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お出かけ前の約束は

エレナさん意外と小悪魔? な回。

 お出かけの保護者はニールです。


 ……五歳児の保護者が六歳児ってなんですか。


 本当はママさんが名乗りをあげましたがパパさんに却下されました。


 ママさんでは不安だとのこと。


 ……いくら出来がいいと言っても六歳児に信用負けするママさんってなんなんですか。


 ああ、でももちろん子供だけでお出かけのわけはないですよ?


 馬車の御者さんとお付の人と護衛の人と、大人もちゃんと一緒です。


 だけど、子供とはいえ血統や家格がものを言う世界なので。


 なにか有事の時に判断が下せる人間、それが今回のところで言う保護者。


 と、いうことらしいですよ。


 そこに、年齢や性別はあまり関係なく、って言ってもニール六歳ですよ。


 本当あんたは何者ですか、ツンドラニール。


 そして信用なしのママさん、も少し頑張って!


 

 そしてとうとう約束してたお出かけの日。


 ニールはわたしに言いました。


「今日は食べられるのは、3つまで、と約束しよう」


「えー、わたしたくさん食べたいですー」


 ぶーっとわたしは口を尖らせました。


「駄目だよ。約束」


「むー、そんなこと言うニールにー様なんか嫌いー」


 がん! と音がしたかの勢いでニールの顔が真っ青になりました。


「そ…そんな……。で、でも、ぽんぽん痛くなってしまうから……」


 ぽんぽん……、おなか壊すのは確かに嫌です。


 でも、たくさん食べたい、食べたいんだもん!


「そ、それと、日持ちするものならお土産としていくら買ってもいいから……」


 ん? いくらでもとな?


「それはこんなにこーんなに買ってもいいですか?」


 わたしは両手を大きく広げて確認した。


 すると、ニールはこくこくと頷きました。


「もちろん。エレナが望むなら馬車1台分でも、2台分でも、いくらでも」


 ま、まじですか?


 いやでもそんなにはいらんですが。


「でも、一度にたくさん食べるのはよそう? エレナが苦しむところは、わたしは見たくないんだ……」


 ツンドラニール……。


 いや、わたしが悪かったのですよ。


 そんなに心配してくれて感謝ですよ。


 食い放題はNGでも買い放題はOKなら私に否はない。


「ニールにー様、ありがとーなのです。わかったのです」


「エレナ……、わかってくれてわたしは嬉しい。今日は楽しもう」


「うん! ニールにー様、大好き!」


 ぼん! と音がしたかの勢いでニールの顔が真っ赤になりました。


 ……こいつ、血管大丈夫なんでしょうか。


 ツンツン。


 と、横でわたしの袖を引っ張るジェレミー。


 なんだいな、と見てみると、ジェレミーは小首を傾げて言いました。


「僕は? 僕も好き? 姉様?」


 なんですかおい、かわいいですなおい。


 いいなー、やっぱりその美貌。


「姉様?」


 不安そうに尋ねるジェレミー。


「もちろん、ジェレミーも大好きですよ」


 途端、花が咲くように笑うジェレミー。


「僕も、姉様だーい好き!」


「ぐきゅ!」


 わかった。


 わかったですので内臓飛び出すほどの力で抱きついてくるの勘弁してください。 


  

でも結局は食い意地はってる鈍感娘、であります。

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