表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/53

第29話 風呂での会話

 イカレ医者の祈りを背中に、俺たちは病院を後にした。

 手に入れた魔石を売却するため、ギルドへと向かう。そしてその道中で、【岡崎城ダンジョン】についての話し合いを再開した。


「確かに【岡崎城ダンジョン】は難易度的には丁度いいんだが、距離的に泊りがけで行くことになると思うぞ?」


「――私は別に構わないです」


 運転しているから、凜々花がどんな表情をしているのか分からないが、声色的に嫌々って感じではなさそうだ。

 しかし泊りがけとなると、ゴン太とたぬ吉と一緒に止まれる宿を探さないといけないし、遠征の準備だってしないといけない……だいぶ時間が掛かりそうだ。


「凜々花が良いなら、【岡崎城ダンジョン】に行くか。でも準備とか宿探しとかで時間が掛かるだろうから、だいぶ先になっちまうな」


「私に任せて貰えませんか!」


「お、おう。頼むよ」


 俺よりも凜々花の方が情報を持っているだろうし、ここは凜々花に任せるのが最適解だな。


 しかし、凜々花がそこまで乗り気だとは思っても居なかった。初めて出会った時は、少し頑固なカッコいい先輩冒険者って印象だったが、一緒に冒険をする中で戦闘スキルを持たず、戦闘を怖がる弱々しい人って印象に変わり、今では自分からダンジョンを求めるようになった……人ってのは、ここまで変わるものなのか……。


「じゃあ、【岡崎城ダンジョン】の日程が決まるまでは、【アニメックスダンジョン】の一階層で、軽く身体を動かしつつ、お金を稼ぐか」


「はい、分かりました」


「コン!」


「ポン!」


 そんな風にこれからの予定が決まってから数分後、俺たちはギルドに到着した。相変わらずギルドに居るのは、線の細いマッチョが多く、とても静かな場所だ。


「買取を頼む」


「畏まりました。ではこちらに売却される物を入れてください」


 籠の中に魔石を入れる。

 今回の探索で手に入れた魔石は、大体30個程度。その中にはゴブリンキングの物もあるが、【アニメックスダンジョン】のような三階層ダンジョン程度であれば、そこまでの値段にはならない。


「査定を行いますので、座ってお待ちください」


 促された通り、査定が終わるのを椅子に座って待つ。

 その間、俺たちの間には会話が生まれなかったが、特に気まずい思いは抱かなかった。まあ向こうがどう思っているかなんて分からないけどな。


 そして数分が経ち、俺たちの受付番号が呼ばれた。


「お待たせしました。こちらゴブリンの魔石が28個で7980円、ゴブリンキングの魔石が3000円、合計しまして10,980円です」


「ありがとうございます」


 見ての通り、安い。

 これを二人で折半すると、5000円程度にしかならない。しかもウチにはゴン太とたぬ吉が居るから、その大半が食費で飛んでしまう。病院代だってバカにならないし、税金だって優遇されているとはいえ高い。


 ここに遠征代も重なると……まあ未来への投資だと考えるしかないよな。それに冒険者の稼ぎは青天井だ。いつかは億万長者になれる……ってことを夢見ながら進むしかないんだ。


「よし、帰るか」


「帰りましょう」


 凜々花を家まで送り、安アパートに帰って来た。

 ちなみにここの大家さんとは長い付き合いなので、特別にゴン太たちのことを許可してもらっている。


「ふぅ……風呂に入るか」


「コン!」


「ポン!」


 ゴン太もたぬ吉もきれい好きだ。

 だから風呂に入る時には、必ず一緒に入っている。


「あああ」


「くーん!」


「きゅーん」



 身体を一通り洗ってから、湯船の中に入ると、おっさんみたいな声が出た。

 いや、俺はおっさんだから、出る声全ておっさんみたいな声なんだろうが……考えていて悲しくなるな。


「気持ちいいか?」


「くーん」


「きゅーん」


 ゴン太とたぬ吉を交互に撫でていく。

 二人の蕩けるような表情は、俺の心を癒してくれる。


「――」


 脱衣所にある携帯が鳴った。

 会社を辞めた今、俺に電話をかけて来るのは凜々花しかいない。


 慌てて脱衣所からスマホを持ってきて、湯船に浸かりながら電話に出た。


「もしもし」


『あっもしもし。悟さんですか』


「そうだが、どうした?」


『予定が決まったので、お伝えしようかと』


「おっ、早いな。いつ頃にしたんだ?」


『一週間後です』


「ん?」

 

 おっさんになって耳も遠くなったのか。


『聞こえませんでしたか? 一週間後です』


「一か月後?」


 幻聴か? 一週間後にしか聞こえないぞ。


『ですから一週間後です!』


「今さっき【岡崎ダンジョン】に行こうって予定を立てたのに、行動が速すぎるだろ!!」


 旅行は予約だの、計画だので、もっと時間が掛かるものだろう。

 俺たちは遠征であって旅行ではないが、そこの過程に関してはそこまで違わないはずだ。これがギルド長のコネってやつなのか……。


「まあ決まったならいいや。じゃあ想定よりも近かったから、それまでのダンジョン探索は休むか」


「い、いえ! ダンジョンには行きましょう!!」


「凜々花が行きたいのであれば、俺も反対はしないが……」


 なんか変わったな。



 そして一週間の時が経ち、【岡崎城ダンジョン】へと向かう日を迎えた。


「では行きましょうか!」


「ああ、そうだな」


 俺たちは新幹線に乗り込んだ。



今章のメインが始まります。


ブックマークと★★★★★をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ