表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/126

夢にまでみたヒロインは……

もう、本当にこの先どうしよう……。

 夢にまでみたヒロインが、今わたしの目の前にいるのです。 


 彼の人からはふわっと、淡い花の香りが漂ってきます。


 さすがヒロイン。 


 ヒロインはいい匂いがするのですな。


 透けるような透明感のある白い肌。


 美肌は人を何倍も美しく見せるのです。


 その淡い琥珀の瞳は、優しい眼差しを湛えています。


 唇は、人工的な着色など一切ない自然な淡い桜色。


 髪はサラサラ、淡い金だか茶色だか……ん?


 どこかで見たような瞳と髪の色合い……って、わたしと一緒ではないですか!


 ほわ、運命感じてしまうのですがな。


 うーん、でもちょっと髪がショートだったのが意外だったのです。


 絶対ヒロインはストレートロングだと思ってたのですよ。


 実際ゲームでの後姿はそうだったし。


 まあ、実際のゲームとはわたしも違ってますし、攻略対象者も何かゲームとちょっと違ってきてるから、多少の差はあっても仕方ないですな。


 あと、背はわたしより高いです。

 

 頭半分くらいでしょうか。


 わたしは周囲と比べてみて、他の女の子よりちょい低めだったのです。


 ヒロイン背が高いのですね。


 また、その初めてお目にかかったお顔は、ヒロインの優しい性格を表すような、優しげな面立ちをしています。


 ゲームでどれだけ見てみたいと思ったことか。


 うーん、美人、というよりは可愛い、でしょうか。


 でもぶりぶりに可愛いのではなくて、癒し系、というか。


 でも、ニールのような冷たい印象の美形やジェレミーのような豪奢な美形やラスティのようなワイルド美形や王子のようなテンプレ美形よりも好みですなー。

 

 会えない期間が長すぎ妄想が進み過ぎて、神だか女神だかの神々しさをイメージしてましたが、実際会ってみると、うん、これぞヒロイン、で納得です。


 優しい癒し系、これぞヒロインなのですよ!


 でも、髪だけの問題ではなく、ちょっとボーイッシュのような?


「…あ、あの……?」


 うーん、声もちょっと低めでしょうか? 甲高いよりはあってますが、はて?


「君、大丈夫……?」


「あ、ごめんなさいなのです!」


 わたしはあわててヒロインから離れました。


 そうですよ、倒れかかった体勢のまま、無言で顔見上げてがん見してたら、おかしな奴と思われてしますのです。


 わたしの目標は、ヒロインの想い人との恋を手助けした後、それを契機にヒロインと仲良くなり生涯無二の親友になることなのですから、最初の印象は大事なのですよ!


 さあ、挨拶挨拶!


「助けてもらってどうもありがとうございます! 申し遅れました、わたしは……」


 そう言いながらお辞儀をしようと、目を伏せたわたしは、そこであり得ないものを目にしました。


 ヒロインが、ズボンを穿いている……?


 この世界では、女性がズボンを穿くことはまずありえません。


 と、いうことは……?


 がばっとわたしは顔を上げ、ヒロインの顔を見上げました。


 その勢いに、ヒロインはびくっとしましたが、それに構っている心の余裕はありません。


 ショートカットの髪。


 ズボン姿、というより男子の正装です。


 よくよく見てみれば、それはボーイッシュな女の子ではなく。


 少女めいてはいるけれど、まさしく線の細い少年のもので……。


 

 ヒロインが、男の子……?



「ふ…え……えええええ――――――――――――――――!?」

  


 わたしは思わず絶叫したのでした。


驚きましたか?

続きは次回(当たり前)へこうご期待(汗)!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ