覚える為には復唱確認は大事なのです
更新遅くなりましてすみません。
「フィ? フィー? フィー……フィ?」
あ、駄目だこりゃ。まったく記憶出来とらん。
プリーズ・ワン・モア・ユア・ネーム?
と、わたしは瞳の力で訴えました。
「……フィフィルティール・フィッツグラットフェルト、ですわ」
「フィフィル、フィー……ル?」
あう、やはり覚えられないのです。
そんなわたしに、侯爵令嬢は何か残念なものを見るような瞳でゆっくりと自身の名前を名乗ってくれたですよ。
「フィフィルティール・フィッツグラットフェルト」
「フィフィルフェ?」
「フィフィルティール」
「フィフィルティール」
「フィッツグラットフェルト」
「フィッツグラットフィ……?」
「フィッツ・グラット・フェルト」
「フィッツ、グラット……フェルト」
「では最初から、フィフィルティール・フィッツグラットフェルト」
「フィフィルティール・フィッツグラットフィルト!」
「違いますわ! 最後はフェルトです!」
「フィッツグラットフェルト?」
「そう、そうですわ。では最初から仰ってみて」
よしきたですよ!
「フィフィルフェルト・グラットフェルト!」
「何で悪化してますの!?」
侯爵令嬢は悲鳴のような声でそう叫びました。
ふっ、悪役令嬢(理想)よ。
それは、わたしの方こそ知りたいのですよ(涙)。
そんなこんなで、名前を言ってはそれを復唱しを繰り返すこと小一時間。
やっとわたしは彼の侯爵令嬢の名前を覚えることが出来ました。
フィフィルティール・フィッツグラットフェルト様!
よし、もう大丈夫なのですよ!
完璧なのです!
しっかり覚えたのです!
エレナさんはやれば出来る子なのですよ!
だけど、何やらぐったりした様子のフィフィル以下略を見て、ふと思いました。
うーん、もしかしたら紙に書いてもらって覚えた方がよかったかもですかね?
でも次回も更新遅くなりそうかも……。




