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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第30話 【岡崎城ダンジョン・一階層】

 無事、岡崎に到着したんだが……


「なあ凜々花?」


「どうかしましたか?」


 「どうかしましたか」と返してくるか。

 この状況を見て、そんな言葉を返してくるってことは、確信犯なのか。


「いや、どうして同室なんだよ!!」


 泊まりがけということで、ホテルに泊まるってことは事前に聞いていたんだが、これはダメだろう。

 いくら同じパーティーの仲間とはいえ、付きあっているわけでもない異性の相手と一対一での同室はダメだ。


「私たちは金欠なので、同室にした方が安いと思って……」


 ……凜々花の言うことも一理ある。

 俺たちは万年金欠だ。そして【岡崎城ダンジョン】で稼げる保証なんてどこにもない。仕方ないのか。


「……同室で行こう」


「はい!」


 俺たちはホテルに荷物を置き、色々準備を終えてからダンジョンへと向かった。このホテルは冒険者向けに作られたホテルのようで、【岡崎城ダンジョン】まで徒歩で行ける距離にある。

 

「一旦、一階層で肩慣らしをやってみて、行けそうな感じだったら二階層、三階層って進んで行こう」


「はい!」


 そんな風にダンジョンに向けての作戦会議を行いながら道中を過ごし、【岡崎城ダンジョン】へと辿り着いた。


「ここが【岡崎城ダンジョン】か……」


「はい……」


 外装はそのまま岡崎城だ。

 しかし事前に調べた情報によると、中には森林が広がっているらしい。そして生息している魔物は侍の名を冠するスケルトン、“侍スケルトン”だ。


「じゃあ入るぞ」


「はい」


「コン!」


「ポン!」


 俺たちは地球とダンジョン内を隔てる門を潜る。

 門が放つ輝きに、反射的に目を瞑ってしまった。そして再び目を開けると、眼前に広がるのは城の規模からは想像できない広さの森林だ。


「進むぞ」


「はい!」


「コン!」


「ポン!」


 森林特有の死角に気を付けつつ、前へと進んで行く。

 洞窟型と違い地図を作ることが難しいため、遭難しないことを最優先にしている。


「……近くに居ます」


「分かった。ゴン太、たぬ吉、警戒していくぞ」


「コン!」


「ポン!」


 俺たちは周囲を見渡し、接近しているであろう魔物を警戒する。

 

 そしてお目当ての魔物が姿を見せた。

 筋肉がないにも拘わらず、動いている成人男性程度の骨、右手に持った日本刀……このダンジョンに生息している“侍スケルトン”だ。


「来るぞ!」


「コン!」


「ポン!」


 侍スケルトンが走って来た。

 筋肉のない身体からは想像できない速度を維持したまま、刀を振り上げている。しかしそこまで脅威的には感じない。


「ゴン太、“狐火”だ」


「コーン!」


 赤き焔が浮かぶ。

 “狐火”はまっすぐ進み、侍スケルトンの身体に着弾した。


「一撃では倒せないのか。たぬ吉、“湧沸”だ」


「ポン!」


 熱湯が侍スケルトンへと迫る。

 しかし骨だけということで、スカスカの身体に狙いを定めるのは難しいらしく、骨と骨の間を通り抜けてしまった。


「遠距離は難しいのか……俺が行くから、援護を頼む!」


「コン!」


「ポン!」


 走って向かってくる侍スケルトンへと、俺も走って迎え撃つ。 

 しかし俺にはゴン太とたぬ吉の援護があり、一方的に攻めることができた。剣と刀の競り合いは、当然重量も筋肉量もある俺の方が優勢に立てていた。


「このまま押し切る!」


「――二体目が来ます!!」


 もう来るのか。

 しかし二体目が来るよりも早く、仕留められる!


 俺は剣に力を籠め、刀ごと侍スケルトンの頭部を叩き砕いた。

 頭部が砕け散ると共に、侍スケルトンの身体は魔石へと変わる。そのことを見届けてから、周囲への警戒を再開した。


「ゴブリンよりも大きいな……ってそんな場合じゃないよな」


 拾った侍スケルトンが落とした魔石の感想を口にしつつ、周囲への警戒は怠らない。


「ポン!」


 背中側に居るたぬ吉の声が聞こえて来た。

 刹那、振り向いた俺の瞳に侍スケルトンの姿が映る。


「ゴン太!」


「コーン!!」


 言わずとも理解したゴン太が“狐火”を浮かべる。

 その火の玉は先刻の物よりも大きく、侍スケルトンの耐久力を調べるかのように、極端に大きくしているわけでもない。


 走る侍スケルトンに着弾した“狐火”は、右腕を焼き尽くした。残った左腕で落とした刀を拾おうとしているが、バランスが悪いのか中々取れていない。


「たぬ吉、頭を狙え!」


「ポン!」


 蛇のような熱湯が侍スケルトンの頭部へと一直線に進む。

 迫る熱湯に対して目を見開く……ような雰囲気を醸し出した侍スケルトンだったが、焦ったことでバランスを崩して倒れてしまい、無防備な頭部を熱湯が貫いた。


「ふぅ、ゴン太もたぬ吉も、もちろん凜々花もありがとな」


「はい!」


「コン!」


「ポン!」


 取り敢えず二回侍スケルトンと戦ってみて思ったのは、【ジャスケダンジョン】に比べるとだいぶ難易度が低くなっているってことだな。


「難易度的には良い感じに行けそうだから、一階層を見て回るか」


「はい!」


「コン!」


「ポン!」


 魔石を集めて、遠征代程度は集めないとな。



できるだけ早く自転車操業を抜け出さなければ!


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