オールキャラ勢ぞろいなのです
最初エレナさん変態チック(通常運転)。
わたしは大変ご機嫌なのであーる。
ふっふっふっー。
やっと見つけたアニーにぐりぐりと抱きついて、そのやわらかな感触を堪能したであります。
気持いいのですなー。
スーハースーハーしていい匂いも満喫してるのであります。
気持いいのですよー。
置いて行かれてちょっと拗ねた演出もして、アニーを困らせてもみるのです。
ちょっと困ったように首を傾げるアニー、きゅーっ、か・わ・い・い・の、ですー!
むふふーっ。
ヒロインサイコー。
アニーだーい好きなのですよー。
笑いが止まらないのとは、ま・さ・に! このことなのですよー!
と、きっと傍からみたら、みっともないほどにたにた顔をしているであろうわたしに、アニーはわたしの後ろを見て誰何してきたです。
ん? と、つられて後ろを見ると、そこにはジェレミーとラスティがいたのですよ。
ありゃ、うっかり存在自体忘れていたのです。
……な、何なのですか、ラスティ。
そんな羨ましそうな顔したって、この場所は譲れないのですよっ。
今のラスティがこれをしたらただの痴漢なのです。
犯罪なのですよっ。
気軽に抱きつけるのは女の子同士の特権なのです。
まあ、もしもラスティがアニーのハートを射止めたら、たまには交換してあげるのもやぶさかではないですけど。
にゅふー、でもちょっとラスティにはアニーの相手は荷が勝ちすぎてるんじゃないのですかねー。
その点わたしはいいのです。
お友達、はすべてのハードルをクリアするのですよ!
ああ、お友達。
素敵な響きなのです…………。
あう?
おおっと。
いかん、いかんのですよ。
優越感と感慨に浸ってる場合ではないのです。
アニーのお求めなのです。
ご紹介、紹介っと。
「アニー、ええとですね、紹介するのですよ。こっちが……」
「あれー、エレナ? 奇遇だねー。何やってるのー」
おう?
アニーにジェレミーとラスティを紹介しようとした所で、間の抜けた声をかけられたですよ?
声がした方を振り返ると、そこには王子とニール、それにフィル様! がいらっしゃいました。
フィル様! 今日も見事な悪役令嬢オーラ、感服するであります!
それに、ニール、今日も王子のおもり、お疲れなのですよ。
「あ、何? なんか今とても蔑まれたような空気を感じたんだけど!?」
「気のせいですよ、気のせい」
……このぼんくら王子、何か妙に敏感なのですよ。
気をつけなくてはですね、ふむ。
ん?
そういえば、今。
わたし。
アニー。
ニール。
ジェレミー。
ラスティ。
王子。
フィル様。
はうっ!
な、なんと!
ゲームの主要キャラ勢ぞろいなのではないですか!
現在空気のレニー(この場所に不在)、エレナさんに忘れ去られています。




