第21話 噂をすればゴミばかり
「まったくこれっぽっちも壊滅的に何も期待してはいなかったが、やっぱりクラリは情報無しか」
「いやいやいや、まだ何も言ってないじゃないですか!」
「・・・そうだっけ?」
「なんですか、凶夜さんの耳は飾りですか? エルフの長〜い耳か何かと交換してもらった方がいいんじゃないでしょうか」
クラリが悪態を付くが、本当によく思いつくよなぁ感心してしまう
特にエルフの耳と交換とか・・・ん?
「おい・・・今なんて言った?」
顔がくっつかんばかりにクラリに詰め寄る
「え、あ、あの、もしかして怒りました? いやだなー・・・ほんの冗談じゃないですか」
バンッ
俺は思わず、オセロの置いてある机を乱暴に叩いてしまう
その音にクラリとミールはビクッとし、こちらを伺っている
伺っているが俺には、そんな事を気にかけている余裕は無い
今クラリはなんて言った?
「エルフ・・・だと」
「へ?」
と、素っ頓狂な声を上げるクラリ
大方俺が怒っているとでも思ったんだろう、いや怒っている事は怒っているんだが、そんなことは些細な事だ
今はそれよりもエルフだ
マジかぁ、この世界ってファンタジーぽいし、いるとは思っていたが、実際にこの世界の住人であるクラリから聞くと実感が湧くなー
くぅーーーっ
やっぱりファンタジーって言ったらエルフだよな!ビバエロフ!
あとオークと女騎士も是非ともいて欲しいものだが、とりあえずは目先のエルフというステキワードに全力で食らいつくのがこの俺、響凶夜だ
「どうしたのキョーヤ・・・」
「いや、大丈夫だ、それよりもクラリ、エルフって存在するのか?」
この俺の熱いパトスを察されない様に冷静に行動せねば・・・
変態と勘違いされたら心外だ
特にクラリは胸の件で恐喝してくる奴だからな、こんなのがバレたら何を言われるか・・・
「え? まぁ普通にいますけど」
「イエスッ」
ガタッ
「ひっ、なんなんですか一体」
おっと、いかんいかん・・・思わずガッツポーズをとってしまった
ダメだ落ち着けCOOLになるんだ・・・頭を冷やせ
「あ、ああ、いやこっちの話だ、で何処に行けばエルフと会えるんだ?」
「なんか、まったく情報収集と関係ない気がするんですけど・・・西の森に集落があるはずです、この村にも時々ですけど、エルフの商人の方が来ているはずです・・・あ、あとは冒険者にもエルフ族は居たはずですよ」
なるほど、集落で取れたモノを村に売りに来たりしてるわけか、興行って事か
てか、あのゴミ溜めみたいなギルドにエルフなんて高尚なの居たか?
うーむ、まったく思い出せん
一目見たら分かると思うんだけどなー
まぁいいか
「よし、この仕事終わったらエルフに会いに行こう」
「急になんなんですか、まぁいいですけど、それでですね、話を教団に戻しますけど・・・」
そういうとクラリは収集した情報を話し始めた




