一緒に学校行くですよ
予告詐欺すみません。アニー登場ならず。
おはようございますなのです!
今日もとってもいい天気なのですね。
まるで今日という日を祝福しているかのようなのですよ。
ああ、素晴らしきかなこのよき日!
だって今日はアニーと一緒に学校へ行くのです。
アニーはわたしのヒロイン!
初! 同年のお友達! なのです。
いえ、もちろんフィル様が初めての女の子のお友達だってことは忘れてはおりませんよ?
フィル様と初めて親交を交わしたあの日のことは、決して忘れはしないのです。
だがしかし!
フィル様はお友達であって、お姉様なのです!
年も上だし包容力もあるし親切だし優しいし上品だし。
羨ましいほどの悪役顔だけど羨ましすぎるほどの美人だし威圧オーラ出てるけどこわくはないしおやつもくれるししかもそれおいしいし(←ここ大事)。
だけど何か感覚的にお姉様!
なんかお友達位置より保護者的な!
いやいや、それが嫌なわけではありませんよ?
つかむしろ、お姉様ばっちこーい、です。
本当にニールに嫁いできてくれればまじお姉様なのに!
ニールは本当は従兄弟ではあるけど、わたしの中ではすでに兄認定なので。
お姉様ばんざーい!
……いかん、横道逸れたです。
それはともかく、アニーのことなのです。
アニーはわたしの初めての同じ年のお友達。
つまりは対等なのですよ。
しかもおんなじ転生者ときたらもう。
これは運命というしかないのです!
なので運命の相手、アニーを学校に一緒に行くためにお誘いに行くですよ!
「アニー! わたしなのです、あなたのエレナなのですよー。おはよーなのですー。お迎えにきたですよー。一緒に学校行きましょー!」
呼びかけても返答なしですな。
まだおやすみなのでしょうか?
「あらあら! そのお部屋の子猫ちゃんなら、もうとっくに行ったわよ!」
なんですと!?
呼びかけること、数十回。
通りがかった寮母のミッシェルさんにそう声をかけられわたしは愕然としました。
どうりで返答がないわけです。
ああ!
せっかくのヒロインとの記念すべき初! 登! 校!
ご一緒出来なかったのです~!
わたしはその場にがくりと崩れ落ちたのでした。
エレナさんは友達ツレション派。アニーはツレション……は? 派です。




