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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第38話 猫

 ここは山奥。

 ただの山奥ではなく、ダンジョンと化した特別な場所。

 

 とまあ、変な風に語ってしまったが、ゴン太やたぬ吉と出会ったダンジョンだ。


「へぇ、キャンプ飯ってこんな感じに作るんですね」


「ああ、キャンプ飯は簡単で美味いのがいいからな」


 以前までと違う点を挙げるとすれば、凛々花がいることだろう。

 今までは俺一人……まだこれが三回目だから、今までと言うほど多くはないんだが……まあ、連れてくる程の仲の良さではなかった。


 だが【岡崎城ダンジョン】での【ダンジョン嫌悪派】による襲撃を経て、彼女との仲が深まった……と思う。

 だから凛々花とキャンプをしに来た。


「ただ、先に焚き火を作るのが先だ」


「確かに!」


 キャンプ飯の動画を見せたら、ある程度の関心はありそうだったし、興味がないってわけではないはずだ。


 ここに来るまでの道中も、何か楽しそうにしていたし、きっと詰まらなくさせることはないだろう。多分な。


「……なんか心が安らぎますね」


「……そうだな。焚き火は荒んだ心を癒してくれる」


 俺たちは隣合って焚き火を眺める。

 薪をジリジリと燃やしながら、揺れ動く炎は見ているだけで心が軽くなる。

 ゴン太とたぬ吉も同じように、静かに炎を見つめている。


「……」


「……」


「……」


「……」


 この沈黙が気まずくなることはない。

 今の俺たちの目的は、会話を紡ぐことではなく、ただ焚き火を眺めること。


 沈黙は続く。焚き火によって薪が尽きるまでは……とここに居る四人は思っていたはずだ。


「ナーン」


「――」


 森が揺れる。

 茂みに隠れた何かが発した鳴き声、それは俺たちに警戒を齎す。ここはダンジョン、つまり魔物の声である可能性が高い。


 しかしゴン太やたぬ吉の前例があるため、こちらから攻撃を仕掛けることはしない。


「……凛々花、下がっておけ」


「は、はい」


 凛々花は鳴き声のした方向から一歩離れる。その横にはゴン太とたぬ吉が立ち、正面には俺が立つ。

 茂みから聞こえてきた鳴き声は、猫に似たものだったが、可愛らしい鳴き声で誘き寄せる魔物だという可能性も否定できない。


「ナーン」


 茂みが揺れる。

 そして姿を見せたのは……猫だ。いや、ただの猫ではない。尻尾が二つ生えた……そう、妖怪の猫又のような猫だ。


「ナーン」


「……お腹空いたのか?」


「ニャン!」


 ゴン太たちと同じか。

 それにしても、他の冒険者が来た時はゴブリンだけしか湧かないらしいのに、俺が来た時だけピンポイントで動物系の魔物が湧くんだろうな。


「まだ出来てないから、待っておいてくれ」


「ニャン!」


 おかしいよなぁ。

 この猫のことをテイムした覚えはないのに、初めから従順に言うことを聞いてくれている。


「よし、凛々花。キャンプ飯を作っていくぞ」


「えっ、えっ、えっ?」


 緩い感じの魔物を前に、凛々花はアワアワしているが、気にせず料理を始めていく。

 今回持ってきたのも肉。安くも高くもない、ちょうどいい肉だ。


 だが程よい焼き加減とタレさえ美味ければ、高級焼肉屋と差は生まれない……というのが俺の持論だ。


「……いい感じに焼けたな」


 慣れたものだ。

 肉を見ただけで、大体必要な焼き加減が分かるようになってきた。

 ピンポイントな状況でしか役に立たないが、キャンプを趣味にしている俺からすれば、とてもありがたい技能だ。


「ほら、食べていいぞ」


 タレに潜らせた肉を皿にのせて、猫の前に差し出す。警戒しているのか、鼻を鳴らして匂いを嗅いでいた。しかし空腹感には勝てなかったようで、直ぐに齧り付いた。

 刹那、肉をガツガツと食べ始めた。


「よし、俺たちも食べよう」


「……」


 凛々花は目の前の状況を処理できていないようで、返事が返ってくることはなかったが、握られた箸は肉へと伸びている。


「「ご馳走様でした」」


 買ってきた肉を全て使い切ることができた。

 そして焚き火も落ち着き、俺たちは睡眠の準備を始めている。


「えっ? テイムしてないですよね」


「してないぞ」


「ナーン」


「なのに寝るんですか!?」


「攻撃してこないよな?」


「ナーン」


 猫は撫でる手に頭を擦り付けて来る。

 それに攻撃してこないって言ってるしな。


「???」


「ほら、寝るぞ」


 混乱している凛々花は無視して、寝袋に入る。ゴン太もたぬ吉は凛々花と寝るようで、俺の方に入ってきたのは猫だけだ。


「じゃあ、おやすみ」


「ナーン」


「……?」


 変わらず凛々花は分かっていないようだが、寝袋の準備は始めているから、そのうち寝るだろう。

 そんなことを考えている間に、俺の意識は闇へと投げら――。



 やっぱり熟睡だ。

 そして猫は昨夜と変わらず、俺の胸の中で眠っている。無理矢理起こすのは可哀そうなので、猫が起きるまで横になった待った。


「お前も俺らと来るか?」


「ナーン」


「よし、今日からお前はタマだ」


「ニャン!!」


『魔物との繋がりを観測しました』


「急にテイム!?」


 凜々花も起きていたようで、何になのかは分からないが、驚いていた。まあ大丈夫だろう。


「帰るぞ、凜々花」


「???」


 増える食費のために、【()()()()()()()()()】をクリアできるようにしないとな。



新たな仲間、猫のタマです!!

変わらずネーミングセンスはないです。


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