義弟がしがみついて離れません
会話まではいきませんでしたー。
義弟ができました。
ちなみにその義弟はわたしの横で寝てます、なう。
義弟はもちろん、ジェレミーのことです。
ここはわたしのお部屋です、なう。
この世界では親と子供は同じ部屋では寝ません。
分ける部屋がない場合?
それは知らんですよ。
でも部屋がなければ同じ部屋になるでしょう、自動的に。
まあいいです。
とにかく、同じ部屋では寝ないんです。
わたしが赤子のころからそうでした。
なので、ジェレミーにもきちんと部屋は用意されてました。
わたしの知らないうちに。
よ・う・い・さ・れ・て・る・ん・で・す・が!
なぜここにジェレミーがいるかというと。
この子、離れないんです。
ええ、そりゃもうおんぶお化けよろしく、ええ、べったりと!
はじめに抱きついてきた時から、ええ、もうずっと!
ご飯の時も横に椅子を並べて片手でわたしをつかみながら食べてました。
……器用ですねこの子。
さすがに乙女の譲れない点としてトイレとお風呂は断固として離れてもらいましたが、その時でさえ扉の前で待ってました。
あう、わたしのプライバシーが……。
基本腕をがっしりとつかんでます。
後はスカートぎゅっと握ったり、やめて皺になっちゃう。
背中にべったり、前からべったり。
離そうとするとものすごい力でしがみついてくる、あいててて。
それでも離そうとすると、大泣き大騒ぎです。
なので、諦めました。
ええ、はい、だってわたしは転生者!
心は立派な大人なのですよ。
心にゆとりを持って、広いふところで受け止めてあげますよ、ふっ。
まあ、実際急に両親そろって亡くなって不安定な時なのだろうし。
まさか一生このままってわけないし。
しばらくは精神安定剤代わりに抱きつかれてやりますよ。
もう、しょうがないですね。
だってお義姉ちゃんですもん。
ジェレミーは安心したような顔でぐっすりです。
そのご尊顔はパパさんそっくり、ミニチュア版。
くそう、実の子でもないのに羨ましいぞ。
それとも、パパさんの弟さんがそっくりだったのかな、パパさんに。
……この子、もうこの年で実の親いないんだもんなあ。
……かわいそうだよなあ、ほんと。
そっと、その頭をなでなでと撫でてみる。
髪、さらさら。撫で心地は抜群です。
ゆっくりと撫でていると、うっすらとジェレミーは目をあけました。
ありゃ、起こしちまったですか。
ジェレミーはわたしの顔を見ると、ふわっと微笑んだ。
初めて見せた笑顔でした。
「……姉様……大好き……」
それだけ言うと、ジェレミーはまたわたしにぎゅっとしがみついて、そのまますうすうと寝てしまいました。
ほわあ、おとーと可愛いなあ。
わたし、これいじめられるかなあ。
でも、それがわたしの役割だしなあ。
期待されてる役割は果たさないとなあ。
うーん、まあいっか。
どっちにしてもまだ先の話だし。
しばらくは、真綿のように優しく包み込んであげよう。
その、哀しみが少しでも癒えるまで。
わたしはジェレミーをぎゅっと抱きしめかえすと、目を閉じた。
おやすみジェレミー、いい夢を。
しばらく弟回するか弟視点やって次いくか考え中……。




