新たな出会い
あれから1週間がたった。俺は毎日稽古をしたりして、強くなったと思っている。それで俺はそろそろ旅に出ようと思い、城を抜け出す準備をしていた。
「食料と剣があればどうにかなるかな」
俺は準備を整えて、城を抜け出す前に憲親に別れの挨拶をしに行った。
「実はな、俺は城を抜け出そうと思うんだ」
「そろそろだと思ったよ」
「気づいてたのか」
「お前の考えぐらい分かるさ」
「そうか……またな」
「ああ、またな」
「止めたりしないのか?」
「止めたところで、行くんだろ」
「まぁな」
「それと、これをお前に渡しとこう」
憲親はそういうと袋を渡してきた。
「おお!金か」
「それが無いと困るだろ」
「サンキュな」
こっちの世界は銅貨、大銅貨、銀貨、金貨、白金貨がある。銅貨は日本円で10円、大銅貨は100円、銀貨は1000円、金貨は10000円、白金貨は100000円という感じになっている。袋の中には金貨10枚入っていた。
「じゃ、そろそろ行くわ」
「元気でな」
「お前もな」
俺は憲親と別れ、城の扉からこっそり出た。
見つかってないことを祈ろう。
「とりあえず近くの町に行ってみよう」
俺は王国から出て、森の中を歩く。
「なるべく早く次の町に着きたいのだが……一番近い町が何処なのか調べるの忘れてしまった」
俺は近くにあった木の枝を立てて、倒れた方向に行くというアホ丸出しの行動をとっていると、茂みの方からゴブリンが4体現れた。
「お!俺のスキルのことを知るのに丁度いい実験体が現れたぜ」
俺はすぐさまゴブリンに腹パンをお見舞いするが……。
「俺の腹パン弱すぎだろ!全く効いていないし、俺の手の方が痛いんですけど!」
おかしいぞ、正体不明というぐらいだから、化け物みたいな力があるのが普通だろうが!って、それより逃げた方がいいな……これ。
「待て待て、話せばわかる」
ってバカか俺は、ゴブリンに会話ができるわけがないだろうが。
俺はゴブリンたちから逃げ回っていると、俺の目の前に12、3歳ぐらいの銀髪美少女が現れ、4体のゴブリンの首を華麗な剣さばきで切り落としていく。
俺はその子の容姿と剣さばきに見惚れてしまった。
「大丈夫ですか?」
「ひゃい!大丈夫でしゅ」
いきなり話しかけられて噛んでしまった。おかげで彼女にクスクスと笑われてしまった。
しょうがないだろ、俺のクラスにこんな可愛い子はいなかったんだから。
「助けていただきありがとうございます。それで、あなたは?」
「私はイリスと言います。冒険者をやっています。それであなたは?」
「俺は景斗、よろしく」
「それでカゲトさんは……」
「景斗でいいよ。堅苦しいのは嫌いでね」
「じゃあ、私のこともイリスと呼んでください。それでカゲトはどうしてこんな所に?」
「俺はあの王国から出て近くの町に行こうと思っていたんだか、道に迷ってしまってね」
「そうでしたか。なら、近くの町までご一緒しましょう」
「で、でも」
「困っている人を放って置くことはできませんので」
こんな夜中に美少女と行動してもいいのか?俺は一応男なのに……いや大丈夫だ、俺は年下には興味はないからな。
「じゃあお言葉に甘えて、よろしくイリス!」
「こちらこそ、よろしくカゲト!」
これが俺とイリスの最初の出会いだった。