ドナドナ
彼と会ったのは婚活パーティー、
彼の一目惚れだったわ。
『一緒になってくれ。
俺も頑張るから、君に子供を産んでほしいんだ。』
そしてあたしは彼のものになった。
あたしは彼の用意した部屋のお姫様となって
彼はあたしのためにあれこれしてくれる毎日だった。
だからあたしは彼の為に子供を産んだわ。
でもあたしたちはまだ子供を大人にするほどの余裕がなかった。
数ヶ月育てることしかできず養子に出してしまった。
でもあたしは子を産み続けた。
それが彼の望みだから。
そんなある日。
天気がいいから子供と散歩に出ようと思って彼を呼んだの。
でも呼んでも呼んでも彼は来なかった。
代わりに彼の手下がやってきて彼が用意した料理を置くだけ。
手下はあたしの言うことが判らずそれを繰り返すばかり。
夕方になってやっと彼がやってきたけど
日は沈んでしまったし既に夕飯の時間。
だからあたしは今日の散歩は諦めた。
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子供「とーちゃん、
留守の間牛を見てたけど啼いたら餌やって食べるけど
結局餌やっても母牛が啼き止まなかったよ。」
父「ああ、そりゃ放牧しなかったからさ。
天気がいいのに外に出さないからな。」
劇終
ちなみのその夜子牛が脱走して大立ち回りしました。