第72話 出脱不可能!?謎の洞窟!
「な、そこはだめにゃって…あぁ、いっちゃにゃふぅ〜、はっ!?」
気がつくと、マディは岩場に仰向けになって大の字になっていた
辺りは静かで、先ほどのよくわからない存在は既に去ってしまったのだろうか、相変わらず周りは深い闇が続いている
「にゃれれ…でも助かったのにゃ、さてお水を飲んだらこんな所さっさとオサラバするにゃん」
マディはピョンと、立ち上がると全身の砂埃を叩き落として、辺りを見回す
それはもう見事なまでに闇しかない、最早懐かしくさえ思ってしまう
長居しすぎたせいで可笑しくなってしまったのだろうか?自分の頬をパチンと叩き気合を入れる
「にゃれ?」
何か変だ
辺りには闇しかない
そう、’水辺が無い’のだ
「さっきのに、ここまで連れてこられた…訳にゃいよね?」
嫌な汗がマディの額から滴落ちる
違和感ーーー
同じ場所をぐるぐる回っている時から、薄々(うすうす)感じていたが敢えて見ない様にしていた事実が、ここに来ていよいよ現実味を帯びてきた
1回目は牙らしきものが見えて何かに飲まれる感触の中、意識を失った
2回目はあの何かわからない化け物の黒い霧に巻き込まれ、自身が溶けていく様な感覚の中で意識を失った
そして、目覚める時は毎回この場所にいる…そんな気がする
「もしかして、私…死じゃってにゃい?」
突拍子も無い考えだったが、声に出した事で、更にその確信は強まっていく




