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久々己の低スペックさに涙したのですよ

今回は「?」が異様に多いですね。

 こ・れ・ぞ・り・そ・う・の・あ・く・や・く・れ・い・じょ・う!


 わたしは思わず叫びそうになりましたよ。


 つかマジなんなんですか、これは。


 パパさんとママさんの横にわたしとこの子並べて、「さあどっちが親子でしょう!」クイズをしたら十中八九こっちの子が娘と言われるですよ。


 義弟のジェレミーを並べてみて同じことしても以下同文ですよ。


 いや、別に顔の形が似てるわけではないですけどね?


 でも、金髪とか目の色とか豪華な美人度とか、ね?


 どうせ悪役令嬢ならこっちが良かった!


 だって考えてみてくださいよ?


 ゲーム画面でこの子と私、同じシーンで登場したらですよ?


 どう見てもこの子がライバルですよ?


 悪役令嬢ですよ?


 わたしどう見ても悪役令嬢の取り巻きその一、とかその二、ですよ?


 下手すりゃ三下役じゃないですか?


 ヒロイン側なら友人その三くらいですか?


 下手すりゃモブですよ!


 ああ、最近忘れていた悪役令嬢としてのアイディンティティをぐらぐらと刺激されるこの感じ!


 ではまた何度も思ったこの事実、問いましょう!


 な・ぜ・わ・た・し・が・あ・く・や・く・れ・い・じょ・う・なんですか!


 いえ、不満はありませんよ?


 ありませんがね。


 役不足だと思うのですよ!


 わたしにその役目果せたかったら、最低でもそれをこなせるスペックと外見プリーズ!


「…………あの、あなた? 大丈夫ですの?」


「ほへ? 何がですか?」


「…………目を見開いたまま、口をぱっくり開けたままで、かたまってらしてるところが、ですわ」


 何と!


 悪役令嬢(外見)優しい!


 言葉遣いもハイスペックお嬢様っぽい!


 決めたですよ!


 我がマイフレンド!


 是が非でも、わたしの親友になって頂きましょう!


「いえいえいえいえいえいえいえ! 問題ないのです。大丈夫なのですよ! このエレナ・クラウン、身体はとっても丈夫であると自負しているのですよ! 精神はもっとタフなのです! ちょっとやそっとの扱いではびくともしないです。なので友人としてもとってもお勧め、優良物件なのですよ!」


「…………はい?」


「このエレナ・クラウンに御用とは、謹んでお伺いするのです。それで、その、貴女のお名前もお伺いしてもいいですか!?」


 明らかに目の前の悪役令嬢(仮)は腰が引けた様子になった。


 こりゃいかん。


 テンション上がり過ぎて暴走したですよ。


 押して駄目なら引くのです。


「ごめんなさい。少し混乱したのです。どうか気にしないでくださいなのです。それで、あの、今日はどういった件で? あと、失礼なのですが、わたしは貴女のお名前存じ上げてなくて。良かったら教えて頂けませんか?」


「え、ええ……」


 その悪役令嬢(テンプレ)はこほんと軽く咳をすると、わたしに姿勢を正して向き直りました。


 ほえー、規格外美人は立ってるだけで様になりますなー。


 扇持って「おほほほほー」とやってくれないですかねー。


「失礼。わたくしはフィフィルティール・フィッツグラットフェルトと申します。フィッツグラットフェルト侯爵家の娘ですわ」


 …………?


 ふぃ……?


 わたしは暗号かと思われた名前に、こてりと首を傾げた。


 ふっ、わたしのスペックの低さを甘くみてはいけないのですよ。


 ……正直に言おう。


 名乗ってもらった名前、「フィ」しか覚えられなかったのですよ(涙)!


ではまた次回、よろしくお願い致します。

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