等修正しました。

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