引きこもりには意味があったのです
おう、展開ちょースローテンポでーす。
「はい、じゃあこれ着ましょうねー」
「あい」
「ふふふ、いい子ねー」
「あーい」
ただいま絶賛オシャレ中。
ママさんにかわいく髪を結んでもらったり、フリフリのドレス着せてもらったり。
ってすごいよこの服。レースとリボンでフリフリフリフリ。
可愛いは正義!
わたしはご機嫌です。
ただいま、なにをしているかと言うと。
ママさんのパパさん、つまりはわたしのグランパに会いに行くための準備をしてるです。
いままでほぼ外に出なかったり、会うのもほぼママさんと、パパさんと、後は限られた使用人達だけだったのは訳があったのですよ。
どうやら、ここでの方針としてある程度大きくなるまでは外に出したり人に触れさせたりしないみたいなのです。
感染症とか病原菌とか、極力近づけないようにする為とか。
赤ちゃんが病気になると、死亡率高いのだって。
んーん? 意外と医療が遅れてる国だったりするのかな?
まあ、たぶん貴族でないおうちはそこまで過敏じゃないだろうし、貴族のおうちでも母親があそこまでべったりなのは少数派みたい。
通常は乳母さんとかがつくようなんだけど、うちはママさんの方針でママさんがつきっきりだったとのこと。
貴族のおうちだと、本当に珍しいケースだとか。
赤ちゃんの前だと思って、使用人達があまり気にせずいろいろ目の前で話してるの聞いた内容だと、そうらしいのです。
でも悪口とかは全然ないですよ。
どっちかってーと賛辞のが多いです。
子供想いだとか。
綺麗だとか。
優しいとか。
美しいとか。
親切だとか。
スタイル抜群だとか。
滅多なことでは怒らないとか。
女神のようだとか。
使用人を大事にしてくれてるとか。
神々しいとか。
エトセトラ、エトセトラ……。
美しさは正義!
さすがわたしのママさんです。
えっへん。
まあそういうわけで、ママさんのパパさんに、つまりはグランパに一度も会ったことのないというのはそーゆーわけでした。
で、パパさんがそろそろもう外に出してもいい頃だろう、と判断し、今回のお出かけが相成ったのでした。
おでかけ楽しみだなあ。
るんるん。
毎日更新続けられるとこまで頑張ります。