手料理
投稿遅れてすいません。orz
「知らない天井だ」
俺は気がついたら知らない家のベッドでイリスと寝ていた。しかも夜。
俺は何もしてないからね、ほんとだよ。気づいたらここにいたからね。カゲト、ウソ、ツカナイ。
「おい、起きろ」
イリスの寝顔をもう少し見ていたかったがこの状況がさっぱり分からなかったのでイリスを起こした……のはいいが。
起きて早々俺の胸に顔を埋めて泣き始めた。俺はそっとイリスの頭を撫でた。
イリスの髪サラサラでいい匂いがするし、肌も柔らかい、やばい興奮してき…ゴホン、いかんいかん。
「すいません、お見苦しいところをお見せして」
「俺にとっては幸せな時間だったんだけどな」
「何か言いましたか?」
「いや、なんでもない。それよりあれからどうなった」
「実は魔族の子はあの後逃げて行きました。そしてカゲトはその場に倒れたので私の家に運びました」
ここがイリスの家か……まてまて、今ここにいるのは俺とイリスだけじゃないか。いいのか、俺が野獣に変身して襲っちまうぞ……グヘヘ。
「それより、カゲトは何者なの?」
「俺はただの村人さ」
「嘘を言わないで、ただの村人にあんなことはできません」
「はぁー、じゃあこのことは他言無用で頼むぞ」
「はい!」
俺はイリスに勇者召喚されたこと、その中で俺だけが村人だったこと、そこから抜け出したこと、スキルのことを全部話した。
「でも、ギルドカードにスキルは書いてなかったのはどうしてなの?」
「それは分からん。どうやら俺にしか見えないようだ」
「そうですか。それよりこれからどうするの?」
「そうだな、とりあえず帰る方法を探しながら強くなるってところかな」
「それ、私もて、手伝ってもいい?」
イリスは頬を染めながら上目遣いで俺の顔を見てくる。
そんな目で俺を見ないでくれ超可愛くて断れないから。
「よろしく頼むイリス」
「はい!よろしくカゲト」
「それより俺はどのくらい寝てたんだ」
「1日ですね」
「なるほど、だからこんなに腹が減ってんだな」
「では食事にしようか」
「そそそ、それはイ、イリスの手料理なのか」
「はい!」
イリスは鼻歌を歌いながら台所にスキップで行った。
楽しみだなイリスの手料理。俺は白魔以外から避けられてたから、みんなに嫌われてたんだろうな多分、だから女子と手を繋いだことはおろか会話すらない俺が女子の手料理を食べられるなんて、幸せすぎるぜ!
「お待たせしました」
料理が俺の前に置かれる。見た目はカレーにそっくりだ。
「う、うまそう……ゴクン」
「では食べよう」
「いただきます」
「それは?」
「俺の故郷では食べる前にこうするのさ」
「そうですか、では私もいただきます」
俺たちは晩飯を食べた。もちろんとても美味しかったが味は普通のカレーだった。こっちの世界にもカレーがあることに驚いてしまった。
俺たちはこの後すぐに寝た。もちろん別々の部屋で……忍び込んでないよ。ちょっと忍び込んでやろうと思っただけだからセーフだ……いやこんなこと考えている時点でアウトだな。
こうして俺とイリスの同棲生活が始まった。