結局ここどこ?
「…どこだここ」
時刻は昼間、どこまでも続く一面緑色の草原に1人寝ていた。いくらこの世界の知識をもらったとしてもいきなり飛ばされたとなれば話は別である
「とりあえず歩くか」
シンは太陽の輝いている方へ歩いていった
しばらく歩くいると、景色が森に写り変わる境目に小さな村が見えて来た
「止まれ」
小さな村は木の囲いがあり1箇所しかない出入り口に大きな剣を持った1人の男が立っていた
「この村に何のようだ」
「どうも旅のものなんですが迷子になってしまいまして此処は一体どこなんでしょうか」
異世界から転生して来ましたとも言えずに誤魔化すようにシンは言った
「ここは、ダガマ村だ。特に何も無いところだがゆっくりして行くがいい」
こんな警備で大丈夫か?と疑問に思ったがこんなもんだろうと自己完結し村の中には入っていた
村の中は小さな家がいくつも立っており広場には子供達が元気そうに遊んでいた
「おやおや、旅人さんかね、こんな何もない村によく来たね。ゆっくりして行きな」
前からダボダボの服を着て歩いて来たおばあちゃんが言った
「ありがとうございます。この村で魔法の使える人っていますか?」
せっかく魔法の使える世界に来たのだからと使い方を習おうと思い、聞いてみた
「先生のことかい?先生ならあそこにいるよ」
おばあちゃんの指さす方向には広場で一緒に遊んでいる髭をはやしてにやけている中年の男がいた
「ありがとうございます。実は魔法が使いたくて…先生がいた方がやりやすいかなと」
「そうかい、頑張りなね」
おばあちゃんは歩いて行ってしまった。自分も先生の方に歩いて行った
「どうもこんにちは、シンって言います」
「ダックだ。魔法が使いたいんだろ?」
「なんでわかるんですか?」
一瞬シンは驚いたか取り繕って聞いてみた
「魔法だ。それで何が知りたい。今子供と遊んでいて手が話せないんだが」
ダックが物凄く子供が好きと言うことが見ているだけで伝わり逆に子供もダックの事が好きみたいだ
「今から魔法を使うから見てて欲しいんだ。始めてだから何が起こるかわからないしね」
異世界の知識を持っているシンは魔法の使い方を知っていたが初めてゆえ、見守られながら使った方がよいと判断した
「わかった。早くやってみてくれ」
「ボール」
綺麗なまるをしたボールが現れた
「見事なもんだな、見ている必要なかったんじゃないか」
「ありがとな」
そう言って去ろうとしたとき
「敵集だァー」
門番の声がした
「ガシッ」
手が掴まれた。見てみるとダックがこちらを見て笑っている
「魔法を見てやったんだ、手伝え」
「うぃっす」
笑っているダックがあまりにもキモくてつい返信をしてしまった
門の外に出てみると狼が門番と戦っていた
「10,15,18匹か、少し多いな」
ダックが数を数えていると門番が下がってきた
「ダック遅いぞ……おや、旅人さん手伝ってくれるのか?」
その質問に頷くと
「それはありがたい、しかし武器が見当たらないな」
今のシンの格好は茶色いローブを巻いているだけの旅人装備だった
「大丈夫だ、こいつは魔法使いだからな」
「おお、それは心強い」
門番の目が輝いた
「さっき初めて魔法使ったけどな」
俺がそう言うと門番の目はさっきより明らかにテンションがさがった
「大丈夫なのか?一様これ持っとけ」
門番に心配されつつ刃渡り20cmの少し大きいナイフを渡された
そんな話をしていると狼たちと戦っていた門番がこちらにいるので狼全員が襲いかかって来た
「うおぉぉぉーーー」
門番は手に持っている大剣を横に力ずくで振り回すと、先に襲ってきた狼3体の頭がまっぷたつになっり絶命した
「早く終わらせて、子供のもとに戻るんだ、ウィンドアロー」
ダックが魔法を唱えると空中に風で出来た矢が5本現れそれぞれ別の方向に飛んでいき狼の頭に刺った
「身体強化」
シンは無属性の身体強化を使いさっき借りたナイフで襲いかかってきた狼の喉元を思いっきり刺して殺した
初めて生き物を殺してその手に飛び散った血を見てとても重く感じたがナイフを強く握りしめ再度先頭に戻った
門番が敵をなぎ倒しダックがサポートをしてシンが倒しの残しに止めをさしていった
しばらくして特に何事もなく片付け終わった