第77話 靄って霧と何が違うんだい?
幾度となく通った洞窟内は今回も全く同じ表情をマディへ魅せる
石の位置も、水辺へ近づくにつれて姿を現わす虫達までも、今迄と何1つ変わらない…まるで、時が繰り返している様だ
(まぁ…繰り返しているのは私だけにゃんだろーけど)
不安はある、と言うか不安しかないと言った方が正しいだろう
もう何回も何回も繰り返して、一歩も前進していないのだ
(そろそろだにゃ)
ソイツは初めて見た時と同じように天井にぶら下がっていた
こちらに気がついていないのだろう、まったく微動だにしない
(問題にゃのは…)
マディは注意深く大蛇の周りを観察する
(確か…ここら辺に…あったにゃ!)
大蛇のぶら下がる天井から然程遠く無い距離に鋭利な岩が佇んでいた
(走ってる時に、こんにゃのに当たったら危ないにゃぁって思ったんだよにゃ、後は…)
アイツは自分を見たら襲いかかってくるはずだ
マディには初めてここを通った時に襲われた記憶がある、これは確定事項だ
(なら…)
すぅ、と大きく息を吸い込む
そして
「ふにゃあぁぁああああああああ!!!」
肺の中の空気を全て出し切る勢いで叫んだ、獣生でこれほどの大声を出したことは無いだろうというレベルで
「ぁぁぁぁぁぁぁ…ぜーはぁはぁ、ど、どうにゃ?」
案の定、大蛇はこちらに気がついたのだろうマディの方向へ身を乗り出し、飛びかかる体制に入ろうとしている
(あとはタイミングだけにゃ、うへぇ それにしてもグロいにゃ)
一匹と1人が睨み合い、ついにその時が来た
「…!」
大蛇がマディ目掛けて天井から飛ぶ瞬間
「今にゃ!」
マディは、岩の方へと半身をズラす
大蛇も位置を修正し、そのまま物凄い勢いで飛びかかった
「キーーーーシャアアアァァァ」
そして、顔面から岩へと突き刺さるーーー
「やったにゃっ!!」
暫く経つと、大蛇はピクリとも動かなくなり、その場に崩れ落ちた
(あとは…)
時間が無い、上手くいったものの 予想以上に時間を取られてしまった
マディはすぐさま大蛇の口を手頃な岩で砕き、広げていく
(早く、早くにゃ…靄が来る前に…!)
焦れば焦る程作業は困難を極めた
人が1人入ってしまう程の大蛇は体も硬く、そこらの石ころでは時間が掛かる
かと言って、大蛇を倒した岩へぶつけようにも その重量は到底マディでは持ち上げる事は出来ない
一体 どれくらい経っただろうか、やっとの事で大蛇の顎や牙を破壊し、その大きな口を広げる事に成功した
「まだ、靄は来ていにゃいにゃ、ここからが勝負にゃ!」
絶対に、生き残るーーー
マディの決意は揺るがない




