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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第22話 上位の冒険者

 食事を終えた俺たちは、凜々花宅に戻って来ていた。


「じゃあ先にAランク冒険者の戦いぶりを見ようか」


「はい、分かりました」


 家の主である凜々花が、テレビでDtubeを再生させる。

 俺と凜々花はソファに隣り合って座って、未だに睡眠中のゴン太とたぬ吉は、可哀そうだが床に寝かせてある。


「Aランク冒険者の加賀(かが)延司(えんじ)さんが、北海道最北端にある【稚内ダンジョン】に挑んだ際の動画です」


「一人で挑んでいるのか」


「この人のスキルは広範囲、高威力で有名で、仲間がいるよ足手まといになってしまうらしいです」


「なるほどな」


 その加賀って男がダンジョンに突入した。

 気になって【稚内ダンジョン】について調べてみたが、計五十階層の超巨大ダンジョン。しかもその全ての階層が、氷の大地になっている鬼畜設定だ。


 今の俺らでは入っただけで死ぬ可能性が高いだろうな。


「戦闘が始まりますよ」


 身体が前のめりになる。

 加賀が接敵した魔物は“氷猿(アイスエイプ)”。

 氷の大地に適応した猿のようで、掌で氷のボールを創り出して、投げつけてくることが主な攻撃手段だそうだ。


『“炎拳”!!』


 加賀の拳が燃える。 

 傍から見たら燃えているようにしか見えないが、ゴン太の火の玉みたいに、加賀本人は熱を感じていないんだろう。


 その状態で拳を突き出すと、拳にまとわりついていた炎が、拳の形で射出された。炎の拳は弾丸程度……まあ俺では認識できない速度で進み、氷猿を殴り飛ばした。


 良かった。もし氷猿が“炎拳”を避けていたら、俺の動体視力はあの猿以下ってことになったからな。


「一撃……凄いですね」


「俺たちの最高火力であるゴン太の火の玉よりも強そうだな」


 流石にゴブリンキング相手に放った巨大火の玉の方が強いと信じたいが、三十階層ダンジョンの魔物を一撃で倒すとなると、ワンチャン加賀の“炎拳”の方が強い可能性もあるか。


「やっぱりAランク冒険者ともなると、人の域は脱しているな」


 炎を使った空中機動、そもそもの身体能力、身体の頑丈さ、その全てにおいて一般人の努力では到底到達不可能な力を見せられた。努力次第で俺らも成長すれば至れるのか、それとも手に入れたスキルによる運なのか、どちらにしても今の俺らでは雲の上の人でしかない。


「じゃあ次はSランクを見ますか」


「そうだな」


 加賀のダンジョン攻略動画を最後まで見たが、動きを理解できたのは最初の方だけだったな。特に三十階層のボス戦は延々と爆発と衝撃波が発生していることしか分からず、動画にした意味はあるんだろうかと思ってしまった。


 まあ力の差を実感することはできたし、動画を見た収穫はあるか。

 あとはSランクの実力だが、まあAランクとそこまで大差があるわけないだろう。


 と動画を見る前の俺は考えていたが、ぶん殴ってやりたい。


『“零冷(れいれい)”』


「ヤバいな……」


「はい……」


 動画に映る魔物のように、俺たちの語彙力が消失した。

 今見ている動画に映っているSランク冒険者は、【日本最強の冒険者】として有名で、“絶氷の薔薇姫”の二つ名を持つ西園寺(さいおんじ)麗華(れいか)


 彼女が放った攻撃はまさに神に等しき御業。

 魔物が立っている方向に掌を向けただけで、前方を一面銀世界へと変える。当然全魔物の命は尽き、ダンジョンそのものの性質をも変えた。


 西園寺が潜っていたダンジョンはとある海外のダンジョン。

 そこは昼の砂漠の酷暑を進まなければならない難しいダンジョンだったが、彼女が力を行使してからは吹雪く銀世界を進まなければならないダンジョンへと一変した。


 ネット情報によると、数年経った今も酷暑の砂漠には戻っていないらしい。


「こんな人が日本に居るのか……」


「今は冒険者としての仕事は休業しているらしいですけど、たまにダンジョンに行くらしいですよ」


「もし会えたら、強さの秘訣を聞きたいな」


「そうですね。もし会えたら」


 会えるわけないと分かっていながらも、こんな会話をしてしまうのは、同業者ならどこかで会えるかもしれないと期待している自分が居るんだろう。


「よし、研究していこう」


「は、はい?」


「まだ23時だ。あと四時間くらいは研究作業ができるな」


「よ、四時間!?」


 なに驚いているんだ?

 四時間程度なら一瞬で過ぎるだろ。そもそもあの戦いを研究するとなると、四時間でも足りないくらいだ。


「研究だけするんですか?」


「ああそうだったな」


「やっぱり」


 どうして頬を赤くしているんだ?


「研究を終えたら、ダンジョンに行くんだったな」


「――」


 夜にも拘わらず、凜々花の声にならない悲鳴が響き渡った。



ブラック企業で社畜として鍛え上げられた悟は少しだけおかしいです。


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