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オオカミの出る家に  作者: よろしい、ならば人狼だwiki
第一章
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幻想

萎田芽論の死から一年が経過した。

親族の遺産争いは終わらないまま、話が一直線に進んでいた。

情報系の大学への進学を希望していた都呂々は、有名私大へ公募推薦で合格した。

雲弧都呂々「母さん、俺、大学受かったんだよ!」

雲弧颯「おめでとう!あなたは絶対に合格すると思ってたわ!

そうとなれば・・・。」

雲弧颯は深刻そうな顔をした。

雲弧都呂々「如津武利のことか?」

雲弧颯「そうよ・・・。最近、部屋に出る様子もなくて・・・それに・・・。」

雲弧都呂々「ん?なんだ?」

雲弧颯「あなたにはこんな話はしたくないのだけれど・・・あの子シンナー吸っているの。」

雲弧都呂々「ど、どういうことだ!?」

雲弧都呂々は驚いていた。

1年前までは普通に接していた雲弧如津武利がシンナーに手を染めていたのだ。

雲弧都呂々「おい!んじゃあ・・・それが公にバレたら・・・。」

雲弧颯「あなたの入学も取り消しね。」

雲弧都呂々「馬鹿言うなよ!俺は必死に勉強してきたんだぞ!」

雲弧颯「仕方ないでしょう!?あの子が馬鹿なのよぉおおおおおおおお!!!!

あなたには分からないわっ!」

雲弧颯はそさくさと家に帰って行った。


萎田圭がいつものように萎田詩彩の後をつけていると、一人の少女に出会う。

???「あぁ~ら、まだ詩彩のことが忘れられないのぉ~?」

それは萎田圭が聞いたことある声だった。

後ろを振り向くと、見覚えのある顔が見えた。

フウ「私の名前ぇ?フウ。ねぇねぇ、圭。」

萎田圭「なんだ、お前。」

フウ「そんなことしてもいいのぉ~?バレたら赤字ものよぉ~。うふふふふ。」

萎田圭「仕方ないだろ!俺は諦められねぇんだ!姉さんには関係ないだろ!」

フウ「姉さん?ふっふふふふ。」

萎田圭「な、なんだ!」

フウはおかしくなったように笑いだした。

フウ「あなたが私に協力してくれたら、秘密にしてあげる。詩彩にバレると家族から嫌われ者になるわ。それにあなただけにメリットをあげるんだから、問題ないでしょう?」

萎田圭「い・・・いいぞ。なんだ?」

フウ「話の分かる男はお姉さん好きよぉ~。そうねぇ・・・」

フウ「まず一つ目は

雲弧如津武利がシンナーに手を出していることを警察に報告。そして、ヤクザの団体が関わっていることを公表すること。

二つ目は

萎田せらが300万請求されている元を辿ること。

きっと藪医者か詐欺師だと思うわ。」

萎田圭「俺が二つもしろっていうのかよ!?」

フウ「証拠は揃ってある。素直に使うといいわ。」

フウは水晶玉を触る。

そこには如津武利がヤクザから原液シンナーを受け取っている姿。

藪医者がでたらめな請求書を書いている姿。

雲弧颯と雲弧都呂々に怒っている姿が映されていた。

フウ「うふふふ。」

フウは控えめに笑うと、姿を消してしまった。

萎田圭「姉さんはなぜ自分の子どもを売る行為を?・・・まあいい。

これは学生の頃の姉さんが教えてくれたんだ・・・。」

そう言って、萎田圭は詩彩の背中を追いかけようとはしなかった。


ある日、雲弧颯が仕事の帰りに家に帰ると、警察が集まっていた。

雲弧颯「うちの子が何かしたんですか?」

警察「ああ、お母様ですか。随分、物騒になりましたね。」

雲弧如津武利「離せぇ!離せぇ!僕の!僕のぉおおおおおおおおおおおお!!!

うわあああああああああああ!!!!!!!

離せえええええええええええええええええええええ!!!」

警察「あなたの息子さんがシンナーに手を出していたことが分かりました。」

雲弧颯「う、嘘でしょう!?どういうことなの!?」

雲弧颯は如津武利がシンナーをやっていることをバラさないためにいろんな工夫をしてきた。

なのに、バレていることに驚き、腰を落としてしまった。

雲弧都呂々「・・・。」

雲弧颯「うちの子はそんな子じゃなかったの・・・。うちの子は大人しくて、人見知りだったの・・・。」

雲弧颯はその場に立ち崩れ、泣きじゃくる。

警察は数人がかりで取り押さえ、雲弧如津武利は手錠をかけられ、警察に連れていかれた。

その場に取り残された雲弧颯と雲弧都呂々は茫然とするしかなかった。


雲弧鰤太郎は一年前より早く帰ってくるようになった。

鰤太郎の手には一つの封筒があった。

雲弧都呂々「父さん、これは?」

雲弧鰤太郎「ああ・・・開けろ。」

その封筒に入っていた手紙の内容は大学の入学の取り消しについて書かれていた。

都呂々は悔しくなって、紙をくしゃくしゃにする。

雲弧都呂々「これはありえない・・・なんかの幻だ!幻想だ!」

そういうと、都呂々は自分の部屋に戻った。

雲弧颯はずっとどこかを見て、立ちすくんでいた。


親族会議の日、雲弧颯の目には正気がなかった。

都呂々がショックを受けてしまい、家に引きこもってしまったこと。

如津武利が警察に捕まってしまったこと。

それが大きな心の傷となった。

一年前いなかった狐塚恋だったが、仕事が終わってから、家に帰ってくるようになった。

萎田圭「残念だったな。颯姉さん。」

狐塚恋「颯姉さんの教育が悪かったから、息子がシンナーに手を出したんだ。」

雲弧颯「そんなことないわ・・・。あの子は自慢の息子だったの。」

萎田ナツ「残念だけれど、あなたに協力するつもりはないわ。

子どもにちゃんと教育できない人は遺産を持つ権利なんてないと思うの。」

雲弧鰤太郎「颯をそんなにいじめるな!

あいつなりに子育てしてきたんだ、あんたらには分からんだろ!」

雲弧颯「恋・・・あんた一年ぐらい出張してたらしいわね?

実は浮気してたんじゃないのぉおおおおお!?

浮気者に言われたくないわぁ~!」

狐塚詩彩「浮気したなんて理由ないじゃない!

なんで、颯さんは浮気に近づけたいの!?

私の夫が嫌いだからでしょ!」

雲弧颯「夜に電話が通じなかったらしいじゃない?

絶対怪しいわ!

アンタ女みたいだから、きっと女装してたに決まってるわよ!

アハハハハハハハハハハハハハ!!!

もうどいつもこいつも糞ったれだわ!!!!!!

教育?そんなの関係ないわ!

それに私の息子がシンナーに手を出した、だから何?

教育うんぬん言う前にその偉そうな面出直して来なさいよ!!!!!」

狐塚恋「そういう嘘は辞めろよ!

颯姉さんはいつもそういう嘘を言う!

前もそうだった!そんなに嘘を言うのが好きなのか!?」

雲弧颯「嘘ぉ?

嘘なんてついてるわけないじゃない!

アンタの部屋に女物の服がいっぱいあったのを覚えていたわ。

ちゃんと男性器の絵も描いてあげたわ。

それなのに女装癖は治らないのかしら?」

狐塚恋「うるさいうるさいうるさい!

証拠もないのにベラベラ言うなよ!

いつも考察ばかりして、俺を貶める!

それは小さい頃の話だろ!」

雲弧颯「詩彩さん。恋の部屋に入れさせてもらったことがないのかしら?」

狐塚詩彩「いつも旦那と一緒に寝ているけど、女物の服なんてなかったわ!

やめて!颯さん!

もうこれ以上聞きたくない!」

雲弧鰤太郎「颯!言いすぎなんだよお前は!

少し落ち着け!」

狐塚詩彩「もう颯さんとは付き合ってられないわ!

舞知を利用したのよ!

それに私の夫も侮辱された・・・。

もう散々なのよ・・・。」

そう言うと詩彩は会議室を立ち去った。

他の弟達もぞろぞろと会議室から立ち去った。

会議室にいるのは動揺している鰤太郎と他の兄弟たちを睨む颯だった。


狐塚夫妻と三男夫妻は遺産について話していた。

萎田ナツ「颯さんから縁を切ったところで私たちに遺産は来るかしら?」

狐塚恋「分からない。それにあの時の颯姉さんは俺をいじめたことを違う人ってはぐらかすんじゃなくて、素直に認めていた。」

萎田圭「あの頃の颯姉さんは恋兄さんと使用人だけにいじめていた。

俺には優しかった。俺はあの時の颯姉さんが好きだ。」

狐塚恋「何を言っているんだぁ!?

お前はおかしい!!

んなわけないだろぉ!!!」

狐塚詩彩「恋に優しくしない時点で優しくないわよっ!!」

萎田圭「そうだな。詩彩、怒るとしわが増えるぞ。」

狐塚詩彩「圭さん?あなたと話すと虫唾が走るわ。」

萎田圭「ごめん。」

話はずっと続いたが解決しないまま会議は終わった。


萎田せらは戌亥理音と一緒に下校していた。

その頃、お互いは中学に通っていた。

戌亥理音「せらくん・・・。」

萎田せら「なんだよ。またアレでビンタしてほしいか?」

戌亥理音「違う。」

萎田せら「なんだよ。次は避妊具無しでヤるか?」

戌亥理音「お母さんには言わないで。」

萎田せら「んなもん、分かってる。」

戌亥理音「あっ!フウ様!」

フウは姿を現したかと思うと、どこかに消えてしまった。

萎田せらにはそれが見えなかった。

萎田せら「あ?またか?」

戌亥理音「私のお姉ちゃんのお師匠さんなの!私、そういうのよくわからないけど、お姉ちゃんのお師匠さんは萎田家の先祖だっていう噂もあるよ!狼人間?っていうのらしくて、いつも狼を部下に従えて、動いていたんだって!」

萎田せら「獣耳つければ狼に襲われないっていう言い伝えか。」

戌亥理音「うん!そうだよ!」

萎田せらは戌亥理音の胸倉を掴んだ。

萎田せら「そんなこと言ってっと、近くの森で犯すぞ。」

戌亥理音「お師匠さんが見てるよ?そんなことしたら、せらくんに天罰が・・・」

萎田せら「いいから、こっちこい!」

戌亥理音「いたっ!!!いててて!!やめてっ!やめてよぉっ!!!」

戌亥理音は髪の毛を引っ張られ、森の奥深くに消えて行った。

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