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第62話 響凶夜に救済を

くそっ、このままだとマジで攫われちまう


そういうのはもっとこう、お姫様とか美少女の役目だろーが!

何がかなしゅーて、俺みたいな野郎が攫われなきゃならねーんだよ


「アプリコットって、お前も魔王を作ろうって腹か? そもそも そんなに魔王が作りたいならアプリコット自身を生贄にでもなんでもすればいいじゃねーか!」


そうだ、なんで今まで思いつかなかったんだ

別に俺である必要は無いじゃないか

身内で勝手にやってくれ


レッドはそれを聞き、呆れた様にため息をつくと


「まぁ魔王を作りたいと言うのは一部の教団の考えであって全てでは無いのですが…そうですねぇ、それだけで言うのであれば、そんなこと考えないとでも思いましたか? 彼女なら真っ先に試すでしょうね…でも彼女はそれをしなかった…さて、どうしてでしょう?」


と凶夜へ問いかけた


しなかった……

もしかして、できなかったのか?

あの狂信者っぷりだ

この場合、したかったが出来なかったと考えるのが自然だな


「アプリコットじゃ何かしらの条件を満たしていない…或いは--------」


アプリコット自身を生贄にする事は寧ろ本人の望むところ…だが、俺が必要だと言っていた…だとすると


凶夜は少し考え込むと、ほぼ確信を持って


「魔王誕生の生贄は2人必要なんだ」


レッドはそれを聞き


「ブラボー! ヒントは出しましたけど、やりますねぇ」


ニヤリと笑った


「全然嬉しくねぇよ! じゃ正解したし帰ってね はい、さようなら!」


「あはは、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ、別に臓器を抜いて売ったりしませんから」


「そんな単語が出てくる時点で安心出来ないんですけど!」


さっきからレッドの手を振り払おうと必死に力を込めているが、ビクともしない

なんだこれ、コンクリにでも固められたみたいだぞ


無論、そんな経験は無いがーーーーー


くそっ、これだけは使いたく無かったが


「看守ー!やばい助けて、こーろーさーれーるぅぅぅーーー!」


腹にありったけの力を込めて叫ぶ、だがこれでコイツも無闇に動けないだろうーーーしかし


レッドは凶夜を見て、キョトンとしていた

まるで、何をやっているのかわからないといった表情で


「あんちゃん…切羽詰まってるのはわかるけどよぅ、流石にプライドってものは無いのかい?」


マードックは呆れ顔でこちらを見てくる


うるせぇ、摘まれてぶらぶらしているお前には言われたく無いね


「まぁ、レッドとか言うあんちゃんがやったんだろうが…俺たちの牢獄には外側から干渉出来ない結界みたいなもんが張られているようだから叫んでも無駄だけどな」


「………は?」


つまり、あれか

へへ、お嬢さん 泣こうが叫ぼうが助けはこないですぜ? って事か?

今の俺の魂の叫びは無駄だったって事かよ

Oh…


つーか、はよ言えや


「あーはっはっは、まさかそんなことにも気がついていなかったんですか? いやぁこんな人がアプリコットを倒すだなんて、実に面白い」


「!? お前 アプリコットを迎えに来たって言ったな? あいつは村を破壊して捕まってる犯罪者だぞ!俺みたいに誘拐でもするつもりか?」


「それなら問題ありません、教団の力ってのは貴方が思ってる以上に強いんですよ、貴方をここにぶち込む時にも、ギルドマスターとは丁寧に’お話’させて頂きましたし」


なっ、裁判でフォリンの態度がおかしかったのはそのせいか


「お前、何もかも力ずくって訳か、ろくな死に方しねぇぞ」


「うーん、まぁギルドを建替えられるくらいの金額はお渡ししましたからねぇ、力ずく…お金の力ですし、そういう言い方もあるでしょうけれど」


…あのアマ、俺が臓器抜かれて死んだら、絶対化けて出てやるからな!


レッドは再度、眼鏡を人差し指で直し続ける


「そうそう、貴方は不思議な術を使うそうじゃ無いですか? 実に興味深い…まぁ教団に来ればもっと有意義にその力を(ふるえ)ますよ」


スロット…右手はレッドに握られているが、左手なら…

だが問題はあのスピードだ、マードックを捕まえた事といい、とてもスロットを回す余裕なんて…


摘んだマードックをしげしげと見ているレッドを盗み見る

これだけ見れば隙がありそうにも見えるが…


いや、こいつもそれを分かって、こちらを拘束していない節がある

出なければ、裁判所から連行された時の様に俺の口を塞がないわけがないからな…くそっ八方塞がりじゃねーか


ひとしきりマードックを観察した後、レッドは凶夜へ向き直り


「さぁ、そろそろ時間です、アプリコットは合法的に保護出来ますが、貴方はそうはいかないのでね 脱獄、と言う事にしておきましょうか」


と、(にこや)かに言った。



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