最初のゲームに
途方にくれた親族と来客者、使用人は、その日、冷蔵庫の食事のみで昼食をとる。
焼かれていない食パンに、溶けたバターを塗る。
その際、人は、泣きながら、あることを口にした。
萎田人「犯人って・・・意外な奴かもしれんな・・・。」
そのときに、近くにいた颯はすかさず
雲弧颯「おばさんもそうだと思う。こういう事件って、仕立てているようにしか感じないもの。」
空気がどよめいた。
更に颯は
雲弧颯「だって、この事件で一番得をするのは私たち一家でしょ?」
笑みを浮かべながら話す。
雲弧鰤太郎「昨日の夜、詩彩さんはどこへ?」
狐塚詩彩「えっ・・・使用人のお手伝いを・・・。」
雲弧颯「家事?使用人に任せればいいじゃない!雪野さん?萎田ウンナの長女として聴く。昨日、詩彩さんに何かお手伝いしてもらった・・・?」
戌亥雪野「は、はい・・・。詩彩さんと昨日は朝食の話をしながら・・・。」
雲弧颯「それから、詩彩さんは・・・?」
戌亥雪野「私の方が先に寝たので・・・」
狐塚詩彩「姉さん、何がききたいの?」
雲弧颯「そのスキに殺したんでしょおおおお」
狐塚詩彩「なぜ・・・なぜ!夫を亡くした私が、加害者として疑われるの・・・。」
狐塚舞知「母さんを責めるのはやめろ!」
それ以降、颯は黙った。
時間は経過し、鰤太郎は個室で颯を叱る。
雲弧鰤太郎「言い過ぎだ、颯。」
雲弧颯「だって、私、恋のことが嫌いだったもん!子どものときからいっつも怒られるのは私で…鰤太郎さんとの結婚を反対した母さんや芽諭兄さんも、狐塚に婿入りした恋には大甘で・・・それで・・・。」
雲弧鰤太郎「とにかく、人が死んでるんだ。あんな不謹慎な言い方はないだろ・・・?」
雲弧颯「だって・・・だって・・・!」
2人は、やや荒口調で喧嘩をしていた。
それから二時間ほど経過し、
個室すぐ隣のトイレが開かないことに都呂々が気づく。
使用人雪野は、すぐに、鉄の棒で部屋を叩き割る。
近くには、いとこ一同と詩彩、使用人のゆるこがいた。
恐る恐る覗くと、便器に顔を突っ込んだ、鰤太郎と颯が、窒息死していた。
狐塚舞知「許せねえ・・・絶対許せねえ・・・。
この中に犯人がいるとは信じたくない・・・。
順番に俺たちの大事な家族を殺して・・・許せねえ!!!!!」
狐塚舞知はその場で膝を下ろし、膝の上で拳を握り、泣いていた。
一同からは悲鳴があがった。
犯人は、不明。
暗闇の中に一人の女性がいた。
青髪で優しそうな目をした女性。それは颯に似ていた。
雲弧都呂々「お前は誰だ?」
優しく頭を撫でた。
フウ・ロザリーゼ「愛しの孫よ。会ったのは何年振りかしら。」
ぱりーん!
光景は打ち砕かれ、宇宙空間へと化した。
戌亥優音「都呂々お兄ちゃんに何するのっ!!!やめなさいっ!!」
フウ・ロザリーゼ「優音。口が悪くなったのねぇ~?」
戌亥優音「あなたの物ではないわっ!!
それに今ゲーム中なのっ!!
お兄ちゃんに気安く触らないで!!!」
フウ・ロザリーゼ「あぁ~ら?嫉妬ぉ?」
戌亥優音「何が言いたいのよ!!悪魔!」
フウ・ロザリーゼは手に持っていた水晶に手をかざす。
そこは病室だった。
赤子を抱きかかえている雲弧颯と雲弧鰤太郎、制服を着た幼い少年がいた。
雲弧颯「お母様、子どもが生まれたんですよ。」
???「あら、かわいいわねぇ~。」
雲弧颯「はい。お母様に救われてどんなに嬉しかったことか。」
???「もう私の命も長くわないわ。それよりウンナはまだ男遊びをしているのかしら?」
少年「俺のばあちゃんがそんなことするかよ!」
雲弧颯「やめなさい!都呂々!」
雲弧都呂々「俺のばあちゃんは若いけど、そんなことしねえよ!!」
雲弧颯「やめなさい!」
???「いいの。言わせるだけ言わせておきなさい。颯、あなたは死ぬ運命だから楽しい思い出を作ることよ。」
雲弧颯「分かりました。」
青髪の年を取った女性はフウ・ロザリーゼと思われる姿が見受けられた。
光景が切り替わると、戌亥優音はまじまじとフウ・ロザリーゼを睨む。
フウ・ロザリーゼ「すごいわねぇ~。育児なんて使用人に任せて、毎晩、違う男を抱いて生きてるのよぉ~。一家の恥とは思わないのかしら?」
雲弧都呂々「俺の横にいるのは、俺の祖母なのか・・・?」
戌亥優音「フウ様、ここに来たのは何十年振りでしょうか?」
フウ・ロザリーゼ「さあ~?年月なんて数えてないわぁ~。」
戌亥優音「ゲームを始めましょ?」
戌亥優音は数珠を振りかざした。
その振りかざそうとした手を止めたのは、雲弧都呂々だった。
雲弧都呂々「犯人は・・・狐塚詩彩だ。」
戌亥優音「なんで、そんなことが言えるのかしら?」
雲弧都呂々「狐塚詩彩にはアリバイはある。
昨日の夜、戌亥雪野と朝食の話をすると言っていた。
二人で口裏を合わせ、殺した可能性が大きい。
母さんの読みは当たっていた。」
フウ・ロザリーゼ「萎田せらはこの時、既に死んでいる。」
雲弧都呂々「せらが死んでいて、理音が生きているということは理音が犯人という可能性もある。
それに使用人はキムとガスタが死んでいて、ゆるこが死んでいないのはおかしい。
ゆるこも共犯だった可能性もある。」
戌亥優音「フウ様、私たちは仲間なのでは?」
フウ・ロザリーゼ「困っている孫を放っておく祖母はいるのかしらぁ~?」
戌亥優音「・・・犯人は誰なのかしら?」
雲弧都呂々「主犯は狐塚詩彩。共犯は戌亥理音、戌亥雪野、ゆるこ。」
パリーン!
戌亥優音「そんなっ・・・!」
戌亥優音の数珠が弾け、下へと落ちる。
雲弧都呂々「優音ちゃん、あの事件で俺を殺さなかったのは優音ちゃんの優しさだ。」
フウ・ロザリーゼ「それ故に、優音。あなたは都呂々に粘着しすぎた。
推理深いとは知らずに。」
戌亥優音「私は都呂々お兄ちゃんじゃないとダメなのっ!!」
戌亥優音「私のゲームに付き合って!そして、私のゲームにっ・・・。」
雲弧都呂々「俺は俺が誰であるのか祖母についていく。」
戌亥優音「待ってっ!!ゲームに参加しないのなら、あなたは死んでしまうっ!」
雲弧都呂々「殺したいのなら殺せばいいさ。」
そういうと、都呂々の姿はなくなった。
フウ・ロザリーゼは笑みを浮かべ、手を振ると、消えてしまった。
一人取り残された戌亥優音は数珠の破片と共に消えていった。




