第59話 赤髪って主要キャラ多いよね?
「なぁ、あんちゃん 流石にこれは無理があると思うんだけどよぉ」
俺の格好を見たマードックが、半ば呆れたように話しかけてくる
「ふふふ、まぁ俺に任せておけ、完璧な作戦だ」
「あんちゃんを疑うわけじゃねぇんだが…これは違う意味で騒ぎになる気がするぞ」
そう、今まさに! この俺が考えた大脱走作戦…
その名も、化けネズミに襲われてさぁ大変!大作戦の実行中である
簡単に言うと大鼠の着ぐるみをスロットで生成し、それを着込んで
俺はネズミに喰い殺された事にすると言うものだ
スロットで手っ取り早く檻を破壊するとかでもよかったんだけど
後々指名手配になっても面倒だしな、それならいっそ死んだ事にした方が都合がいいかなって
まぁ、この作戦を思いついたのは昔やってたゲームで似たような脱獄シーンがあったからなんだけど、タイトルが全く思い出せないんだよなぁ
その後の展開もイマイチ……
うーむ、まぁなんとかなるだろ
悩んでもしょうがないしな
「まぁ、見てろって あとは監視が来るのを待つだけだ」
「はぁ、いいけどよぉ、その自信は一体どこから来るんだよ」
ネズミがぶつぶつ煩いが所詮は齧歯類だ
この一部の穴も無い完璧な作成が理解出来なくても仕方ない
「…なぁ」
「なんだよ、静かにしろ、監視が来たら暴れるんだからな こう言うのはイメージトレーニングが大事なんだよ」
「いや、あれ…」
「ん?」
まったくこれから作戦実行って時に五月蝿い齧歯類だな
「どうしたってんだよ、まった……く!?」
「はろはろー、凶夜くん 初めまして、いや裁判で会ったから久しぶり…の方がいいですかね?」
突如聞こえてきた声の方へ凶夜が咄嗟に振り向くと
さっきまで誰もいなかったはずの牢獄の前に
「何か固まってるんですかー、お邪魔しちゃいました? レッドさんですよー、あれぇ反応悪いなぁ」
真っ赤な長髪の男が悪びれもせずに、にこやかに手を振りながら佇んで居た。




