ジェレミー・クラウン視点
再度登場ジェレミー視点。
友達が出来たと姉様は、にこにこご機嫌だ。
その様子はとても可愛らしい。
姉様が幸せそうだと、僕も幸せな気持ちになる。
姉様はあたたかな陽だまりのような人だと思う。
両親が突然の事故で亡くなり、クラウン本家に引き取られ、エレナ姉様が僕の義姉になってからあっという間だった。
当初、不安定だった僕の心の支えになり、いつも一緒にいてくれた姉様。
そっと抱きしめてくれたそのぬくもり。
それに、どれだけ僕が救われたことか。
僕の一番大事で大切な姉様。
姉弟である限り、いつまでも一緒にいられるわけじゃない。
だけど、弟であるのは、僕だけの特権。
僕だけの、特別。
もし、姉様が僕をただ一人の人と選んでくれれば、これ以上幸せなことはないけれど、別にそうでなくてもかまわない。
僕以上に姉様を想い、姉様が想う人で、姉様は幸せでいられる相手であれば。
もしなにかあっても、いつでも僕は姉様を見守っているから。
姉様がいつまでも幸せでいられるように。
僕としては姉様の相手はニール兄様が安心だけど、ニール兄様も気持ちは僕に近いんじゃないかな。
エレナ姉様が何よりとても大事だけれど、それは兄としての気持ちが強いんじゃないかな。
僕が、エレナ・クラウンを一人の女性としても好きだけど、姉として慕う想いも強くあるように。
まあ、こればっかりは当人でなければわからないけれど。
当人でもわからない場合もあると思うけれど。
恋情という意味ではラスティが一番かもしれない。
だけど、今のままのあいつじゃとても大事な姉様を任せる気にはならないな。
本気で姉様が欲しいなら、もっと本気でしっかりしてもらわないと。
今のままでは頼りなさすぎる。
ラスティなら姉様をお嫁に出しても口が出しやすいというメリットはあるけどね。
僕の目の前で幸せそうに笑う姉様。
うん、まあ姉様の気持ちが結局は一番優先なんだけど。
僕の姉様。
エレナ姉様。
僕は、願う。
あなたが、何よりも、誰よりも、幸せでありますように。
次回はラスティ視点です。




