合格おめでとう会
一話目です。
高校の入学式を翌日に控えた今日。
義理の父?がお祝いをしてくれるという。
俺たち双子の兄弟は赤ん坊の頃親に捨てられ、孤児院ファイリートルゥーで育った。
たくさんの仲間たちと一緒に過ごしたのでちっとも寂しそうではなかった。
俺の双子の兄は。
孤児院でも一人きりだった俺は高校に入る事をきっかけに一人暮らしをする事になっている。
一人と言ってもその学校の寮に入るだけで、コミュニケーション能力が必要になってくるのだが、俺はそんなの持ち合わせてはいない。
そんな訳で父さんが理事長に話して独り部屋にしてくれた。
何んでも父さんの昔ながらの知り合いらしい。
前日の今日は頭の悪い俺がそれなりの高校に受かった事に対してのおめでとう会だ。兄の奏はずっと前から推薦で某有名高校に進学が決まっていたのでおめでとう会はしていない。
「やっと来たの、煉」
兄貴は時間にうるさいし、すぐに俺に突っかかってくるから嫌いだ。
「時間通りだろ? お前が早すぎるんだよ」
「何? それが兄に向って言う言い方? もう一度小学校に戻って目上の人に対する言葉遣いを学んで来た方がいいんじゃない?」
「まぁまぁ、二人とも落ちつけって」
父さんが俺と兄貴の間に入っていさめてくる。
「お父さんは黙っててください。これは兄として、出来の悪い弟にしつけをしているんです」
「もういいよ、父さん。自信過剰なお兄様は放っておいて俺たちだけでケーキ食っちまおうぜ!」
「そうだな、せっかく買って来たんだし。ぬるくなる前に食べるか」
兄貴はまだ仏頂面だったがおとなしくケーキを食べはじめた。
あれ? なんだか支離滅裂になってしまった。




