朝御飯のお時間です
あれ、話が進まない。
チュンチュンチュン……。
外から小鳥のさえずりが。
朝なのです。
お腹がすきました。
と言うことで、起きるのですよ!
わたしはがばっと起き上がると、パタパタと身支度を始めました。
髪は櫛をつかんで、一、二、三、と撫でて終了。
顔は水でパシャッと洗って終了。
化粧? おしゃれ? そんなものはご飯の時間の前には取るに足らぬことなのです!
わたしはじりじりとご飯の時間になるのを待って、食堂へ向かいました。
食堂はまだ誰もいませんでした。
まあ、食べない人も多いと聞きますしね。
お嬢様方は基本食が細い人が多いらしく、わたしみたいにご飯の時間ですっとんでくる人はそうはいないのですよ。
わたしは食堂のお姉さんに声をかけました。
「おはようございますなのです!」
「あら、おはよう。早いわねえ」
返事を返してくれたのは、推定年齢五十歳のお姉さんです!
ここで間違ってはいけないのは、決しておばさんと呼んではいけない点です。
もし間違ってしまった日には、……ご飯が減らされるのです(涙)。
わたしは、初っ端身を以てそれを体験しました……。
もうその愚行は犯さないと誓ったのですよ……!
「今日の朝御飯はなんですかー?」
「あらあら可愛いわねえ。最近の娘っ子はダイエットだの美容だのとろくに食べやしないけど、あんたは可愛いわあ。もう十歳にはなったんだっけ?」
「嫌ですよ、お姉さん! この学校は十四歳からしか入れないじゃないですか」
確かに私はちょっと発育遅いかもしれないかもですが!
でも寮母さんこと合法ロリには確実に勝つですよ、ってあれ? なんか、ちょっと、むなしくなったような気が……。
そんな風にわたしの心を抉ってくれた食堂のお姉さんでしたが、次の一言でテンション上げてくれました。
「そうそう、連絡もらってるわよ。食事の量、足りてないんですってね。今日から増やしてあげるからたんと食べなさい。今朝はハムと卵とツナのサンドイッチ、オニオンスープ、ヨーグルトの果物添え、そしてカフェオレよ。さあ、たくさん食べて早く大きくなるのよ」
「ありがとうなのです!」
連絡はニールがしてくれたのですね!
あいかわらず仕事が早いのです。
そしてお姉さん、大きくなれってわたしは子供ではないのですよ。
それとも、この下を向くと邪魔することなく地面が見える、スッキリとしたバストを指して言ってるですか。
……うん、気にしない気にしなーい。
さあ、待ちに待った朝御飯なのです。
いっただっきまーす、ですよ!
エレナさん、食い意地はった子供に見られる、の巻きでした。




