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第23話 エクストリーム・ゴロツキ

 だめだわ

 

 最近薄々感じてはいたんだ

 こいつら全く使えないのでは、と

 

「そ、そ、そういう凶夜さんは、どうなんですか!?」

 

 生意気にも一番なんの情報も手に入れてこなかったクラリに言われると余計にムカつくな

 

 まぁいい、聞いて驚くがいい

 

「俺か? 俺は直接行ってきたぞ」

 

「へ?」

 

 意味を理解していないのかクラリが素っ頓狂な声を上げる

 

「だからな、教団の奴と直に話してきたって言ってるんだ」

 

「「ええええぇぇぇーーーー!?」」

 

 ハモるなよ、うっとおしい

 

 横から聞いていたミールが心底驚いた顔で尋ねる

 

「キョ、キョーヤ? 偵察なんだよ? ねぇ、偵察の意味って分かってる? 大丈夫? 」

 

「わーってるよ、んなのこそこそ嗅ぎ回るより、直接聞いたほうがはやいじゃねーか」

 

 あ、こいつら聞いてねぇな

 

 ミールとクラリは教団の人間と話す機会なんてないはず、とか

 そもそも、教団の人間もそこらの

 冒険者なんて相手にしてくれないはず

 とか、ぶつぶつ言っている

 

 まぁ、そもそも偶然助けた相手が教団の奴だったってだけなんだが

 

 

 

 話は8時間前に遡るーーーーーー

 

 

 

 あー、調査って言ってはみたものの、何をどーすりゃいいんだか・・・

 

 クラリとミールに取り敢えず教団について片っ端から調べてこいと言って、はや3日、大した情報も集まらず、こうして村をぶらぶらして、たまーに小銭を拾ったり、惚れ薬について詳しく聞こうと、アイテム屋のおっさんを手伝ったりする日々が続いていた

 

 これじゃニートと変わんねーなぁ

 などと思いながら凶夜は、ふらりと路地裏に入った

 

 ここは、いい具合にゴロツキ共がいて、

 酒瓶や、折れたナイフが転がっており

 なんとも言えない異世界感があるため

 先日から凶夜のお気に入りスポットになっていた

 

 いやー いるいる、ギルドの奴らも荒くれ者感があっていいけど、やっぱ異世界つったら路地裏だよなぁ、幸い俺のステータスは一端の戦士くらいはあるから、絡まれても余裕で倒せるし

 

 ちなみに、凶夜は先日もいちゃもんつけて金を奪おうとしてきた奴を投げ飛ばしている

 

 俺の素早さはちょっとしたレベルだからな、あとは握力も平均よりあるし、遠心力を利用して相手を投げ飛ばすのなんてお手の物だ

 というか、それくらいしか出来ないだけだけど

 

 いやぁ、壁に投げたらゴスゥっていい音したんだよなぁ、いやぁ実に爽快だったな

 あーまた投げたいわ

 

 誰か絡んで来ないかな、などと不謹慎極まりない事を考えながら路地裏を歩いていると

 

「やっ、やめてくださいっ!!」

 

「へ、こんな所を1人で歩いているなんて襲ってくださいって事なんだろおぉ?」

 

「あ、あにきぃ、次は俺に回してくださいよぉ!」

 

「分かってるって、ちょっと黙ってろよ、オメーは、え?あああああああぁぁぁぁぁ」

 

 ゴシャアアアア

 

「おー、昨日より爽快な音立ててるな、結構結構」

 

 凶夜は女性に絡んでいた、あにきと呼ばれる男の腕を掴むと、遠心力いっぱいに回転を加えながら壁へと放り投げた

 

「あ、あ、あ、ああああああ、テメぇぇぇぇよくもあにきおぉぉぉぉ」

 

「あー、ちょっと強く投げ過ぎたわ、めんごめんご」

 

 弟分なのか、手下というべきかよくわからないが、ほぼ上裸で腰蓑らしきものしかつけていない男がナイフを取り出す

 

 女が襲われてたから取り敢えず助けに入ってはみたものの・・・なんだこいつ変態か

 つーか、どっからナイフ出してんだよ

 

 うへぇ

 

「へへ、今更びびったって遅いぜぇ、ズタボロにしてやるからなぁ」

 

 ナイフを持ったことで優性になったとでも思っているのかこのゴミクズは

 だとしたら救えねぇな

 

 凶夜はまるで道に落ちているゴミを見るかのように男を一暼する

 

 うーん、俺は大丈夫なんだけど、あの女が心配だな、こいつ冷静さを失ってるから、何するか分からんし

 取り敢えず挑発して、女から引き離すかぁ

 

 めっちゃめんどいなぁ


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