チュートリアル
♪~
軽快な音楽が鳴り、前方に洋風な街並みが現れ『SecondEarthOnline』のロゴが出てきた。
『サーバーを選んでください。』
10個ほど選択肢が出てくる。
「えーっと、トーキョー、オーサカ・・・って何で日本の地名なんだ!?」
見てみると、全部都道府県の名前だった。
「トーキョーはもう満員じゃないか・・・結構人数がいい感じだし、ここにしよっかな。」
俺はGunmaのサーバーを選んだ。
ネットでよく話題になる場所だが、語感が自分の琴線に触れるものがある。
『チュートリアルを受けますか?』
「はい。」
選ぶと、また風景が変わった。
俺は、石の壁に囲まれた土の上に立っていた。
目の前にこげ茶色の髪と髭をした、渋いおっさんが立っている。
「俺がチュートリアル担当のゲンだ。フロンティアの冒険者ギルドのマスターもしている。よろしくな。」
「よろしく。」
「まず、此処、第一の町フロンティアの説明をする。此処は、中央の噴水を中心に北に【冒険者・生産者ギルド】、東に【農園・牧場】、南に【神殿】、西に【商店街・宿屋】がある。もし道に迷ったら右上にあるマップで確認してくれ。」
「はい。」
「プレイヤーには、各職業のマスターから、ギルドで戦闘や生産方法の説明を説明する。早めに来てくれ。他に、ギルドではクエストの発行やドロップ品の買い取りもしているぞ。ただし、治癒術師の説明は司祭が行う。治癒術師に転職したくなったら、神殿へ行ってくれ。神殿では、ケガや病気の治療もしてくれるぞ。」
「次にステータスだな。左上のメニューボタンから、ステータス画面を開いてくれ。」
俺は言われた通りステータス画面を開いた。
そこには
JINK
LV1
HP 17
MP 30
STR:2
VIT:4
AGI:3
INT:10
DEX:6
LUC:5
善行値:0
戦闘職:魔術師LV1
生産職:錬金術師LV1
スキル:
称号:
所持金:0G
装備品
右手:
左手:
頭:
体:冒険者の服
足:冒険者の靴
アクセサリー:
となっていた。
「スキルは誰かに教わったり、本を読むことで獲得できる。色々試してみてくれ。ギルドでもいくつか本の販売はしているぞ。」
「称号は何かをなした時に突然得られる。気に入った称号を名乗ってくれ。大体は、プラスの恩恵が得られるぞ。」
俺は気になることがあるので聞いてみた。
「この善行値って何ですか?」
「善行値っていうのは良いことをすると増える。悪いことをすると減る。最初のプレイヤーは全員、頭の上に緑色のマーカーがあるぞ。善行値の高いプレイヤーは青いマーカーになる。逆に善行値が低いプレイヤーは黄色くなっていき、最終的に赤くなる。」
「メリットやデメリットってあるんですか?」
「青いプレイヤーはそれ専用の職業になれることがある。黄色いプレイヤーはNPCから物を買うときに値段が上がったり、売ってくれないことがある。赤いプレイヤーは討伐対象になり、NPCからは商品が買えなくなる。ただ、赤いプレイヤーのみの裏ギルドもあるらしいが、関わらないほうがいいぞ。」
(裏ギルドか・・・それもおもしろそうだな。ただ、悪人のプレイは俺はできそうにないから関係ないかな。)
「善行値って、どうやって増やしたり減らしたりすることができるんですか?」
「盗みやPKが発見されると減る。住民からのクエストをこなすか、赤いマーカーのプレイヤーを討伐すると増えるぞ。もし赤いマーカーになってしまったら、有料だが免罪符を購入することで黄色いマーカーまで回復する。ただ、そこまでならないのが一番だな。あと盗み・PKは18歳未満のプレイヤーは対象にできないが、18歳未満のプレイヤーもPK・盗みを他人に行うことはできないぞ。」
「最後にこの世界の時間は現実の時間の2倍の速度で進んでいる。現実世界で2時間、この世界で4時間たったら自動でゲームを中断することになる。現実の世界で1時間は再開できなくなるから、気を付けてくれ。戦闘中の場合は、戦闘終了後にログアウトになるから安心してくれ。」
・・・・・
「これでチュートリアルは以上だ。健闘を祈る。」
「ありがとうございました。」
「これは餞別だ。持って行け。」
『ゲンから1000Gを受け取りました。』
受け取りの表示が出た後、目の前が噴水の場所に転移した。
もう1,2話説明で使うかもしれません(汗)
冗長になっていたらすみません。
後、サーバーが都道府県名なのは作者がトーキョーVSオーサカをやってみたかっただけです。
2017/10/27 改行等修正しました。
2017/10/30 カルマ値→善行値に変更しました。ご指摘、ありがとうございます!