赤髪の獅子(幼少版)
攻略対象者三人目登場。
今日は顔合わせの日なのです。
お見合い、でいいのですかね?
お見合いの前に、婚約決まってるですが。
まあニールに聞いて、婚約はそんなに重く考えなくてもいいとわかったので、気楽にいくですよ。
そう、悪役令嬢のお仕事っをしなければ!
あれからわたし、頑張って思い出したのですよ。
ラスティ・グランフォード。
またの名を赤髪の獅子。
まあ簡単に言うと、赤い髪した俺様傲慢男、ですね。
わたし、あまり好みではないですね、うん。
ワイルド系より綺麗系のが好きなのですよ。
それに、確かに幼いころからの婚約者、これは間違いないですね。
でも、幼少期のデータはないので、うん、そこは行き当たりばったりで!
ラスティから見たエレナの評価は……、えと、そう! 高飛車傲慢女! ですね!
傲慢VS傲慢ですか。
まるで磁石のSとS、みたいな感じですか。
そりゃ反発もしますね、ええ!
何故傲慢かというと、そりゃ相手に満足してないからですね。
主に、家格。
ゲームのわたし、王子様にも嫁げるはずなのにたかだか侯爵家へなんてって傲慢かましてます。
わたし王子様会ったことないですよ。
何故そう思うにいたったかが不思議ですな。
まあ、いいです。
とりあえず、わたしがとる態度は高飛車で傲慢、これで決まりです!
高飛車で傲慢って何をどーするですか。
あ、あれですか。
オーッホホホホホ! と高笑いでもしてみますか。
よし、さっそく!
「おーっほほ……ごっごほ、ほ、けほっ……!」
無理です。
むせます。
うん、却下。
うーん、まあいっか。
追々考えるですよ。
と、見合い当日。
会場は我が家なのです。
うん、本当は相手の家に行く予定だったんだけど、ジェレミーがついてきたがったり、ニールが同伴申し出たり、なんだかんだでうちになりました。
ちょっと行ってみたかったですよ、よその貴族のお宅拝見。
うーん、残念!
と、いう訳でわたしは今おしゃれさせられ、わたしの婚約者と相対しております。
ゲームで見慣れた姿と違って、お子様なのですよ。
この頃は、まだ可愛かったんですねえ、しみじみ。
ラスティはわたしをじっと見てるです。
何ですか、そんなじっくり見られたら照れるですよ。
親同士の定番の挨拶が終了し、わたし達の番になりました。
お、ラスティが口を開きました。
「……期待外れだったな。もっと美人かと思った」
………………はい?
それが、奴の発した第一声でした。
だけど発したセリフは最後のあれだけ。
すみません、次回はもっと喋ります。




