レフィル・ディラン視点
他者視点は王子様でした。
エレナが開いたお茶会は、とても気楽で楽しかった。
第二王子としていろんなサロン・パーティに招かれるけど、正直気疲れするし。
人当たりの良い優秀な第二王子の理想像(僕設定)を崩さないように、努力しているんだ、これでも。
それに何より、エレナのそばでは皆、素の顔を曝け出していると思う。
普段は超人冷血人間で感情一切見せない血も涙もないニールの反応観察も面白いし。
……時々凍てつく視点と鉄拳制裁くらうけど。
何度も言うけど、僕が主だよ、主!
あとエレナの弟のジェレミーのお茶もおいしかったし。
あの子、過保護だよね。
お姉ちゃん子なんだね。
……僕もあんな弟欲しかったな。
ラスティはちょっと憐れだったけど。
一応普段は堂々とした侯爵家の跡取りの姿保ってるから、あんな情けない面させるのエレナだけなんだよね。
……愉快だなとか思ってないよ? ちょっとしか。
後はフィフィルティール嬢が新たなメンバーに加わったのは少し驚いたかな。
どこで知り合ったんだろう、接点なさそうだけど。
でも、フィフィルティール嬢かー。
もっと融通利かない、ちょっと怖い(ニール女性版)、お堅いお嬢様かと思ってたけど。
……エレナに対する姿なんか、優しい姉そのものだったな。
意外と慈愛溢れるいい母親にもなりそうかも。
もともといい妃になるのは疑いようもない淑女っぷりだったけどね。
実は、僕の婚約者候補の第一がフィフィルティール嬢なんだよね。
まあまだ内定ではあるけれど。
一応僕の意見も取り入れてくれるらしいけど、あんな風に優しく微笑む彼女なら……。
こほんげふんっ。
……まあ、それはそれとして。
僕の毎日を一転楽しいものにしてくれたエレナには感謝、感謝。
お礼に、もっといじってかまってあげよう。
もう、よく知らないし、なんて寂しいこと言われないように、ね。
ふっふーん、次は何をどうしようかなー。
………………ぞく。
いや、背筋に怖気が……。
う、うん、まあ、ニールに抹殺されない程度にね、うん。
しかしこの王子、ほんとノリ軽いな。




