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第一話 未来からの流れ星!?

「翼ー!?いつまで寝てるのー!?夏休みはもう終わってるわよ?」

セミの声が朝から、四重奏、いや五重奏…、そんなものでは抑えきれない合奏を作り出している。

「わーってるって!このまま、学校行っちゃうから!朝飯いらないっ!」

「ちょっと待ちなさい!2学期からは朝ごはん食べるって約束したでしょ!それとも何かしら?私の作るご飯が食べられないとでも…」

階段を駆け下りて玄関に向かおうとする、翼という男子は母親に襟首を捕まれ、そう言われた。

「さ、楽しい朝御飯の始まりだーい☆いえいーい!って味噌汁熱っ!」

「あら、何か言ったかしら?」

満面笑みで答える母さん。

「味噌汁熱いって!いま9月じゃん!」

「え…、なに、じゃあ、あんたは冷たい味噌汁が飲みたいと…そういうことねっ!」

「なんで、あんた切れるんだよ!、ああ、もういいっ!学校行きます!」

俺はそう言って、家を飛び出した。


俺は、普通の高校生。

普通の学校にいて普通に暮らしてる。趣味は料理、というか、母親の影響95%。

ん、俺が料理しないと、空谷家崩壊しちゃうから。お父さんは、今までよく頑張った。

だって、涙目で「母さん…おいしよ」だって言ったらしいから。(母親談)

なんか、うまく「おいしい」って言えてないし。 

まぁ、(若干)家族に問題はありながらも平和に毎日を暮らしてるっていう訳であって。


プツン!

どっかーん!


脳内回路停止。(日本語になってないよね。)

だって、目の前にいきなり鉄の塊。

しかも、周りに人もいないし…。逃げるか?どうする?

でも、エイリアンとかだったら、逃げても瞬間移動!とかされたら意味ねぇぞ…。いや、マジで。

「いったぁーい!なんでこんな揺れるのよ、私の設計にミスなんて…」

脳内回路停止バージョンツー。(再び)

だって、なかから作業着た女の子だよ?

小学生には見えないけど、よくて中学生。もう訳分かんない。ってか、人間なのか?

「あ、に、人間!?」

「いや、あんたが人間なのかよ!」

先手取られたー!しかも日本語かいっ!

「あ!つ、翼?ほ、本当に?わー。面影あるなぁー!可愛いっ!」

「な、なんで名前知ってるんだよ!っていうか、あんたみたいな女の子がなんでこんな意味不明なものを!?

「名前はおいといて、お、女の子?わ、私、そんなに若く見えるかしら…」

そういって、その女性は顔や髪を触りだした。

「っていうか、そのまま女の子だから」

俺は一番近いところから突っ込もうと思い、手鏡をその女の子に渡した。

その女の子はその鏡を見て、いの一番に叫んだ。

「こ、これ誰!?ねぇ、翼、これ誰!?」

「あんたしか、その鏡には写ってねぇよ!」

そして、その女の子は急に真面目な顔になって考え始めた。

「あ、あの大きな揺れ、まさか時空の狭間が揺れて…、え、でもそんなこと理論的に考えられないわ…。でも実際には…」

ぶつぶつと一人で呟き始めてしまった。

「ねぇ、ひとまずこんなところじゃ見つかるから、場所変えようよ?そこで話は聞くから」

「あら、あんたこんな小さくて可愛い子を誘惑するのね!?全く、そんな…」

「さて、学校行こうかな!」

「ごめんなさい、助けてください」

即座にその子が謝った姿が可愛かったので、ひとまず二人で近くの林に行くことにした。



ふむふむ…。何でもその子の話では、未来からやってきた俺の奥さんだって。何だそりゃ。

「私みたいな可愛いこと結婚できて幸せでしょ?」

無視。っつーつうか、中学生って…いくら俺でもそんなロリコンではない。

そのことに関しては、彼女も良く分からないらしい。次元が歪んで、体の年齢が変わったとか…。ちなみに名前は理緒。

「で、理緒…、お前は帰れないのか?未来に」

「うーん、そうね…。結構、厳しいわ。こっちに来る分の燃料しか積んでなかったしね…」

「なんで、そんな状態で来たんだ?」

「なんていうか…、ハプニングなのよねぇ〜」

頬をかきながら、彼女は言った。

「ふぅ、じゃあひとまず、どうする?」

「じゃあ、一足早く、結婚をし」

「学校行こうかな♪」

「冗談です…」

やれやれ…、こっちは、あながち冗談じゃねぇ…。

マジで行き詰ってるもんなぁ。第一、未来の燃料なんて、現代こっちにあるはずがない。

「ねぇ…、ひとまず私…」

「なんだよ?言ってみろよ」

「学校行きたい♪」

「いきなり、それはおかしいだろ!っていうか、帰れなくてもいいのか?」

だんだん、二人のコントみたいになってきた。勘弁してくれ。キャラが違う。

「んー…、私の目的は翼の過去を見ようと思ったからなの。だから、ひとまずはそうしようかなって」

「俺の過去?いやいや、ややこしいぞ。つまり、未来の俺の過去?何でだ?」

「その点に関しては教えることは出来ないわね、歴史を変えることにつながるから」

「む…。それならいい…。っていうか、「俺を見る」って具体的にどうする気だ?」

「そうねー…、そこまで考えてなかったわね。まず、寝泊りはタイムマシンでするわ。ご飯も、タイムマシンで出来るし…」

話がつながらないのは、もう慣れました。

「そういうことじゃなくて…、普段はどうする気なんだよ?」

「あら、一緒に学校に行くに決まってるじゃない」

「おいおーい!お前、明らかに中学生以下じゃないか?俺は高校生だぞ?」

「私も高校に行くわよー、どうせ年齢なんてわかんないしね」

いや、無理でしょ。そんな顔や体躯で。

「大丈夫よ、私にはこの頭があるからね。入学テストで受からない高校なんてないわ」

「だから、そういう問題じゃなくて!体の問題だよ!」

「か、…体ですって…!?」

あ、しまった!これは流れ的にタブーだ。

「わ、私の体がそんなにお気に召さないかしら!?た、確かに、それは事実だけど…、でも私だって…」

独り言を勝手に呟きだしてしまった、もう知らないっと。



こうして、俺と俺の未来の奥さん(中学生ver)という、奇怪な暮らしが始まったのでした。








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