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一話 妖大流出!

ある中学校の図書室に二人の少女がいた、辺りは夕焼けに紅く染まっているというのに何をしているのかというと彼女らは図書委員であり、図書室の整理をしていた。


「ねぇ、これどこに置いたらいい?」

と本を手に呼び掛ける少女は火野(ヒノ) 美希(ミキ) この空凪中学校の生徒である。


「んー?ああそれはこっちよ」

応えるのは少し大人びた雰囲気の蒼井(アオイ) (ユウ)


優は美希から本を受け取ると棚へ直した。


「あーあ、何で私がこんなことを」

と愚痴をこぼす美希。


「暇だって言うから手伝わせたんでしょ?文句言わない!」

と優は叱る。


「私は片付けがしたいんじゃなくてさー!」

美希はやってられるかと言わんばかりに机に突っ伏す。


「もー、サボらないの。そうねぇ終わったらアイスでも食べに行きましょ?」


「アイス!」

まるで子どものように反応する美希にクスリと笑いをこぼす。


「あー!今笑ったでしょ!」

と膨れる美希。


「ところでさ…」

美希は落ち着いた様子で言う。


「何?」


「今、私達以外に誰もいないよね?」

するりと優を後ろから抱き締める。


「そうね、放課後だし?」

優は少し頬を紅く染めた。


「ねぇ、学校でシてみない?」

妙に色気のある声で囁く。


「ダメよ、誰か来たらどうするの」


「鍵掛けたもーん」

そう言うと美希は優をゆっくり地面に寝かせる、優は嫌がる素振りを見せるが何処か期待している様で文句を言わない。


「フフ…可愛いよ」


美希はキスをする、舌を優と絡めあう。


「ん…ちゅ…あ…」

離れた舌と舌の間に透明の糸が垂れる

美希は優の制服を脱がしていき、下着姿にした。


「わっエロ〜い、黒い下着だなんて最初からそのつもりだったの?」


「たっ‥たまたまよ!」


「フフ、どうだか。それじゃいただきまーす」

ブラを取ると小ぶりなその胸に舌を這わせる。


「ひゃっ…!」

ピクンと優の体が跳ねる。

ガタン!

つい本棚に肩がぶつかり。

ガツン!

何かが落ちたかと思えばそれは美希の頭に当たった。


「いったーい!何よ!」

それは巻物であった、それは随分とボロボロで湿気っていた。

取り敢えず紐を解いて中身を見てみると絵巻のようであった。


「妖怪百鬼夜行ね、こんなのがあったなんて」

優は制服を着直して言った。


「妖怪百鬼夜行ねぇ何でこんなものがーーーっ!?」

ゾクリ、と美希の背中を嫌なものが通る。


「どうかした?ヤバいやつ?」

美希は火野神社の巫女であり、一応悪いものを感じることが出来るのだ。

優は名の知れた侍の家系だそうな。


「う、うん。なんか気持ち悪いのが…ってええ!?」

二人は目を疑った、絵巻に描かれていた妖怪たちが居ないのである。


「これはまさか…」

これはどういう事か、容易に察せた。


「どうすんの!?あんた巫女でしょ!?」


「知らないわよ!巫女でも本格的なやつはやったことないし!」


美希は携帯を取り出し、ボタンをプッシュした。


「婆やなら何か知ってるかも!」

美希の祖母、幸子に電話をしようとしたときだ。

ヴーヴーと携帯がバイブレーションする、なんと祖母の幸子から電話だ。


「もしもし婆や!?」


『美希!大丈夫かい!?』

幸子は大変慌てた様子だった。


「うん、何ともない…ってええ!?何かあったの分かったの!?」


『巻物の紐を解いたじゃろ!あれは昔ワシが妖怪を封印した巻物なんじゃ!』


「そんな!何でそんなものをここに!」


『取り敢えず帰ってこい!話はそれからじゃ!』

電話は切れる、あまりの短時間で色々なことが起こって呆然としていたが、美希は優に家に行くことを伝え、向かったのだった。





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