スキル発動
俺たちは3日かけて、町にたどり着いた。
夜とか何もなかったからね、ほんとだよ。
「それで、あなたはこれから何処に行くつもりなの?」
「そ、そうだな……」
「決まってないならギルドで冒険者登録してきたら」
おー!やっぱりあるのか、冒険者ギルド。男としてこれは行かねばならないな。
「そうだな」
「じゃあ、ついてきて」
俺たちはギルドに向かって歩き出す。
すごい周りから見られているような気がするな、まぁ気のせいだろう。
おー!ここがギルドか、予想どうりボロボロだぜ。
俺たちがギルドに入るといっせいに視線が集まり、みんな無言になった。そして……。
「イリスの嬢ちゃんが帰ったぞー!」
「やっと戻って来たか」
「待ってたぜ、イリス嬢」
どうやらイリスはここでは有名人のようだ。確かに美人で強かったら有名にもなるか。
「ところで横の奴は誰だ?もしかして彼氏か」
「ち・が・い・ま・す!」
そんなはっきり言わんでも……確かに彼氏じゃないけど、少しショックだ。
俺は奥にある受け付けの所に行き登録をした。
「では、ギルドについて説明します」
要約すると、ランクは下からF、E、D、C、B、A、Sがある。その中でもSランクは5人しかいないとのことだ。ランクは依頼を受けて行くと上がるらしい。俺は最初なのでFランクだ。
「ではこちらがギルドカードになります。ここに血を一滴垂らしてください」
俺は言われた通りにカードに血を一滴垂らすと、文字が浮かんで来た。
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名前 カゲト(男)17
種族 人族
職業 村人
属性 なし
《スキル》
なし
ランクF
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これで俺も冒険者の仲間入りだぜ!
「イリス今日までありがとな」
「こちらこそ、ではまた会えたら会いましょう」
「ああ」
俺はイリスと別れ、一人依頼を探していた。
「これにするか」
俺が手に取ったのは薬草採取の依頼、報酬は銅貨50枚なかなかいい依頼だ。俺は依頼の紙を受け付けの人に渡し町から出た。
俺は森でひたすら薬草を抜いていた。
「よし、こんなもんかな」
薬草採取が終わり帰ろうとしたその時、人影がもうスピードで俺の頭上を通過して、町の方へ行った。
「なんだあれ?ちょっと行ってみるか」
俺は人影が行った方向へ走って行った。森を抜けるとそこにはさっきの人影だと思われる人?がいた。
その人?は黒色の髪に角と翼が生えた少女。どうやら魔族のようだ。
少女は俺に気づいたのかこっちを向いて、魔法を撃ってきた。俺は突然のことでかわすことができなかった。
「痛っ!」
俺は魔法をくらい、動くことができなくなってしまった。
少女はそんなこと御構い無しに魔法を撃った。俺は死を覚悟し、目を閉じた……しかし一向に痛みはこない、恐る恐る目を開けるとそこにはイリスがいた。
「イリス!?」
「助けに来たよ、カゲト」
「ダメだ!逃げるんだ!」
俺はイリスを死なせたくない、俺はその一心で叫んだ。しかし、イリスは首を振って剣を構えた。
「私はSランク冒険者なの、相手の方が強いからと言って逃げるわけにはいかない」
イリスがそう言って、少女に向かって剣を振った。少女は後ろに回避して、距離をとり、火属性の魔法を撃つがイリスは軽々とかわす。そして少女との距離を一気に詰め、攻撃する。しかし少女に当たった瞬間剣が折れた。
「なっ!」
そのすきを逃さずイリスを殴り飛ばす。殴り飛ばされたイリスは意識を失った。
俺はこのままではイリスが殺されてしまうということに焦って、体を動かそうとしたが全く動こうとしない。
「くそ!くそ!動け俺の体!」
なんで俺はこんなに弱いんだ。俺が強ければ、あいつに勝てるだけの力があれば、イリスが傷つけられることはなかった。
そして俺は心の底から願った。
強くなりたい!と
《ユニークスキル、正体不明が発動しました》
頭の中でアナウンスがながれたことに俺は気がつかなかった。
スキルが発動したことにより、俺は立ち上がることができるようになった。
俺はすぐに立ち上がり魔族の少女を殴り飛ばした。
戦闘シーンが下手くそで、すいません。