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第71話 未確認生物との遭遇なんて望んでない!

「にゃにこれ…」


そこには見上げないと全体が見えない(ほど) 大きい生き物が佇んでいた

全身が黒く、モヤのようなものを発しており、瞳は炎のような真紅が揺らめいている


一瞬思考が飛んだが、すぐさま一歩、また一歩と水辺から後ずさりをする

絶対にアレはヤバイ


獣人であるマディは生き物とは心を通わせる事が出来る

これはマディが特別というわけでは無く、獣人なら誰しもが持っている力だ


「それにしてもこれは…」


だが、アレにはその力が全く働かないのだ

一瞬、力自体が失われてしまった事も考えたが、神様はマディを転移させると言っていた、それを信じるのであれば、自分自身は何も変わっていないはずなのだ


そこから導き出される結論は1つ


「アレって、もしかして生き物じゃにゃい…?」


マディがその思考に至ったと同時に、ゆっくりとソイツは此方こちらへ視線(視線)を向ける

正確には首を動かして顔を向けた、と言うべきか相変わらず視線は何処を見ているのか分からない、只々(ただただ)真紅の瞳が揺らいでいる


「ヴアァァアッァアァァァァア」


瞬間、ソイツは口らしき部分を大きく広げ咆哮した

この世のものとは思えない形状し難い叫び

その叫び声を合図にしたかの様に全身に纏っていた黒い靄が物凄い勢いで辺りを飲み込み始め、立ち尽くしていたマディへと迫る


「なぁぁあああ!?」


それを目視(もくし)し、全力でその場から離れようとするが、時既ときすでおそ

あわや、マディは霧へと飲まれてしまった


「なんにゃこれ…気持ち良くなってきたにゃぁ、あんっ」


薄れいく意識の中、マディはソイツが洞窟の天井、その光の中へと消えていくのを見た

霧が消えた頃、ソレをばら撒いたぬしの姿は既に無く、辺りは静寂に包まれ、そこにマディの姿は無かった


ただ、マディが着ていた物と同じ衣服だけが、着ていた状態のまま岩場に綺麗に並べられていた

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