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第74話 夢見る獣

「いよいよ来たにゃ、来てしまったにゃ」


前回の反省を踏まえ、水辺から一定の距離をとって観察する

経験則で言えば、そろそろ奴が現れる頃だ


「ま、まだかにゃ、いや出来れば会いたくにゃいけど…」


そんなマディの思いと裏腹うらはらに、水面が迫り上がり奴が姿を現した、全身に黒いもやまとい相変わらずその瞳は焔に揺らめいている


ここまでは予想通り、あとは嵐が過ぎるのを待つだけである


「ヴォアアアアアアアアアアアア」


「来たにゃ!」


この光景は2回目だ、前回は霧に飲まれるという遅れをとったが


今回は心の準備も万全だにゃ


咆哮ほうこうと同時に辺りに霧が広がっていく

それを見るに、マディは全力で後退した



「にゃっ!?」


霧は一向に止まる気配が無い、最早もはや水辺が見えない辺りまで後退したにも関わらず、一陣の風が自身へ迫っているのが分かる


「ま、まさか、にゃっ!?」


霧の勢いに気を取られ石につまずき体制を崩してしまう


「しまっ…」


マディはそのまま意識を失った


「…だ、だめにゃああぁぁぁ」


が、ガバァっと、半ば恍惚の表情で目を覚ます


「お、恐るべしにゃ…」


だが、今回の事で分かった事がいくつかある

1つは、やはり自分は死んでこの場所に戻ってくるという事

2つめは、あの霧はかなりの広範囲まで取り込むという事


1つ目はメリットと考えるべきだろう、何せ何回でもやり直せるという事になる


「でもにゃぁ」


果たして何回やり直せるのだろうか? 回数制限が無いとも限らない

油断していると死んで終わりという事も十分に考えられる


あんまりあてにしない方がいいにゃ


問題は2つ目だ、こちらは全くこれっぽっちも突破出来る気がしない

しかし、何回も死ぬわけにはいかないとなると、余計に慎重にいかなくてはならない


んー、アレがにゃんにゃのかは、このさいいておいて霧の攻略法を考えるにゃ


そう、霧に飲まれればほぼ死ぬ事は経験から確定している


にゃけど、にゃんか違和感があるんだよにゃぁ


しかし、迂闊に水辺に近づく訳にもいかない、見える範囲から逃げ切れないのは確定している


もしかして、1日ここで待てば遭遇しにゃいのでは?


奴が現れるのは自分を見つけたからでは無さそうだった、少なくとも1回目と違い、2回目は十分な距離をとって岩場に潜んでいた

その状態でも奴は現れたのだ、という事は


試して見る価値はあるかにゃ…


完全に思いつきだったが、意外にも良い案かもしれないとマディはそのばで寝て時間を潰す事にした


ふっふっふ…名付けて【出会わにゃければにゃにも出来にゃい怖くにゃい】作戦にゃん!!


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