序章
残酷な描写はのちほど出てきます。一応警告表示をさせていただいていますが、そこまで残酷にした覚えはありません。
暗い部屋を照らすのは、唯一つけているテレビの光のみ。最初のうちは目がチカチカして見辛かったが、それも数日の間のこと。今では愛用の眼鏡をかけても平気になった。
ヘッドフォンから聴こえる音楽に乗りながら、部屋に散らばったゲームケースを漁る。そのときゲームの起動音が聞こえた気がした。ヘッドフォンを肩にかけ、テレビに目をやった。
“現世を見捨てる気はあるか?”
テレビの画面には、そんな文字が浮かんでいた。眉間に皺を寄せ、僕はスイッチを切った。
「あれ?」
しかし、ゲーム機は起動したまま消えなかった。何度もスイッチを消してみるが、どうやっても消えない。コントローラの3Dスティックを動かしてみるが、反応しなかった。
「壊れたか?」
最悪な状況を思い浮かべ、顔を歪ませる。ゲームだけが唯一の遊び相手だったのだ。こんな絶好の遊び道具を失ってたまるか、と思いながら、僕は必死になってゲームを弄っていく。
「くそっ」
どうあがいても直りそうもなく、おもいっきり舌打ちした。再び目を画面に向けると、そこには先ほどの文字の下に“YES”と“NO”が追加されていた。念のためもう一度コントローラを動かしてみるが、全く反応しない。恐る恐る“YES”に人差し指を置いてみた。
「うわっ!?」
すると画面が光り出し、あまりの眩しさに目を瞑った。どこかに吸い込まれていく。微かに目を開こうとしたが、一向に衰えない光に目が眩み、何も見えて来なかった。為す術もなく、僕はテレビ画面へと吸い込まれていった。
(耳が痛い……)
そう思い、目を開ける。するとそこは一面に一杯の青色が広がっていた。しかし、何故耳が痛いのだろうか。
漸く戻ってきた体の感覚で、自分が落下していることが分かった。あまりの出来事に悲鳴すら出てこない。頭から逆さまに落ちていることに気付き、無理矢理体を反転させた。風の抵抗力が体を鞭打つように叩いていく。その痛みに顔を顰めるが、先ほどのように目を開けていられなかった。吹き付ける風のせいで、開こうとした目は反射的に瞑ってしまう。両腕で顔を守るようにクロスさせ、何とか目を開けれるようにしてみた。しかし、開けれたのはほんの少しだけ。それでも地上を一瞥出来た。緑に挟まれた青く細長い線。それだけしか分からなかったが、その高さから恐怖を感じないわけがない。僕の体は衝撃に備え、背中を丸めた。
「っ」
ギュッと唇を噛みしめ、目を瞑った。
「がっ!」
激しい痛みが一気に体を駆け巡った。丸めた体はバネのように伸び、打ち付けた箇所は悲鳴を上げている。朦朧とする意識の中で目をうっすらを開けた。
(み、ず……?)
耳が音を捉えない空間。水泡が上っていく。悲鳴が出たときに開かれた口から大量の水が体内に押し入ってくる。息が続かず、大きな水泡を吐き出すと、そのまま暗闇へと落ちていった。
もともと携帯で書いていたものなので、パソコンに書き起こした際、微妙に変な書き方になっているように思えますが、そこはあえてスルーしてください!
まだまだ未熟者ゆえ、背景描写やキャラの特徴をうまく出し切れず、歯がゆいのですが、これから成長していくことを願います。。。
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