気がついたら赤ん坊になってました
とうとうはじめてしまいました。転生ものです。しかも悪役令嬢もの。だってみなさんの作品すごく面白いんです。つい自分でも書きたくなってしまうじゃないですか。だけどいつものごとく先のことはなにも考えてません。では、よろしくお願いいたします。
「あう」
気がついたらどこかのベッドの上で寝てた。
なんだこのシーツ、さらさらつるつるしててものすごく肌触りいい。
もっと寝ていたい気はするがまずは今何時か確認するのに起きなくては。
さて、と。
と、起き上がろうとしたら、まったく起き上がれない。
「あ、あう?」
あれ、なんだかおかしい。
「あうあうあー?」
言葉も喋れないぞ???
じたばたと手足っを動かしてなんとか起き上がろうとするものの、駄目だった。
しかも視界の端にひっかかる手がなんだか異様に短くてまるっこい。
どうしたことだいったい。
「あら、おなかがすいたのかしら?」
そう声がして上から覗き込んできた女の人を見て、わたしはぴしりとかたまった。
超・美人!
ふわふわの金色の髪に、淡いブルーダイヤのような瞳。
色素の薄い肌に、桜色に染まった唇。
優しげに微笑む、見たこともないような美貌。
ぜひお嫁に来てください。
と、会った瞬間にプロポーズしてしまいそうなその威力ある容貌。
ぼんやりと見とれていると、その女の人はわたしをすっと抱き上げた。
ん?
抱き上げられてるとな?
その女の人は、ゆっくりとあやすようにわたしを抱き上げ、頬に頬ずりした。
「あら、静かになったわ。いい子ね、寂しかっただけね?」
いえ、起き上がりたかっただけです。
そう言おうととしても声は出ず。
ふっ。
この状況、認めねばならないだ。
そう。
わたしは赤ん坊へと転生していたようなのです……!
その後、いろいろ思うところはありましたが、とりあえず気が抜くとすぐ眠くなるこの身体に、わたしはしばらくの間考えることを放棄した。
眠い。
おなかすいた。
……もよおした。
だって、これの繰り返しで一日がすぐ終わるんだもん。
どうしてこうなったか考えるのは未来へ持ちこし。
め、面倒になったからじゃないんだからね!
……ツンデレ気取ってみたけど、つっこみいれてくれる人いないとむなしいものだね。
ふわあ。
ねむねむだあ。
だって中身はどうあれ身体は赤ん坊だもん。
では今回はこれで。
おやすみなさい……、ぐう。
しばらくは子供(幼子)時代続きます。