誘惑に負けてはいけないのです
エレナさん、ヒッキー願望傾向ありと見た、です。
「はうー、疲れたのですー!」
フィル様の名前書き取り100回終了したわたしは、ごろんとベッドへ横になりました。
でも、これでフィル様の名前は完璧に覚えたです。
もういつ誰に聞かれても大丈夫なのですよ!
……たぶん。
それにしても……。
ビバ! ベッドでごろごろ!
ふかふかもふもふベッドは最高ですなー。
基本衣食住すべてベッドの上オンリーでもオッケーなのですが、それは伯爵令嬢の建前の前に人間としてどうか、とも思うので何とかその誘惑を打ち負かしているのですよ。
あー、でも休みの日とかー、起きたら簡易な服にベッドの上で着替えて、簡単なものつまみながらベッドでごろごろして、昼はパンでもかじりながらベッドでごろごろして、午後は本でも読みながらベッドでごろごろして、夜はパイとか食べながらベッドでごろごろして、寝るまでごろごろして……。
それは、なんというか。
すんばらしい環境ですな!
でもしてはいけない、禁断の生活態度なのですよ。
ニールにばれたら、教育的指導入ること間違いなしなのです。
でもここは女子寮ですしな。
…………たまになら…………、はう、駄目ですがな!
一度したら絶対ずるずるなのですがな、わたしの性格から考えて!
それにツンドラニールの千里眼を侮っては駄目なのです。
はいはい、これはもう終了。
考えない考えない、ですよ。
わたしはぷるぷると頭を振って、意識を入れ替えたですよ。
そう、今のわたしにはもっと有意義なことがあるのですよ!
そう、フィル様とゆかいな仲間達の交流の場の計画です!
……うーん、どうするですか。
いきなり一緒にお出かけは難易度高いですかね。
わたしもまだフィル様とそんなに親しいわけではないですし。
では、まずはお互いをよく知ること、ですな。
よく知るには、よくお話しするのが一番ですよ
よくお話しするのに最適な場は……。
おう!
いいこと思いついたのです!
おしゃべりと言えば、お茶が必須!
おいしいお茶とお菓子を食べながらなら会話が弾むことも必至!
そう!
お茶会を開くのですよ!
今回からしばらく、エレナさんのお茶会、のターンが続きます。




