表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/60

第25話 少しずつの成長

「よし、二階層に向かうぞ!」


「えっ!?」


 凜々花は荒くなった呼吸も忘れて、驚いているようだが、当然だろ。たった一戦ずつで現状の力がどの程度なのか分かるはずない。それにゴブリンなんて、今の俺たちからしたら余裕の相手なんだ。もう少し拮抗した相手と戦わないと、過大評価、過小評価、どちらもあり得てしまうからな。


「じゃあ行くぞ」


「コン!」


「ポン!」


「……はい」


 ゴン太とたぬ吉は乗り気だ。

 俺自身も乗り気だから、もし多数決で決めたとしても二階層に向かうことは決定されていたから、凜々花の気持ちは無視して大丈夫だろう。


 特に魔物と接敵することなく二階層に来ることができた。

 もしゴブリンと接敵していても、軽く倒すことはできただろうが、無駄に体力を消費させられただろうから、運が良かったな。


「よし、ゴン太の攻撃が通用することは分かっているから、たぬ吉の“湧沸”が通用するか確かめるぞ」


「ポン!」


 【ジャスケダンジョン・一階層】のウルフには通用したが、あの魔物は防御力が高いというよりも、俊敏性の高さが売りみたいなところがあったから、少し強いゴブリンで試すのが最適だ。


「……来ます」


 曲がり角の先から短剣を持ったゴブリンが姿を見せた。

 ゴブリンもこちらに気付いたようで、小さな脚をバタバタさせながら、走って来る。


「たぬ吉、“湧沸”だ」


「ポン!」


 たぬ吉の急須でわいた水が、注ぎ口から勝手に出て来た。

 沸騰したお湯は、矢のような速さで、蛇のようにうねりながらゴブリンへと向かっていく。ゴブリンは短剣を構えて防御しようとしていた。


「“湧沸”は短剣に勝てるのか?」


 心配はありつつ、できることはないから、ただ見守る。

 そして湧沸が短剣に着弾する時を迎えた。


「まあ、そうなるわな」


「そうですね」


 “湧沸”はうねる。

 当然、ただ突き出されている短剣に当たって砕けるわけもなく、軌道を変えてゴブリンの側面から、首を突き抜けた。


「一階層のゴブリンよりも、若干固くなっている二階層のゴブリンも一撃か……うちの子たちは強いな」


 たぬ吉の頭を撫でる。

 嬉しそうに頭を掌に擦りつけて来た。そんな様子を、ゴン太が羨ましそうに見てきたから、反対の手で撫でる。

 凜々花も羨ましそうな目でこちらを見ていた。


「凜々花も撫でたいのか?」


「あっ、はっ、はははい」


「なに動揺してるんだ。ほら、凜々花にも撫でて貰え」


 ゴン太たちが凜々花の下へと駆け寄る。

 凜々花はしゃがみ込み、恐る恐る頭を撫で始めた。なんか、ゴン太たちが先刻よりも気持ちよさそうにしている気がするが、きっと俺の勘違いのはずだ。


「――来ます!」


「二体か。片方は俺と凜々花でやるから、もう一体はゴン太たちに頼めるか?」


「コン!」


「ポン!」


「私ですか!?」


 三者三様の反応だが、構っている程の余裕はない。

 俺が剣を構えると、凜々花も渋々剣を構えた。ゴン太たちは特に構えることなく、ゴブリンが近付いて来るのを待っている。

 羨ましいほどに余裕だな。


「じゃあ行くぞ!」


「は、はい!」


 俺と凜々花は駆け出した。

 二体のゴブリンもバタバタと走ってくる。このままでは二体と剣を合わせることになってしまうが、ゴン太たちのことを信用しているため、俺たちは走るのを止めない。


「コーン!」


 後ろから聞こえて来たゴン太の鳴き声。

 刹那、一体のゴブリンが吹き飛ばされた。ゴン太が狐火を使ったんだろう。


「凜々花、俺が先にぶつかる!」


「はい!」


 俺は一歩分前に出て、ゴブリンへと剣を振り下ろした。

 ゴブリンも短剣を突き出してきたため、俺の剣とゴブリンの短剣が、火花を散らしながら競り合っている。


「凜々花!!」


「はい!」


 凜々花の剣がゴブリンの首筋を捉えた。

 俺が叫ぶと同時に、ゴブリンの視線は剣を振り下ろさんとしている凜々花に移っていた。しかし剣を押し続けている俺から離れることはできず、凜々花の刃はゴブリンの首を刎ねることができた。


「ふぅ、簡単に倒せたな」


「やっぱり悟さんの動きが良くなっていますよ」


「成長期ならまだしも、おっさんにもなってこの成長スピード、やっぱりレベルって概念があるのか?」


 以前から思っていたが、社畜時代に比べると、格段に身体が軽くなっている。体力だって全盛期だったはずの学生時代よりもある気がする。ただ、ギルドでスキルを調べた時にレベルって表記はなかったから、内部レート的な物があるんだろう。


「これからどうする?」


「どうするとは?」


「【ジャスケダンジョン】の探索に向けて、今日のところは終わりにするか、もしくはこのままダンジョンボスの討伐を行うか」


「えっ、帰りましょうよ」


「コン!」


「ポン!」


 凜々花は前者、ゴン太とたぬ吉は後者と……まあ決まったな。


「よし、ダンジョンボスの攻略に行くぞ」


「コン!」


「ポン!」


「やっぱりだっ!」


 ゴン太とたぬ吉の喜びの鳴き声と、凜々花の悲鳴がダンジョンに響き渡った。



凜々花も少しずつ成長しています。


ブックマークと★★★★★をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ