表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
139/183

第百二十四話 サバイバル後のお話①

「クノ君……なんか、公式ページがバグってるんだけど。

 嘘だよね? こんなポイント無いよね?」


 カリンが必死な目で見てくる。

 そんな彼女に俺は、


「いや、まじですぜ。ほら」


 取得ポイントのウインドウを開いて見せて、意図的にとどめをさした。


「がはっ! そんな……馬鹿な」

「ふふん。どうだ、驚いたか」

「いや、そりゃ驚くよ!? なにこれ、カンストしてるよ!? 私達五人の合計だって30万ちょいだよ!?」


「どうしたんですかカリンさん」


 やって来るフレイに無言でウインドウを突きつける俺。

 フレイの反応は以下略。


「しかし、これがどのくらいの凄さなのかわからん……」

「えー。分かりやすく言いますと、最上級賞品である『エクスカリバー』の必要ポイントが、5万だったハズです。つまり普通は、どんなに頑張っても5万前後なのですよ。まず一人で10万を超えることはありません」


「俺『エクスカリバー』19本貰えるな」


 英雄剣の有難みが一気に薄れた。ザックザクじゃねぇか。

 まあ別にいらないけど。それよりもエリザに新しい剣を作ってもらいたいな。


「相変わらず頭のおかしい結果ね」


 そっちこそ、相変わらず驚きが薄いことで。

 これは信頼の裏返しとかポジティブに受け取っていいのかな。


「おう。それよりエリザ、剣の追加をお願いしたいんだが」

「……それより、じゃないと思うんだよ、私は……」

「あら、強化じゃなくて追加なのかしら?」

「……エリザも普通に話に乗るんだね……」

「イベント中に、いろいろあって武器の所持数制限が消えた。とりあえず……そうだな。二十本くらい追加で頼めるか?」

「いきなりそんな大量に依頼してこないでくれるかしら……まあ、いいけれど」

「悪いな、有難う。更に言うと、後々もっと増える可能性も考慮してくれると助かる」

「了解よ」


「……もう、私には訳が分からないよ……」


 自分でも何言ってんだという自覚はあったんだが、

 割とあっさり引き受けてくれるエリザさんまじリスペクト。本当に、天使――いやさ女神だね。

 そしてカリンはなんか悟りとか開けそうな顔をしてるので、フレイとともに頑張って欲しい。


「あ、あともう一つ。便利ポーチに登録できるアイテムの数って、増やせないか?」


「……うーん、一応、10枠が今のところの限界なのよ。ただ、イベントの賞品に『異次元の冠』という素材アイテムがあるの。それが一個あれば、あと5枠は増やせるっぽいのよね」

「つまりそれを、交換して来いと」

「多分、『異次元の冠』があればあるだけ、登録できる数が増えるはずだから……クノなら、ポイントに余裕あるわよね?」


 エリザが若干マッドな表情になっている。

 瞳をキラキラさせちゃってもう……可愛いなぁ。


「オッケー。じゃあそれ交換して来るわ」

「あ、あとできれば『エクスカリバー』も10本くらい交換してきてくれると、剣が作りやすいわね!」

「『エクスカリバー』? 何故に」


 まさか作るのが面倒に!?


「ふふふ……。

 勿論、融かして固めて材料に使ってやるのよ! きっと素敵な剣が出来上がるわ……うふふふふ」

「あーなるほど、その手があったか! じゃあそれも取って来るってことで……」



「クノさんとエリザさんはもう、なんの話で盛り上がってるんでしょうね……」

「エリザ……順応性が高すぎるだろう……。速攻で『エクスカリバー』を10本も要求したよ。しかも融かすとかいってるよ」

「さ、流石ですね……?」

「わー、さすがエリザお姉ちゃん。あたし達にできないことを平然とやってのける」



「よし! じゃあそうと決まれば早速賞品の交換といこうかな」

「そうね……自室でゆっくり決めてきていいわよ? 『異次元の冠』と『エクスカリバー』だけじゃ、ポイントを使いきらないでしょうし」

「それもそうだな。じゃあ、また」

「ええ」


 エリザと、固まって何やら話している他のメンバーに手をしゅたっと上げて俺はその場を後にする。

『エクスカリバー』を材料にした剣かぁ……楽しみだな!




 ―――




 自室のベッドに寝っ転がり、俺は『ヘル』モード用の賞品一覧のウインドウを開く。賞品には、難易度共通のものと、難易度ごとに違ったものとがあるのだ。『エクスカリバー』なんかは、難易度ごとにその強さが違う例だな。

 と、その時。


『ポーン』


 というお馴染みの電子音が聞こえた。

 見ると賞品一覧のウインドウの上に新たなウインドウが出現している。


『IWOサバイバルゲームin三叉神樹の森 取得ポイントMVPおめでとうございます! 記念アイテムを贈呈致します!

 ※ポイントカンストという結果を考慮し、想定よりも少し豪華なものをご用意致しました』


 とのことだ。

 ……記念アイテム。

 そういえば一番最初のイベント、ギルド対抗戦でもMVPになって記念アイテム貰ったか。スキル枠が一つ増える指輪な。

 今回はなんだろうか? 豪華な、ということでちょっと期待しながら、『記念アイテムを受け取る』ボタンを押す。



『ポーン』

『『スキル上位変化チケット』を取得しました』



『スキル上位変化チケット』

 自身の取得するアクティブスキル・パッシブスキルを1つ選び、それを上位変化させる

 本来上位変化の無いスキルにも有効

 ただし、一度でも上位変化しているスキルには使用不可



 なんだ、こりゃ。

 スキルを上位変化させるアイテム……?

 また聞いたこともないアイテムだが、流石MVP記念アイテムって所か。説明文にもあるように、上位変化がなさそうスキルに使えばかなり有用そうだな。候補としては……

 ……まぁ何を変化させるかは、とりあえず置いておくことにしようか。今はイベントの賞品交換だ。


「まずは……っと」



『エクスカリバーⅤ』Str+500


 特殊効果:

 取得経験値上昇+5%

 武器Strに、自身の基礎Strの10%を加える

 装備中の防具のVitに、自身の基礎Vitの10%を加える

 固有アーツ『聖光の撃裁』


『聖光の撃裁』

 聖なる輝きを剣に集め、解放することによって周囲の敵を薙ぎ払う



 やはり最上級賞品というだけあって、性能が桁違いだな。

 というか、呪具以外で特殊効果がついてる装備って初めて見た。これを材料にすれば、俺の剣にも特殊効果がつくのかな。これらの効果は、アクティブなものは装備をしていないと効果を発動出来ないが、パッシブ効果については基本的に装備状態になくても有効なのだ。楽しみだなぁ。


 とりあえず速攻でポチって10個交換。

 ちなみにインベントリの中のアイテムは、賞品交換に邪魔だろうから一旦全てギルド倉庫の中に移している。

 ……と、そういえば。イベントから帰ってきた時に、拡張インベントリから自動的に倉庫に送られた、おびただしい数の素材アイテムなんかも後でエリザに報告しなきゃだなぁ。特に木材の量とか半端ないし。『千怨神樹』の素材も、優先的に使ってもらいたいしな。


 これで残りのポイントは499999だ……うん、多い。

 あとは『異次元の冠』っと……どれだろう。例によって賞品数が多いので、お目当ての物を探すのも一苦労だ。『エクスカリバー』は一番上にあったけど。

 ウインドウをスクロールして、賞品を流し見する。


「お」


 と、『異次元の冠』を探していると気になるアイテムを発見。



『インベントリ拡張チケット』


 アイテムインベントリの枠数を+5する

 上限+30



 必要ポイントは35000だ。

 拡張上限まで交換すると、21万かかるな……まぁ、これは後々絶対に必要か。なんたってインベントリの枠が従来の倍になる訳だからな。これから『偽腕』の数ももっと増えていくだろうし、そうなると必要な武器の数も増えてくる。重要だな。

 さくっと交換っと。残りポイントは、289999。『異次元の冠』は余裕で交換できるだろ。


「さて。えーと、どれだ…………


 …………と、これか」


 それからしばらく探して、お目当てのブツを発見。



『異次元の冠』


 空間干渉能力を宿した、王の冠



 必要ポイントは2万。

 一個で+5枠って言ってたよな……俺のインベントリは60枠にまで増える予定だから、それを全部登録するにはあと+50枠しなくちゃいけない。従って必要な『異次元の冠』の数は10個だな。

 20万ポイント消費して、交換交換。残りポイントは、89999だ。やっと10万を割ったか。

 なんか凄くリッチな気分だ。どんだけ賞品交換できるんだよっつう。


 あとは……何がいいかな。

 もう、おそらく有るだろう『スキルリングβ』あたりで良いかな。

 有って困るもんじゃないし、アレ。アクセサリの装備枠を消費しないってのが、地味に鬼畜性能だよなぁ。


 という訳でアクセサリが固まって載っているところを探すと、やはりすぐに見つかった。

 必要ポイントは45000……って高っ!? ギリギリ二個交換できない……いちたりない……!

 うう。とりあえず一個は交換しておこう……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【新連載案内】
『九人目の勇者と駄女神の異世界救世史』(小説ページへ飛びます)
魔力馬鹿のぽんこつ勇者と残念ロリ女神が異世界でゆるく生きます。
こちらの方も覗いてみていただけると嬉しいです。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ