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忘れたく無い記憶  作者: 柊海音


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第二章 進み続ける日常

七瀬ふたばは市内の病院で看護師をしている

父(勇人マサト)は会社勤務、母(澪花レイカ)クリーニング屋さんでのパート勤務、弟大学生(楓真フウマ)と高校2年生の妹(楓かえで)そしてローズと暮らしている

住宅ローンがまだまだ残っていると…そして兄弟の学費が大変と言う母親を工面するのに、生活費はきちんとふたばは払っている

でもそろそろ1人で暮らしたい…そう考えて1年になると言うのに達成出来無い事にがっかりしていた…

夜勤をする職業を理解している家族達

帰ら無かった事で気に止める人達では無い

さっきまでの出来事を家族へ話した所で信じてくれる者はいないだろう…

帰宅後、出勤の為仕度をし車を運転しながら、昨日からの出来事を鮮明に思い出す

そして今朝その場所から脱出し、またいつもの日常に戻っている状況があり得ないと感じている…

片道20分の会社へ到着、そしてユニフォームへ着替えて病棟へ入る

ふたば「おはようございます」

早速モニターの音、ナースコールが鳴り止まない

周りで作業している夜勤者に声を掛けながら、バッグを棚に置き戻ると

石多「おはよう、七瀬さん。白根さんがICUに入って酸素と点滴とモニター管理になったよ」

ふたば「えっ??どうして?一昨日は普通に話してたのに…」

同僚「何だか40度の熱が突然出て、インフルエンザなどでは無いんだよ…レントゲン撮ったら肺炎だって…何だか誤嚥したらしいよ」

ふたば「そうなんだ…食べてムセる事は無かったと思うけど…何か色々と思い詰めていたんですかね」

ICUへ向かうと白根ミヨリが眠っている

ふたば「白根さん、白根ミヨリさん手紙渡して来ましたよ、息子さん元気そうでしたよ」

ふたばは駆け寄りミヨリへそう話掛けると目をゆっくりと開かれる

そしてニッコリとされたが、また目を閉じて眠ってしまった

今はゆっくり安静にしてくださいね…ふたばはそう呟き退室した

白根ミヨリの状態は数時間後に段々寛解して来ている様子であった

ふたばはいつも通りの業務を果たすと、不眠が積り帰りはフラフラになりながら家へ帰宅したのだった

1日仕事をする事で昨日の事が段々と薄れて来るような感覚で

夢では無かったのかと思える程であり、それからその日は直ぐ就床するのであった

そして翌日になり、外は大雨

外へ出られ無いローズはリビングのソファで丸くなっている

ふたばは今夜は夜勤だが、昨夜はゆっくり眠ってしまい朝は早起き

インスタントコーヒーを作り、母お手製のりんごジャムをトーストしたパンに載せて皿によそる

ソファに座りテレビを付けた

チャンネルを回すと、天気予報

午後には雨は止むらしい

天気予報が終わり

地域ニュースへ…ふとあるニュースへ食いついてしまう

"次のニュースです 〇〇市の会社員、皆橋ワタルさん28歳の男性が、1週間前から行方不明になっています…12日未明に母親宛に手紙を残して帰って来ないということです 発見された方は〇〇警察署電話番号0×0-0×0×-××00へご連絡ください"…

ふたば(最近やっぱり多いな行方不明者…友希のお兄さんが言ってたな…友希のお兄さんはあの島へどうやって行ったのか?家の前の鉄格子から荒野を抜けて出て行く?近所のおじさんは鍵を開けるのは始めてだって言っていたし…敷地は有刺鉄線で覆われているけど普通に男性なら簡単に抜ける事って出来るのかな?

鉄格子の扉は家以外でもあるのだろうか?次の休みに調べてみようかしら…)

ふたば直ぐ友希へLINEを入れた

すると友希から直ぐ返信が来た

友希(そうだね!良いよ、真守兄はどうやって島に行ったのか気になるし…何とかお兄をこっちへ呼び戻す事出来無いかなぁ?…次の週末休みだからその日にしない?)

ふたば(携帯繋がら無かったしね、行って連れ戻すしか方法無いんかな…日曜日は休みだからオッケー)

LINE後夜勤の為ふたばは休む事にした


夜勤に入り出勤、真っ先に白根ミヨリを心配したふたばは熱は下がり、呼吸も安定していたのを確認するとホッと胸をなで下ろす気持になった

そしてミヨリは普通に話せるようにもなっていた

検温後、ふたばは例の話をする事にした

ふたば「ミヨリさん、島へ行って来ました。そして…そこで多可祢さんに出会ったり、ミヨリさんの息子さんに会いました。息子さん漁師をされてましたよ」

白根ミヨリ「………私には息子は居ないですよ…看護師さんへ手紙?手紙なんて書いた記憶はありませんね‥人違いじゃ無いでしょうか」

ふたば(えっ!?何言ってるんだろう…昨日はニッコリ微笑んでくれたのに…何で?全然表情や口調が険しいんだけど・・ミヨリさんの息子だって多可祢お婆さんも言ってたし、衣装タンスにも写真が貼ってあったのはミヨリさんでは無かった?)

ふたば「先日、ミヨリさんから手紙を受け取り…あぁ中は全く読んでいないです。島で出会った

多可祢さんと言う方に手紙を渡してしまいました。

ミヨリさんの手紙を読んで息子の鏡太郎と話て居ましたが…」

ミヨリ「人…違いじゃ無いですか?」

ふたば「…分かりました。宛先が書いて無いのに見ず知らずの人に渡してしまって申し訳ございませんでした」

気まずい雰囲気になり、お辞儀をしふたばは退室をした

その後は、気まずくさせてしまった事を同僚に話し

直接携わることをしなかった

意識障害でも起きてしまったのでは無いか?

いや、でも何だか誤魔化しているような感じにもみえたのだが…宛先を聞いておくべきだったと後悔した。しかし…何かしらの理由でもあるのかと考えるふたばであった


そしていつも通りの業務を終えると、疲れ果てたふたばは家へ帰るのであった

友希からLINEが入ってるのを気付いたのは午後3時

いつの間にか寝てしまった様だ…

さて、友希のLINE見よ

友希(夜勤お疲れさま、家の両親がさ、真守お兄ちゃんと連絡が取れ無いからアパートに行ったらもちろん居なかったって。捜索願い出そうかって話出てるんだけど…両親に居場所伝えるべきかなぁ…お兄は島の情報を探っているだろうし、両親にあの時の事伝えたとしたら、警察官総出であの時のようにあの場所へ向かうってなったら何だか大変な目に合うんじゃ無いかと思って…どうしたら良いかな?)

と入っていた

ふたば(ごめん、寝てた、うーん…確かに少なからず私と友希は真守お兄さんの居場所は知れてるし、漁師に紛れて探っているのに警察官総出で島へ向かって行くのは危険かもしれないよね、そもそも言った所で警察は動いてくれるのかな?)と返信

暫くすると

友希(警察は動いてくれ無いだろうね。危険を察してでも、もう一度島へは行くべきかもしれないね…お兄ちゃんの事はさ、友人に聞いたら…ボランティア活動に出てるみたいだよって伝えてみるよ。 当日6時に待ち合わせね!有刺鉄線がどこまで続いてて抜けられる場所が無いか探してみようか?そして抜けられる場所があったらそこまで下りて見ようよ)

ふたば(オッケー!じゃあこの間みたく家の駐車場へ来てね)

友希オッケー

島へ行くと時が止まっている気がするけど、ふたば達のいる時間はどんどんと進んでるんだな…と感じられるのであった


その頃友希の兄真守は、友希が無事に戻る事が出来たのか…それとも心無い島人に取り押さえられているのでは無いか…最悪な事態に巻き込まれてるのでは無いかと…

気が気でならない気持になりながら港での作業を終え帰宅する所でいた

今日も何も情報は無い…探って聞いたら怪しまれる

特別島人も必要以上には話はしないようである

社会の情報手段を持た無いからこそ話題は特に無いらしい…

その中でも島への侵入者に関しての情報と来たら、敏感に感じているらしいが、若い女性を見たという情報、あらゆる噂話などここ数日間は聞いて無い 

それには気持が救われる思いだった

真守は3日に一度漁へ出て休みは建築を手伝う

特別島人へ不信感を抱かれる事も無く、島人からも真面目に働いてくれる若者だと感謝されていた

そして何より記憶を消す水を飲んでいる事実がある詮索される様子は見られ無い


真守が島へ来たのは奇跡だった 

真守はバイクを運転しながら、気晴らしに山道を登っていると、二手のトンネルに出会った

手前のトンネルは新しいトンネルで、右側の封鎖されたトンネルは侵入禁止の看板もゲートがしてあるが、通行では通れる程開いている

突然興味を惹かれる気持になり…バイクを茂みに隠しその先を進んで行く事にした

その時は30分歩いた程で、先が見え無いし引き返そうと思ったのだが…後ろを振り向けば真っ暗な闇の世界、でも前を歩けば僅かな海の匂いを感じて来た為、また先を進んで行く事にした

すると霧が立ち込み初めもやもやと蜃気楼のように先が見え隠れする…

その先の道は段々と小さくなっていき、前かがみしないと歩け無い状態になって行った‥

そして眩い光を見つめながら着いた先は、大きな用水路だった 

そして階段を上がると港で海沿いには船が数隻動いていた

山道から海へと辿り着いた優越感に浸り、港周辺を散策していると、生憎心無い島人に捕らえられ水を飲まされた!

そして今この場所で過ごしている


失踪者がどこに向かっているのかを気になり始めたのは、インターネットの僅かな情報‥

"無一文でも大丈夫、ハッピーLIFE"と書かれた記事を読んだからだ

また、きっかけは同僚の"失踪"にもあった

飲み仲間でありながらたまに休みの日はツーリングへ出かけていた 

会社でミスを冒した事にたいして気持が沈む日々が続くようになり、連絡しても電源を切っている状態だったのだ 

同僚の住むアパートへ行くも呼んでも出ない状況だったので、大家さんに確認すると先週退居していますと…

どうしたら良いものかと悩んでいた所、記事を読み

もしかするとそこに向かっているのでは…?と考えるようになった

記事には場所は書かれて居なかったのだが、キーワードは人の寄り付かない場所だった…

そして真守は島へ辿り着き、住み始めてからこの場所が記事に書かれていた場所では無いのかと考えるようになっていた 

そして同僚を探すもそれらしき人物の発見までには至らない状況であった

真守は良くしてくれる漁師の家の長屋へ住まわせて貰っている

家賃を払わなくて良いと言うのが不思議だ 

そして食事も提供してくれる

その代わり漁へ出たり農業を手伝わ無いといけない

お金を持た無い島にトイレがあり風呂があり水も出る

この件に関してもこの島の掟で余計な事は詮索し無くて良いらしい…そういった気持が住む事によって無くなってしまうのであろうか…

そして着る物に関しても漁師から支給されているのだ

ここにはお金は要らないが人の欲望が無いように見えた 

自分の意思が吸い取られるような気持で無にさせられている感覚がする…

決まって食事は漁師汁とおにぎりと漬け物や刺身が出ているステーキやスパゲッティが食べたいと思った瞬間もあったが、数日住んでいるとその欲求さえも無くなって来ているのであった

真守は友希に会いたい気持が無くなる事を恐れていたそして、今夜には…ここを出ようと思う気持が強くなり始めて来た


夕方から夜に変わり真守は、あの時出た用水路まで忍び足で向かう事にする

島人や野犬は居なかったので簡単に向かう事が出来た用水路を膝を曲げながら前かがみで進んで行く‥

そして段々前かがみにならなくても普通に歩けるようになり…

30分程歩いた所で蜃気楼も見えずトンネルなので闇の中、暗い道を手探りで真っ直ぐ歩いて行く…

すると大きな物に突っかかり転んでしまった

真守「イタッ」

手探りでその物を触ると布地が触れた 更に横に手を動かすと髪の毛を触っているような感触…そして肌の感触…

真守(これは!!明らかに人で間違え無い!体は冷えてない、脈は触れる、うつぶせで倒れている様だ)

真守「大丈夫ですか!!大丈夫ですか!!」

ひたすら声をかける真守

謎の人「あぁ……」

辛うじて声が出た様子もだいぶ衰弱している様子で熱もある 呼吸も荒い‥

真守は戻る前に、謎の人物を助ける事にする事を決めた

後数時間歩けば山道に戻れるだろう…しかし山道へ出た後どうすれば良い?フラフラしてる人物をバイクに乗せて行く事なんて出来無い

山道から歩いて商店街に行くには更に時間はかかる

スマホも電池は切れて全く使え無い

応援を呼べ無い…即ち戻るしか無いと考えた

謎の人物を背負って元来た道を戻って行く…何も見え無いけど 助ける事に必死でどんどん戻り始めた

そして性別も判らない謎の人物を漸く用水路出口まで連れて来る事が出来た

星空の下その人物の顔をみると


そこには…見覚えのある顔だった

なんと失踪した同僚皆橋ワタルだったのだ

真守「ワッチ、ワッチしっかりしろ!」

同僚「……マ、モン?マモン!!」

ワタルは衰弱しており、声を出すも意識は朦朧としているみたいだ

何故あの空間で倒れていたのか…

真守はワタルを背負い元来た暗い道を戻り、長屋へと戻って行ったのだった














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