表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/292

第8話 ゴン太の力

 クソ医者から聞いた話によると、偶々近くに居た上位の冒険者に助けられて、俺は事なきを得たようだ。

 そして凜々花さんは、一連の流れがギルド長に伝わって、冒険者免許の停止が言い渡されたらしい。


「なるほど……それで、今回はどのくらい眠っていたんですか?」


「今回は一か月ほどですね」


「なるほど……一か月ッ!?」


 一か月もの間眠っていたのか!?

 流石に嘘だろ。一か月なんて長期間眠っていたとなれば、身体に不調の一つや二つ出てきてもおかしくないのに、俺の身体は不調が出るどころか、逆に絶好調まである。


「悟さんが思っているように、貴方の身体は急速に変化しています」


「変化ですか……」


 変化とまでは思っていなかったんだが……そうか、変化かぁ……。どんな変化が起きているんだろう。


「まず初めに一切の不調が起きることなく、一か月の間眠り続けることができたのは、狐の従魔のお陰です」


「ゴン太ですか?」


 クソ医者が指さした先。そこには一か月前と同じように、丸椅子の上で眠っているゴン太の姿がある。


「悟さんの状態について、【回復術】を専門としている冒険者の方と話したのですが、貴方の身に起こった奇跡にも等しい回復は狐のスキルによる効果との見解で一致しました」


「なるほど、私はゴン太に助けられたという認識で大丈夫ですか?」


「詳しくは分かりませんが、その冒険者の方が言うには、狐が己の魔力を悟さんの身体に注ぎ込むことによって、自己治癒能力を底上げさせているとのことでした」


「ゴン太の魔力が俺の中に……」


 俺が漏らしたのは、全く変な意味を持たない言葉だ。漏らしたってのも勘違いされるかもしれないが、感じたことを口から漏らしただけだ……って感じたってのもダメか。


 そんな現実逃避に近く、小学生みたいな言い訳をしつつ、自分を納得させた。

 だってそうだろ? 俺の中へと注ぎ込まれていたのは、ゴン太のとはいえ魔物の魔力。

 人の身体ってのは異物に対してアレルギーなどの防衛反応を起こすはずだ……まあ今この時まで一度もアレルギー反応が出たことはないから、なんの影響もない可能性もあるが、でも魔物の魔力ってのがなぁ……。


「悟さんの心配は分かりますよ」


「どうなんでしょう?」


「ゴン太君の魔力は回復しているよ」


 もし立っていたら大げさにコケていた。それほどまでに頓珍漢な回答が返って来て、俺の頭は混乱で宇宙に至っていたよ。


「いや、そうじゃなくてですね」


「冗談ですよ」


「で、ですよね」


 ころ――す。危ない危ない、あまりにクソ医者がウザすぎて、暴言が出るところだった。

 流石のクソ医者でも、心配する点は分かるよな……よな?


「心配ですよね」


「はい!」


 よかった。

 流石に分かってくれたか。


「凜々花さんでしたら無事ですよ」


「違う!!」


 やっぱりクソ医者だったわ。

 お前のことを呼びに行ったのは誰だと思ってんだ! その無事だと宣言した凜々花さんだろ!!

 そして凜々花さんはそこに座っているじゃないか! お前の目は節穴なのかと問いかけたい!!


「ご、ごめんなさい」


「ちが――くはないんだが、違うんだ!」


 俺が怒鳴ったせいで、凜々花さんがビビってしまった。

 何処か雰囲気が変わったような気もするが、きっと父親にこっ酷く叱られたのだろうと納得しつつ、この状況を打破するために必要な言葉を考える。

 無理だ。クソ医者のせいで沸騰してる頭だと、暴言しか出て来ねぇ。


「痴話喧嘩は止めて貰えませんか?」


 本当にイカレてんのな。

 もういいや。否定するのも、ツッコミするのも疲れた。


「ここからは入院費の話をさせてもらいますが」


「入院費ですか……」


 はっ? という言葉が出そうになったが、病院からすれば当然の請求だ。だが俺は被害者で、間接的に加害者である凜々花さんに払ってもらえたりしないのか?

 そんなことを思いつつ、明細書を受けと――終わった。

 そこに書かれていた値段は、俺の貯金を優に超える金額だった。


「払えますか?」


「……払えないです。でも被害者ですよ?」


 勇気を出して言ったぞ。

 ここで返ってくる言葉次第で、人生の行く末が決まると言っても過言ではない。


「関係ないですよ? だって加害者の凜々花さんは罰金や免許停止で所持金がゼロに近いですから」


 終わった。


「でも安心してください。ギルドの方で立て替えておくと言っていましたので、しっかり冒険者として働いてください」


 もしやと思い、凜々花さんの方を見る。俺が首を振った瞬間、彼女はあからさまな態度で目を逸らした。

 嵌められた……そんな絶望を感じていると、扉が開く音がする。


「そういうことだ。しっかり冒険者として働いて、入院代を払ってくれよ」


「この人が悟を助けた冒険者の方ですよ」


 入って来たのはギルド長だった。



イカレた人にはイカレた人が集まります。

そして次回からは、本格的に悟が冒険者として活動していきます。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
せめて少しはマトモな人物も出してくれませんかねぇ…… 変化に乏しくてクソつまらないんだが。辟易する
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ