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ツンドラニール

ニール登場・本当に登場しただけでした。

 立派な悪役令嬢の道をゆく! と決意を新たにしたところで、コンッと扉を叩く音がした。


 ありゃ、と見てみると、そこにはニール・エルハランが立ってました。


 なぜここに!


 と、一瞬思いましたが当然ですね、ここは彼のおうちです。


 たとえ、城と表現するのが正しくてもおうちはおうち。


 でも、なんでこの部屋にきたですか?


 ふつーこーゆー時に現れるのは、ママさんとか侍女さんとかではないですか。


 もしくはセバスチャン! 改め執事のグラスさん。


 しかし実際に現れたのはニール・エルハラン。


 ニール・エルハランはなにも言わずにわたしをじっと見つめています。


 こいつ、ママさんとパパさんの前での饒舌はどこいったですか。


 なにか喋れ、ですよ。


 ……喋らんですよ。


 こいつ、なんなんでしょうか。


 ニール・エルハランとは、いったいどんなキャラだったか……。


 目の前のニール・エルハランを見ながら、わたしはゲームのニール・エルハランの知識を脳裏に浮かべました。


 ニール・エルハラン。


 美貌の次期公爵。


 王子様の腹心になる予定の人物で実際王子様の親友。


 わたしやヒロインからは一つ年上にあたる。


 わたし、エレナ・クラウンの従兄弟。


 銀髪のニール。


 もしくは、ツンドラのニール……。


 そう!


 ツンドラ、ですよ。ツンドラ!


 デレじゃないんですよ。


 デレないんですよ。


 ツンドラ=氷雪に閉ざされた凍土平原。


 凍死しますがな!


 ……なにがよかったんだろうヒロイン、この攻略者。


 はっ!


 そうではない。


 そうではないですよ。


 わたしは立派な悪役令嬢の道を進むと決めたばかりではないですか!


 であれば、今からニール・エルハランに対するわたしの態度もきちんと理にかなったものでなければ。


 えーと。


 ニール・エルハランのエレナ・クラウンへの評価は確か……。


 そう!


 確かわがままな従姉妹におもいやられる、でしたよ!


 わかりました。


 わたしのニールに対する態度はわがまま娘!


 やってみせましょう、わがまま娘!


 ふっ、わたしのわがままできっとこのツンドラボーイを翻弄させてみせましょう。


 いざ、勝負!

エレナさんはこうやって空回りしていく予定、なのです。

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