第21話 どうするか
「ただの筋肉痛だね」
無事ダンジョンから帰還することができたが、筋肉の痛みが酷かったから、あのクソ医者がいる病院に来たんだが、筋肉痛らしい。
「でも油断したらダメだぞ。おっさんの筋肉痛は長引くし、キツイからなぁ」
クソ医者は何処か遠いところを見ていた。
お前も筋肉痛になることがあるんだな……もう少し優しくしてやるか。
「自分がおっさんだということを自覚せず、筋肉痛が長引いているだけなのに、診療を受けに来るおっさん達はいいお客だよ」
撤回だ。
こいつに優しくすることはない。一生クソ医者と呼び続けよう。
「まあ本当に病気の場合もあるから、少しでも違和感を感じたのなら、病院に来るべきだけどね。人なんてコロッと死んじゃうんだから」
クソ医者は笑いながら言っていた。
コイツはクソとかじゃない。頭のネジが六つほど外れた……イカレ医者だ。
「まあ君は悪運が強いみたいだし、そう簡単には死ななそうだけどね。社畜仕込みの頑丈さもあるだろうし、程よく怪我をしながら生き延びて、ウチの売上に貢献してくれよ」
「……やっぱりお前、イカれてるよ」
「よく言われるよ」
笑いながら言うな。
そして指摘をされているなら、少しは改善する意欲を見せろよ。
まあ、このイカレ医者が改善しないことは分かりきった必然のことで、特に口出しするつもりはない。
「それじゃあ筋肉痛相手にできることなんてないから、超回復することを願って痛みが引くのを待ちなね。診察料はしっかり貰うけど」
「分かっているよ」
そこに文句を言うつもりはない。
ただ、患者を客と言ったり、そもそもお金のなる木にしか見えていないような発言などを問題視しているんだ。
イカレ医者に対する文句は心の中に収めたままにして、病院を後にする。
凛々花にゴン太とたぬ吉を預けているから、早めに迎えに行かないと。
車に乗り込み、凛々花の家へと向かう。
「〜〜〜」
いつものように音楽を流しながら、この一瞬の時も楽しんでいく。
会社を辞めて時間に余裕ができたから、「無理してでも時間を無駄にしないようにする」と心掛ける必要はなくなったが、そう簡単に癖は抜けないし、そもそも時間を無駄にしないことはいいことだし、続く限りは無理矢理やめるつもりはない。
十数分走り、凛々花の家に着いた。
「ゴン太たちは大人しくしていたか?」
「はい、ゴン太くんとたぬ吉くんは大人しく遊んでいましたよ」
「それは良かった。お礼と言ってはなんだが、夜ご飯奢るよ」
「ありがとうございます!」
ゴン太たちは、凛々花の家でぐっすり眠っていた。起きるまで待ってもいいんだが、お腹が空いているから、寝た二人を抱き上げて、連れて帰ることにする。
その途中で食堂によって、凛々花を返すためにもう一度凛々花宅に戻ることになるが、まあ家に着くまで起きはしないだろう。
「それにしても、どうやって【ジャスケダンジョン】に挑むか……」
「やっぱりゴン太くんとたぬ吉くんの力に頼るしかないと思います」
「だよな。俺のスキルは【テイム】、凜々花のは【気配察知】。どちらも強力なスキルに変わりないが、直接戦闘に役立つわけではないからな……」
車を運転しながら考える。
これから先、ゴン太とたぬ吉は成長していくだろうが、俺と凜々花はどうだろう。直接戦闘が少ないとなれば、成長曲線は緩やかなのは確実。つまり俺らとゴン太たちは、時間が進むほど差が大きくなるってことか。
【アニメックスダンジョン】で俺と凜々花だけで戦う機会を作るべきか……ただ、独学でやったところで大きな成長を見込めるかというと、そうではないはずだ。
俺も社畜の頃は、ブラックと言えど先輩の仕事を見て覚えることはできた……見て覚えた?
「なあ凜々花。SランクやAランク冒険者の仕事姿を見る方法ってないのか?」
「一応、記録用としてDtubeに動画が投稿されていますよ」
「……よし、夜ご飯を食べたら、凜々花の家で一晩中見るぞ!」
「えっえっえっ、一晩中!?」
なぜか凜々花が顔を真っ赤にしているが、気にせず食堂へと向かう。
明日もダンジョンに行くつもりだから、夜の内に上澄みも上澄みの戦闘方法とか見て、明日のダンジョンで研究する……よし、これなら身体への負担なくできる範疇だな。
「楽しみだな、凜々花!」
「――は、はぃ」
テンション上がってきたから、思いっきり食べるぞ!!
「……食べるもの気を付けないと」
「何か言ったか?」
「いえ、何も」
「そうか」
Sランク冒険者の動きってのは、やっぱり人の域から脱しているのか? Aランク冒険者ですら見えなかったりして……それはそれで参考になりそうだ。
急ですけど、ア〇ジャッシュのネタって面白いですよね。
関係ない話でした。
ブックマークと★★★★★をお願いします




