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うちのジェレミーをよろしくなのです

二番手ジェレミーの紹介です。

「では、次はわたしの弟ジェレミーです」


 さあ、ここは本気モードですよ。


 え? 何をかって?


 もちろん、アピールですよ。


 ジェレミーが本命なのです。


 もちろん、フィル様のお婿さん候補のですよ!


 ジェレミーに嫁入りしてくれれば、わたしとフィル様は義姉妹の間柄!


 本気にもなろうってもんですがな。


「ジェレミーは、わがクラウン伯爵家の跡取り息子なのです。本当はわたしの父方の従姉弟にあたりますが、小さい頃から一緒ですし、うちのパパさんそっくりのゴージャス美形ではっきり言って実の娘のわたしよりもずっとうちの子みたいなのです!」


 羨ましくなんかないですよ?


 もうその段階は通り過ぎましたからね?


 ……たぶん。


「ジェレミーは性格もいい子なのですよ? 優しいし、マメだし、気が利くし、滅多なことでは怒らないのです」


 どれだけおかずやおやつを奪ってもにこにこされてたわたしが言うのだから間違いないのですよ。


「それに、頭もいいし、機転も利くのです。ジェレミーが跡を継いでもクラウン家は安泰なのですよ」


 それにバックにはニールもいることですしな。


 公爵家や侯爵家にはちょっと家格が劣るやもしれませんが、その分自由もあると思うですし。


「運動神経だってなかなかのものですよ? 頼りがいもあるのです。センスもなかなかなのですよ。ご覧の通りお茶を淹れるもの上手ですし、刺繡とか編み物だって器用にこなせてしまう、すごい子なのです」


 うん、よくわたしに出された課題肩代わりしてもらってましたしね。


 ……後でバレて大目玉くってましたが。


 ん? 


 ジェレミーが苦笑を浮かべてるですね。


 王子が腹抱えてますな。


 ラスティはむくれてるですか。


 ニールは安定の無表情ですが。


 フィル様? その生温かい眼差しは……。


 ああ、べた褒めしすぎましたか。


 思わずうちの子自慢になってしまってるですね。


 ええと、ではデメリットも少し。


「でも、ジェレミーは少し繊細なところがあるのです」


 トラウマ刺激した時の反応がすごいですからな、おんぶお化けに抱っこお化け。


「その辺りを優しく見守り支えてくれる人が身近にいてくれると、とってもお姉ちゃんとしては安心なのです……」


 ここでちらりとフィル様を見るです。


 ささやかなデメリットも言いつつ、あなたがいればのアピール。


 これはポイント大きいですがな、うむ!


 フィル様はそれを受けてにっこり微笑まれます。


「ええ、よくわかりましたわ。どんなにエレナがジェレミー様を大切に思われてるか。ジェレミー様は本当に幸せですわね」


「ええ、姉様がいつも僕のそばにいて見守り支えてくれたので、僕は本当に幸せでした。もちろんこれからも」


 ジェレミーもそれを受けて深く頷きました。


 ん?


 なんかちょっと目指す方向と違うような……。

 

 うーん?


 でもまあ、いっか。


 では次はラスティですね。


 ……ちゃんと紹介してあげるから、そんな期待こもった瞳で見つめないでください、ラスティ。

次回ラスティです。

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